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NICe増田代表理事が送る、新たなビジネスチャンス発見法と実現へのヒント。11日配信のNICeメルマガシリーズコンテンツです。
第42回 跡地にチャンスあり



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増田紀彦の「ビジネスチャンス 見~つけた」

    第42回 跡地にチャンスあり
 
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やや大ヒット中(変な言い方だが)の映画『シン・ウルトラマン』を観た。

もともと観るつもりだったが、福島県のいわき市に出張した際、
駅前のLATOV(再開発複合ビル)の壁面ビジョンに、
主役を務める齋藤工さんが映し出されていて、
色気たっぷりの声で、「円谷英二さんの故郷でもある福島県の皆さん、 
ぜひ、シン・ウマトラマンをご覧ください」と訴えるのを聞き、
これはもう、是が非でも見なければ、という気になった。
実は、私は齋藤さんが好きだ。

さて、映画のハナシ。
まだ公開中だから、極力ネタバレしないように努めるが、
冒頭の地底怪獣とウルトラマンとの対決シーンに、早くもテンションが上がる。

ちなみにこの映画では怪獣のことを「禍威獣」と表記しているが、
私は昔の人間なので、怪獣は怪獣という呼称のままでいく。

その地底怪獣の名は、ガボラ。
うわっ、懐かしい。子どもの頃に白黒テレビで観た時以来の再会だ。

ガボラは地下を移動する際の速度が極めて速い点に特徴がある。

その高速移動を可能にしているのが、
頭部の硬い皮膚(ヒレかもしれない)を閉じた時に出来る二重反転式ドリルだ。
このドリルのおかげで、岩盤などものともせずに前進していくのである。

さて、ここからビジネスの話題。

劇中、ジャニーズの有岡くんが演じる「禍威獣特設対策室」の滝明久が、
ガボラが通った跡を、地下道として活用できないかとつぶやくシーンがあった。

怪獣が暴れまくる中、そんな彼の思い付きは誰にも相手にされないが、
ウルトラマンがやって来てガボラを倒し、
事なきを得ることを予見している私は、彼の発想に感銘を受けた。

あくまで架空の物語でのセリフだが、
怪獣が通れるほどの直径の地下トンネルを建設しようとすれば、
目も眩むようなコストを要するだろう。
それが、「タダ」で手に入るのだから、確かに見逃す手はない。

このシーンを見た直後、
私はかつてのベトナム戦争のエピソードを思い出した。

南ベトナム解放民族戦線の兵士たちは、
米軍の激しい空爆によってできたクレーターに水を溜め、
魚の養殖池として活用したという話だ。

まさに怪獣並のサイズを有するB-52の攻撃の傷跡を、
生産施設に転化するというしたたかさに、高校生だった私の胸は躍った。

ちなみに現在、ベトナムの養殖産業は活況を呈している。
水産研究者である私の父も、何度となく現地を訪ね、
技術指導を行っていたが、それが役に立っているとしたら嬉しい。

また最近では、雨季に水田で米を栽培し、
乾季に同じ水田でエビを養殖する「shrimp-rice farming」も登場している。
戦争当時の「生きる知恵」と、現代の産業には直接の関係はないかもしれないが、
「使えるものは使う」というベトナムの人々の逞しさに、頭が下がる。

ひるがえって、日本はどうだろう?
様々な「跡地」をうまく活用できているだろうか?

元農地、元炭鉱、元採石場、元工場、元学校、元病院、元ホテル、元遊園地、
元ボーリング場、元ドライブイン、元ガソリンスタンド、元店舗、元家屋……。

調べれば、それなりの「有効活用事例」を見つけ出せるだろう。
だが、その事例の何百倍、何千倍もの跡地が再利用されず、
まったくの別物に変わってしまっているのではないだろうか。
いや、別物に変わっているのなら、それはそれで価値はある。
問題は、ただただ放置されてしまっているケースだ。

あなたが暮らす地域や職場の周囲に、
忘れられかけている「元○○」はないだろうか?

「あるけど、使い物にはならない」。
もし、そう思っているのなら、もったいない話である。

実際、宮崎県にある廃墟同然の元ホテルを安く買い取り、
そこをサバイバルゲームの競技場にして、しっかり稼いだ起業家もいる。
当然、改装費もかからないから、投資もあっと言う間に回収できたそうだ。

まさに跡地にチャンスあり、である。

以下、オマケ。

宅配ピザチェーン「ピザーラ」は、いかにして誕生したか?
同チェーンを経営する株式会社フォーシーズの、
会長兼CEOの淺野秀則さんが、映画『E.T.』を観たことがキッカケだった。

『E.T.』と言えば、
大人からE.T.を守ろために、子どもたちが自転車にE.T.を乗せて逃げ回るうち、
その自転車が空を飛ぶ、というラストのシーンが思い浮かぶ。

だが、浅野さんを感動させたのは、映画の冒頭、
宅配ピザが子どもたちの家に届くシーンだった。
当時の日本には宅配ピザがなく、浅野さんは「これだ!」と思ったそうだ。

というわけで、名作映画には、えてして本筋とは別のところに、
素晴らしいビジネスアイデアが潜んでいるものである。断言はしないが(笑)。


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「つながり力で起業・新規事業!」メールマガジンVol.168
(2022.7.11配信)より抜粋して転載しました。
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