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vol.168【増田紀彦の「ビジネスチャンス 見~つけた」第42回:跡地にチャンスあり】



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Vol.168            2022.7.11 
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起業支援ネットワークNICe https://www.nice.or.jp

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このメルマガは、NICeの活動に参加された方々、
またはNICe代表理事・増田紀彦と名刺交換をされた方々、
および全国の起業家、経営者、農林水産事業者、起業・創業希望者、
地域振興関係者、中小企業支援・創業支援機関、一次産業支援機関の方々へ送信しています。

  ┃目┃次┃ ┃ ┃ ┃ ┃ 
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【1】シリーズ増田紀彦の
  「ビジネスチャンス 見~つけた」

  第42回 跡地にチャンスあり
   
【2】先輩経験談 
   あるある!ピンチ&リカバリー

  第35回 菊池徳行さん(東京都渋谷区)
 
 
    
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増田紀彦の「ビジネスチャンス 見~つけた」

    第42回 跡地にチャンスあり
 
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やや大ヒット中(変な言い方だが)の映画『シン・ウルトラマン』を観た。

もともと観るつもりだったが、福島県のいわき市に出張した際、
駅前のLATOV(再開発複合ビル)の壁面ビジョンに、
主役を務める齋藤工さんが映し出されていて、
色気たっぷりの声で、「円谷英二さんの故郷でもある福島県の皆さん、 
ぜひ、シン・ウマトラマンをご覧ください」と訴えるのを聞き、
これはもう、是が非でも見なければ、という気になった。
実は、私は齋藤さんが好きだ。

さて、映画のハナシ。
まだ公開中だから、極力ネタバレしないように努めるが、
冒頭の地底怪獣とウルトラマンとの対決シーンに、早くもテンションが上がる。

ちなみにこの映画では怪獣のことを「禍威獣」と表記しているが、
私は昔の人間なので、怪獣は怪獣という呼称のままでいく。

その地底怪獣の名は、ガボラ。
うわっ、懐かしい。子どもの頃に白黒テレビで観た時以来の再会だ。

ガボラは地下を移動する際の速度が極めて速い点に特徴がある。

その高速移動を可能にしているのが、
頭部の硬い皮膚(ヒレかもしれない)を閉じた時に出来る二重反転式ドリルだ。
このドリルのおかげで、岩盤などものともせずに前進していくのである。

さて、ここからビジネスの話題。

劇中、ジャニーズの有岡くんが演じる「禍威獣特設対策室」の滝明久が、
ガボラが通った跡を、地下道として活用できないかとつぶやくシーンがあった。

怪獣が暴れまくる中、そんな彼の思い付きは誰にも相手にされないが、
ウルトラマンがやって来てガボラを倒し、
事なきを得ることを予見している私は、彼の発想に感銘を受けた。

あくまで架空の物語でのセリフだが、
怪獣が通れるほどの直径の地下トンネルを建設しようとすれば、
目も眩むようなコストを要するだろう。
それが、「タダ」で手に入るのだから、確かに見逃す手はない。

このシーンを見た直後、
私はかつてのベトナム戦争のエピソードを思い出した。

南ベトナム解放民族戦線の兵士たちは、
米軍の激しい空爆によってできたクレーターに水を溜め、
魚の養殖池として活用したという話だ。

まさに怪獣並のサイズを有するB-52の攻撃の傷跡を、
生産施設に転化するというしたたかさに、高校生だった私の胸は躍った。

ちなみに現在、ベトナムの養殖産業は活況を呈している。
水産研究者である私の父も、何度となく現地を訪ね、
技術指導を行っていたが、それが役に立っているとしたら嬉しい。

また最近では、雨季に水田で米を栽培し、
乾季に同じ水田でエビを養殖する「shrimp-rice farming」も登場している。
戦争当時の「生きる知恵」と、現代の産業には直接の関係はないかもしれないが、
「使えるものは使う」というベトナムの人々の逞しさに、頭が下がる。

ひるがえって、日本はどうだろう?
様々な「跡地」をうまく活用できているだろうか?

元農地、元炭鉱、元採石場、元工場、元学校、元病院、元ホテル、元遊園地、
元ボーリング場、元ドライブイン、元ガソリンスタンド、元店舗、元家屋……。

調べれば、それなりの「有効活用事例」を見つけ出せるだろう。
だが、その事例の何百倍、何千倍もの跡地が再利用されず、
まったくの別物に変わってしまっているのではないだろうか。
いや、別物に変わっているのなら、それはそれで価値はある。
問題は、ただただ放置されてしまっているケースだ。

あなたが暮らす地域や職場の周囲に、
忘れられかけている「元○○」はないだろうか?

「あるけど、使い物にはならない」。
もし、そう思っているのなら、もったいない話である。

実際、宮崎県にある廃墟同然の元ホテルを安く買い取り、
そこをサバイバルゲームの競技場にして、しっかり稼いだ起業家もいる。
当然、改装費もかからないから、投資もあっと言う間に回収できたそうだ。

まさに跡地にチャンスあり、である。

以下、オマケ。

宅配ピザチェーン「ピザーラ」は、いかにして誕生したか?
同チェーンを経営する株式会社フォーシーズの、
会長兼CEOの淺野秀則さんが、映画『E.T.』を観たことがキッカケだった。

『E.T.』と言えば、
大人からE.T.を守ろために、子どもたちが自転車にE.T.を乗せて逃げ回るうち、
その自転車が空を飛ぶ、というラストのシーンが思い浮かぶ。

だが、浅野さんを感動させたのは、映画の冒頭、
宅配ピザが子どもたちの家に届くシーンだった。
当時の日本には宅配ピザがなく、浅野さんは「これだ!」と思ったそうだ。

というわけで、名作映画には、えてして本筋とは別のところに、
素晴らしいビジネスアイデアが潜んでいるものである。断言はしないが(笑)。



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「先輩経験談 あるある!ピンチ&リカバリー」

第35回 
取引先への不満が募り、社長へぶちまけて決別寸前!
本音で話し合う機会を設け歯車のズレを修復、さらに大車輪へ

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起業したては誰もが新人。独立してから遭遇する、
始動して初めてわかる、直面するピンチや悩みの数々。
そんな「起業あるある!」事例から学ぶシリーズ。

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 菊池徳行さん 2003年独立・2013年設立
 東京都渋谷区
 
 株式会社ハイキックス 代表取締役
 http://www.highkicks.co.jp/
  
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会社員時代に広告制作・執筆編集の経験を積み、
『月刊アントレ』副編集長、『独立事典』編集長を経て、
編集プロダクションを設立した菊池さん。
ビジネスからスポーツ、ライフスタイルまで、
幅広いジャンルの雑誌、広告、会員誌、Webサイト制作などを手掛けている。

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「独立当初の話ですが、ピンチでもあり、また、そのおかげで、
今でも大切な教訓を得たと思っているエピソードをお話します。
古くからお世話になっている経営者から、
『うちの子会社がWebの制作をしているのだが、どうも気に入らない。
菊池君やってくれない?』と言われて仕事を受けた時のことです。
僕としては仕事が増えたのがありがたく、喜んで取り組んだのですが、
どうも最初から歯車がズレていたようでした。

というのも、子会社の人たちにとっては、
自分たちで制作を行ってきたのに、突然、
望んだわけでもない社外の僕らが加わってきたわけですから、やりにくい。
言うなれば、僕らは邪魔者でした。

それでも仕事なのだから、頑張ろうと思ってスタート。
しかし、始まったものの、ぎくしゃくしたままで、
それが時間を重ねるほどにどんどん悪化。
スケジュールがずれ込んで無理を言って来たり、
理不尽と思うような要望が来たり……。
それでも我慢していましたが、
編集プロダクションというのは、外部のブレインと協働するので、
外部の人にまで迷惑がかかる事態はさすがに我慢できなくなってきて、
2年ほど続けたものの、もう限界だと。

現状のままではやりにくい、改善されなければ継続できないと、
その会社の社長へ、直訴のメールを送ったんです。
正直、言いたいことを書いてせいせいしました。
でも、それは一瞬だけのことでした。
すぐに返信メールが来て、『では結構です』と。
見た途端に、ハタと気が付きました。
これで終わり? いいのか?
うちから依頼していた外部ブレインの顔も浮かんで、気づいたのです。
相手はお客さまだった、心を持った人間だったと。

その後、すぐ先方の社長に、一度飲みに行きませんか、と誘いを入れました。
社長も思うところがあったのか、僕の提案に乗ってくれました。
そして初めて、腹を割って話し合ったのです。
思っていたとおり、やはり、僕らの参入が面白くなかったと打ち明けてくれました。

僕も、そうだろうと感じていたのに、聞かずに放置してしまったことや、
スタートする際に、お考えを聞かせてください、と言うべきだったことなどを話し、
一方的に仕事を放棄するような態度を取り、申し訳ないと率直に伝えました。
やはり、話し合うこと、コミュニケーションは大事ですね。
2年も仕事をしながら、初めて気持ちが通じ合い、歯車が噛み合った瞬間でした。

それ以降、より良いWebにしようと、いろいろ率直に話し合い、
互いの熱もぐっと入って、今ではとてもいい関係です。
もちろんWebの完成度も満足度も、格段にアップしたことは言うまでもありません。

仕事は頂いているものだという意識、
そして、相手もまたひとりの人間であるという認識。
人と人の関係性、互いの気持ち、感情、思い……。
そういった、なかなか表には出ないけれど、
個々の奥にあるものを、感じながら、交えながら、仕事はしていくものだと。
そういう大切なことを心に刻めたいい経験でした。
飲みの誘いに応えてくれた、社長の器の大きさにも感謝しています」。

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   あなたの挑戦を応援しマッスー☆
      ワンポイントガイド
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課題に気付いていながら放置してしまう。「そんなの
ダメでしょ」と誰もが思うものですが、菊池さんの例
に限らず、これはよくあることです。多忙だったり、
課題を明確にするのが難しかったり、関係者間の力関
係や相性が微妙だったりと、課題を見過ごす理由は尽
きません。ですが、そこを頑張るのが経営者。
「ちょっとしたズレ」が、後々、抜き差しならない事
態に至ることは想像に難くないのですから。むしろ課
題こそビジネスを成長させるための材料であり、それ
を見つけたことは成果だと考えるべきでしょう。課題
を見つけまくり、解決しまくる。これが仕事の鉄則で
す。そのうえで、事態が悪化したらどうすべきか? 
菊池さんの行動が正解です。サボらず、意地を張らず、
あきらめず、関係者間でホンネをぶつけ合う。これし
かありません。もちろん「覆水盆に返らず」に終わる
こともあるかもしれません。でも反対に、それが契機
となり、強い信頼関係が結ばれることもあるのです。
その可能性を、実話を通じて教えてくれた菊池さんに、
心から感謝します。(ますだ)


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 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃編┃集┃後┃記┃ ┃  
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先輩経験談に登場いただいた菊池さんに、
これまで私も何度か原稿を編集していただき、
たくさんの励みやご指摘、学びをいただきました。
常に感じていたのは、もう1歩2歩、より完成度を引き上げること。
そして、それがなんとも力強くも温かくて、
太陽のように心地よいということ。
今回の記事で、菊池さんの根底にある、
人間への愛情と仕事への情熱を知ることができ、
改めて感謝の気持ちでいっぱいです。
仕事でも私事でも、人と人の間をつなげるのも深めるのも、
人の心がけひとつ。その大切さを忘れずにいきたいものです。

「つながり力で起業・新規事業!」
次号のNICeメルマガは、7月21日頃の配信予定です。
(NICe広報・岡部)
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