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NICe増田代表理事が送る、新たなビジネスチャンス発見法と実現へのヒント。11日配信のNICeメルマガシリーズコンテンツです。
第50回 捨てない商品パッケージ



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増田紀彦の「ビジネスチャンス 見~つけた」

   第50回 捨てない商品パッケージ
 
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消費者自身がどの程度気付いているかわからないが、
商品パッケージの「良し悪し」は、購買意欲を左右する大きな要因だ。

以前からコスメ関連商品は、
化粧品自体より、パッケージにコストを掛けていると言われてきたが、
そうした傾向は、他の分野の商品にも及んでいる。

また、かつては、むき出しで販売するのが普通だった青果や鮮魚も、
スーパーなどではパッケージングするのが当たり前になっている。

例えば鰺(アジ)一尾を販売するにしても、
スチロールのトレーに、吸水シートを敷き、
フィルムでラッピングし、さらにその上に、
「旬」「特撰」「お徳用」などのシールを貼り付けて、
陳列するという念の入れ用である。

余談だが、上で触れた吸水シートは、
魚から沁み出る「血液を吸い取る」役割を果たすので、
業界では「ドラキュラ・マット」と呼んでいる。
怖い、怖い(笑)。
(厳密には「ドラキュラ・マット」は、三和コーポレーションの商品名)

ところで、商品パッケージは何のためにあるのだろう?
おおよその見当は付くだろうが、
実は、消費者が思うよりも多くの役割をパッケージは担っている。
以下、その役割を簡潔に紹介しよう。

1 製品化機能
例えばジュース。パッケージ(容器)がなければ、そもそも商品にならない。

2 保護機能
商品本体を汚濁や破損から守ることはもちろん、
危険物の場合、商品が消費者を傷付けることも防ぐ。

3 利便機能
陳列を容易にしたり、箱詰めを容易にしたりする。
パッケージがあるから、商品自体の形状を自由自在にデザインできる。

4 差別化機能
「競合商品を見ないで、こっちを見て!」と、
消費者の視覚に訴え、購入への導線を作ることができる。

5 対話機能
商品に関するさまざまな情報を消費者に伝える。
購入促進のための情報もあるし、法令で定められた情報の表示もある。

6 娯楽機能
ショッピング自体を、より楽しくする効果も狙える。

ざっと、こんなところだろうか。

だが、これらの役割しか持たない商品パッケージは、
いや、パッケージは、というより、
そういうパッケージに収められた商品本体自体が、
これからの時代、ジワジワと追い詰められていく可能性がある。

なぜ?

どれだけ機能を有していたところで、
商品本体が消費されたり使用されたりすれば、パッケージは無用になる。

ゴミになるものに、多額のコストを掛ける行為が、
果たして、いつまでも許容されるだろうか?

もちろん、紙やプラスチック、ガラスをはじめとして、
多くのパッケージ素材はリサイクル可能だが、
そんな「当たり前」を主張したところで、
消費者の心を打つような話にはならない。

パッケージそのものが、耐久消費財としての価値を持つ。
そういうレベルのアイデアが、
これからのパッケージづくりにアドバンテージを与えるだろう。

すでに、そういうパッケージも出回り始めている。

例えばスマホケースの「simplism」。

この手の薄くて軽い商品の場合、
たいていはフックにぶら下げて陳列される。

なので、パッケージの上部中央に丸穴を開けておくのが一般的だが、
「simplism」は、パッケージの上にハンドル(持ち手)を取り付けて、
そこにフックを通している。
「かえって、余計なものを付けている」と、一瞬感じるが、
このハンドルがすぐれものだ。

パッケージから取り外すと、そのままコード類の結束バンドになる仕掛け。
カラーバリエーションも多く、スマホカバー選びの楽しさに、
結束バンド選びの楽しさも加わって購買動機形成を促進している。

そう言えば、折り畳むとハンガーになる紙バッグを見た記憶もある。
海外のカジュアルブランドだったかもしれない。

また、面白いのがカルビーの「ポテトバッグ」だ。

カルビーのポテトチップスを模した大きなビニール袋に、
あらかじめ土(と言っても、ピートやチップだから軽い)と、
肥料を混ぜたものが入っており、
そこに種イモを植え付ければ、ジャガイモが収穫できるという仕組み。

要するにパッケージがそのままプランターになるわけで、
庭や鉢のない家庭でもイモが栽培できると好評だ。

そう考えると、今では普通に活用しているカップ麺のパッケージもすごい。
食器がなくても、パッケージ自体で麺類が食べられるのだから。

ティッシュペーパーのパッケージも、そうだ。
これまた今では当たり前に使っているが、
薄い紙が難なく取り出せる、あのケースの意匠は画期的だ。

今後、カップ麺のパッケージやティッシュのパッケージがさらに進化して、
商品消費後の使い途が開発されることを願う。

時代は、「使えるパッケージ」を経て、
「捨てないパッケージ」へと向かい始めるだろう。

このトレンドを掴んだ商品が、消費を制する時代は、そう遠くない。



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「つながり力で起業・新規事業!」メールマガジンVol.187
(2023.5.11配信)より抜粋して転載しました。
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