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vol.187【増田紀彦の「ビジネスチャンス 見~つけた」第50回 捨てない商品パッケージ】



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Vol.187            2023.5.11 
つながり力で起業・新規事業!メールマガジン
起業支援ネットワークNICe https://www.nice.or.jp

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このメルマガは、NICeの活動に参加された方々、
またはNICe代表理事・増田紀彦と名刺交換をされた方々、
および全国の起業家、経営者、農林水産事業者、起業・創業希望者、
地域振興関係者、中小企業支援・創業支援機関、一次産業支援機関の方々へ送信しています。

  ┃目┃次┃ ┃ ┃ ┃ ┃ 
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【1】シリーズ増田紀彦の
  「ビジネスチャンス 見~つけた」

  第50回 捨てない商品パッケージ
   
【2】先輩経験談 
   あるある!ピンチ&リカバリー

  第43回 小杉文晴さん(東京都)
  

    
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増田紀彦の「ビジネスチャンス 見~つけた」

   第50回 捨てない商品パッケージ
 
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消費者自身がどの程度気付いているかわからないが、
商品パッケージの「良し悪し」は、購買意欲を左右する大きな要因だ。

以前からコスメ関連商品は、
化粧品自体より、パッケージにコストを掛けていると言われてきたが、
そうした傾向は、他の分野の商品にも及んでいる。

また、かつては、むき出しで販売するのが普通だった青果や鮮魚も、
スーパーなどではパッケージングするのが当たり前になっている。

例えば鰺(アジ)一尾を販売するにしても、
スチロールのトレーに、吸水シートを敷き、
フィルムでラッピングし、さらにその上に、
「旬」「特撰」「お徳用」などのシールを貼り付けて、
陳列するという念の入れ用である。

余談だが、上で触れた吸水シートは、
魚から沁み出る「血液を吸い取る」役割を果たすので、
業界では「ドラキュラ・マット」と呼んでいる。
怖い、怖い(笑)。
(厳密には「ドラキュラ・マット」は、三和コーポレーションの商品名)

ところで、商品パッケージは何のためにあるのだろう?
おおよその見当は付くだろうが、
実は、消費者が思うよりも多くの役割をパッケージは担っている。
以下、その役割を簡潔に紹介しよう。

1 製品化機能
例えばジュース。パッケージ(容器)がなければ、そもそも商品にならない。

2 保護機能
商品本体を汚濁や破損から守ることはもちろん、
危険物の場合、商品が消費者を傷付けることも防ぐ。

3 利便機能
陳列を容易にしたり、箱詰めを容易にしたりする。
パッケージがあるから、商品自体の形状を自由自在にデザインできる。

4 差別化機能
「競合商品を見ないで、こっちを見て!」と、
消費者の視覚に訴え、購入への導線を作ることができる。

5 対話機能
商品に関するさまざまな情報を消費者に伝える。
購入促進のための情報もあるし、法令で定められた情報の表示もある。

6 娯楽機能
ショッピング自体を、より楽しくする効果も狙える。

ざっと、こんなところだろうか。

だが、これらの役割しか持たない商品パッケージは、
いや、パッケージは、というより、
そういうパッケージに収められた商品本体自体が、
これからの時代、ジワジワと追い詰められていく可能性がある。

なぜ?

どれだけ機能を有していたところで、
商品本体が消費されたり使用されたりすれば、パッケージは無用になる。

ゴミになるものに、多額のコストを掛ける行為が、
果たして、いつまでも許容されるだろうか?

もちろん、紙やプラスチック、ガラスをはじめとして、
多くのパッケージ素材はリサイクル可能だが、
そんな「当たり前」を主張したところで、
消費者の心を打つような話にはならない。

パッケージそのものが、耐久消費財としての価値を持つ。
そういうレベルのアイデアが、
これからのパッケージづくりにアドバンテージを与えるだろう。

すでに、そういうパッケージも出回り始めている。

例えばスマホケースの「simplism」。

この手の薄くて軽い商品の場合、
たいていはフックにぶら下げて陳列される。

なので、パッケージの上部中央に丸穴を開けておくのが一般的だが、
「simplism」は、パッケージの上にハンドル(持ち手)を取り付けて、
そこにフックを通している。
「かえって、余計なものを付けている」と、一瞬感じるが、
このハンドルがすぐれものだ。

パッケージから取り外すと、そのままコード類の結束バンドになる仕掛け。
カラーバリエーションも多く、スマホカバー選びの楽しさに、
結束バンド選びの楽しさも加わって購買動機形成を促進している。

そう言えば、折り畳むとハンガーになる紙バッグを見た記憶もある。
海外のカジュアルブランドだったかもしれない。

また、面白いのがカルビーの「ポテトバッグ」だ。

カルビーのポテトチップスを模した大きなビニール袋に、
あらかじめ土(と言っても、ピートやチップだから軽い)と、
肥料を混ぜたものが入っており、
そこに種イモを植え付ければ、ジャガイモが収穫できるという仕組み。

要するにパッケージがそのままプランターになるわけで、
庭や鉢のない家庭でもイモが栽培できると好評だ。

そう考えると、今では普通に活用しているカップ麺のパッケージもすごい。
食器がなくても、パッケージ自体で麺類が食べられるのだから。

ティッシュペーパーのパッケージも、そうだ。
これまた今では当たり前に使っているが、
薄い紙が難なく取り出せる、あのケースの意匠は画期的だ。

今後、カップ麺のパッケージやティッシュのパッケージがさらに進化して、
商品消費後の使い途が開発されることを願う。

時代は、「使えるパッケージ」を経て、
「捨てないパッケージ」へと向かい始めるだろう。

このトレンドを掴んだ商品が、消費を制する時代は、そう遠くない。



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「先輩経験談 あるある!ピンチ&リカバリー」

第43回 年賀状の印刷が、社内期日に間に合わない。
増える一方の名刺に向き合う時間をルーチン化

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起業したては誰もが新人。独立してから遭遇する、
始動して初めてわかる、直面するピンチや悩みの数々。
そんな「起業あるある!」事例から学ぶシリーズ。
今回は、後継者の登場です。

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 小杉文晴さん 
 
 延宝年間((1673~1681年)開業・2012年入社
 東京都世田谷区
 小杉造園株式会社 常務取締役
 https://kosugi-zohen.co.jp/

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東京都内で300年以上も続く植木・造園業の長男として生まれ、
4代目の修業中だという小杉さん。
そんな歴史と伝統ある老舗の次期経営者として、
修業の身のご苦労話かと思いきや、意外なことがピンチだという。
しかも、まだリカバリーしておらず、
その解決のきっかけをこのメルマガ記事に託したい、とのこと。
どういうこと?

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「子どもの頃から緑はもちろん身近でしたが、
親から『後を継げ』とも、
造園や植木生産を勉強しろとも言われたことはないし
大学卒業後も一般企業に勤めてから、家業に入りました。
すでにプロの職人さんたちが大勢いて、各々の分業も明確ですし、
私が割って入って何か切り拓く必要もありません。
では、私は何をしているのか。いつもふらふら出歩いているので、
遊んでいると思われているかもしれませんね。
それも今回のピンチ話に少し関係しているのですが、
私のピンチは、ずばり、年賀状なのです。

師走になると、いつも総務の職員から、
『いついつまでに宛名リストをください』と言われるのですが、
間に合った試しがないのです。
となると、自分で印刷するしかありません。
しかし、それすら新年直前ギリギリ。
年末休みに入ってから、誰もいないオフィスで、
夜な夜な印刷作業をしてようやく投函。

もちろん、それでは元日配達には間に合いません。
これがもう7,8年も続いています。
なぜ、毎年そうなのか。
ほかの社員たちは、担当のお客さまや取引先に出すとしても、
せいぜいひとり数十枚だと思いますが、
私は、優に1000枚を越しています。
昨今は年賀状を廃止する企業や個人も増えているようですが、
私は大切だと思っています。

時節のご挨拶ができて、しかも次のアクションのきっかけにもなる。
大切に思っているなら、早くから作業に着手して、
ひとこと手書きを添えることもして、
元日にちゃんと届くように投函すればいいのですが、もうまったく無理(苦笑)。

原因は、毎年毎年、お出しする方が増える一方で、
宛名リスト化の作業が追い付かず、
過去のリストを精査する時間も足りていないからです。
年明けにはいつも反省して、次こそちゃんと年賀状を送ろう、
そのためにも名刺の整理を日々していこう!と思うのですが、
それも気が付けば、もう秋くらいになっているのが恒例で……。

というのも、名刺交換数が月100枚を超えることも珍しくなく、
まず、その名刺の整理、入力が追い付かず溜まっていくのです。

未来のお客さまづくり、ご縁を育むことが4代目の私の役目。
だから、新たなつながりを探して、あちこち出向くので、名刺も増える一方。

本来はピンチ&リカバリーがテーマですから、
問題をクリアしてから登場すべきですが、今年こそ、
期日内に年賀状を投函する!と、この場をお借りして宣言させてもらいます。
そうすることで、自分で自分のお尻に火を着けようと思いました。
解決策は「公言する」でしょうか。
すでに春。
もう今年に入って4か月分の新しい名刺をいただいているので、待ったなし。
名刺の整理・管理を、週1のルーチンにして取り掛かり、
今年こそは余裕で年賀状を投函します!」

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   あなたの挑戦を応援しマッスー☆
      ワンポイントガイド
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面白いですね、小杉さんは。記事への登場を、業務
改善のきっかけにしようなどと、よく思い付いたも
のです。こういう機転の利かせ方こそ、経営者にと
っての貴重な武器。さすがは小杉さん! もっとも、
これだけの発想ができるのなら、年賀状問題も人が
驚くような手段で解決できそうな気がするのですが、
そこは実直というか古風というか……。でも、年賀
状にこだわる小杉さんの姿勢、私はすごく好感を持
ちます。私も小杉さん同様、名刺管理に悩まされて
いますが、それでも私も、毎年、年賀状を出し続け
ています。ただ、新規の名刺情報の入力作業は、フ
リーランサーに外注し、更新されたリストを見なが
ら、年賀状を出す人にチェックを入れ、その分だけ
宛て名シールを出力するので、たぶん、小杉さんよ
りは省力化ができている気がします(笑)。昨今は名
刺の読み取りサービスなどもありますから、伝統を
重んじつつ、新しいツールを適宜活用されることを
小杉さんにはお勧めします。いずれにしても、来年
の元日の楽しみが増えました。果たして、小杉さん
からの年賀状は無事、その日に届いているでしょう
か。乞ご期待!(ますだ)



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 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃編┃集┃後┃記┃ ┃  
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先輩経験談に登場いただいた小杉さんとは、
NICeの頭脳交換会などの勉強会でお目にかかってきました。
受付スタッフを小杉さんがご担当された会もあって、
いつも穏やかな笑顔でお迎えくださったことを思い出します。
ここ数年減っていたリアルの集いが徐々に復活、
お名刺も増えて、きっと嬉しい悲鳴でしょうね。

次号のNICeメルマガ「つながり力で起・新規事業!」は、
5月22日頃の配信予定です。
(NICe広報・岡部)
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