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起業したては誰もが新人。独立してから遭遇する、 始動して初めてわかる、直面するピンチや悩みの数々。 そんな先輩たちの実体験から学ぶ「起業あるある!」&ワンポイントガイド。
第27回 できること・したいこと、捨てる勇気。 体に良い食&震災を乗り越えた情熱で、新事業へ転換



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「先輩経験談 あるある!ピンチ&リカバリー」

第27回 
できること・したいこと、捨てる勇気。
体に良い食&震災を乗り越えた情熱で、新事業へ転換

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起業したては誰もが新人。独立してから遭遇する、
始動して初めてわかる、直面するピンチや悩みの数々。
そんな「起業あるある!」事例から学ぶシリーズ。

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 栁沼美千子さん 2007年開業
 福島県須賀川市

 料理研究家、「MANA」代表
 
 「MANAピクルス」販売
  すかがわ観光物産館flatto
  https://sukagawanote.jp/2021/06/20/sukagawa_information_6-2-2/
  
  道の駅たまかわ こぶしの里 
  http://www.kobushinosato.com/
  
  鏡石まちの駅 かんかんてらす
  http://www.kankanterasu.jp/

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2013年、第1回NICeなビジネスプランコンテストで、
自然酵母のこだわりのパンづくりと、
編み組細工技術の保全のための10年計画を発表し、
初代グランプリに輝いた料理研究家の柳沼さん。
その後、着々と計画を進め、料理と編み組指導もしながら、
砂糖を使用しないキクイモパンも商品化させ、
県内の病院や空港、百貨店など販売網を拡大。
2016年には、東京の京王百貨店 新宿店で開催された 
『みちのく いいもん うまいもん』で対面販売を行い、
多くの支持と評価を広げてきた。
ところが、2020年夏、パンの販売も編み組も、辞めたと言う。
どうしたというのか?! 大ピンチ?

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「いえいえピンチと思っていません、ワクワクしています(笑)。
新たな事業を立ち上げたのです。ピクルスです。
自宅に併設していたパンの工房だと、自然酵母のパンづくりと、
ピクルス製造を同時にはできない、と保健所に言われてしまって。
じゃ、パンは辞めよう、編み組もこの際、と、きれいさっぱり。
えっ? 誰かに相談したかって? しませんよー(笑)。
だって、やるのは自分ですもの。
自分がやりたいと思ったこと、できることを、どこまでできるか、
挑戦したくなったのです、それが地場産ピクルス。
決断するのは早かったですよ。

私のベースにずっとあるのは、“体に良い食”です。
ここ数年、加工商品のアドバイザーも務めていて、
自分で徹底してこだわったピクルスをつくりたくなったのです。
震災前に農業短期大学で農業を学び始めてから、
自分でも栽培を始め、いろんな農家さんとのご縁も広がっていました。
ちょっとの傷や変形があるだけで、出荷できない、廃棄されてしまう。
地元の美味しい農産物がもったいなさすぎる!との思いがずっとあったのです。
じゃ、やろうと。

醸造酢は、地元で8代続く老舗・太田酢店さんのお酢で、
食材の仲間は、地元の生産者さんをはじめ、
震災後に受講した『ふくしま6次化創業塾』で知り合った受講生も。
昨秋には、クラウドファンディングにも初挑戦して、
おかげさまで無事目標金額を達成することがきでました。
今は、季節ごとに旬の地場産野菜や果物をピクルスにして、
地域の物産館や道の駅で販売しています。

振り返れば、起業して最大のピンチは2011年の大震災でした。
この世の終わりかと思いました。
ご近所は全壊しているし、自宅の中も工房もめちゃくちゃ。
情報はなく、海外の知り合いから国外避難を勧められたり。
地割れで畑作業もできず、パンの材料も入手できない。
何より一番は気持ちですね、しばらくパンをつくる気すら起きませんでした。

少しずつ気持ちが前向きになったのは、震災から半年後、
6次化創業塾に参加してからです。講師はNICeの増田さんで、
そこでいろいろな受講生と仲間になって、
微力な私にもできることは何だろうと考えるようになり、
仲間と一緒にと、少しずつ前向きな気持ちになっていきました。
こんな小さな私にでも何かできるのでは?と。
私のパンを食べていただいて、
意気消沈している人に何かしら力を、元気を、少しでも
与えられたら良いなというのがパワーの源でした。
美味しいよという一言で、私もよしっ!次もがんばろう!と思えて、
その積み重ねでここまで来たでしょうか。
信じて、研磨して、つくって、アピールして、共感して喜んでいただく。
6次化創業塾で学んで燃えた心の火を、今も灯し続けている感じです。

どんな状況でも、大切なのは、まずは自分が動くことかなと実感しています。
動けば何かが変わりますし、どんなに小さな一歩でも、
動けば風が動いて、人を巻き込むし、人にも巻き込まれていきます。
出会ってきた人たちも、出合ってきた経験も、すべて活かして、
新たな挑戦、これからピクルスで頑張っていきます!!」

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   あなたの挑戦を応援しマッスー☆
      ワンポイントガイド
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柳沼さんが暮らす須賀川市は福島県の内陸部に位置します。です
ので津波が押し寄せることはありませんでしたが、建物の倒壊が
相次ぎ、ダム湖も決壊して多くの方の命が奪われました。その恐
怖と被害を経て、彼女が「頑張ろう」とやってきたのが、「ふく
しま6次化創業塾」でした。講師を務めたのは私です。震災発生
からまだ半年程度の時期でした。そんな折りに、「福島県産の農
産物や食品を売ろう」という勉強会です。受講生も私もまさに命
懸けの取り組みでした。ところが一人だけ、何事もなかったよう
にニコニコしている人がいるのです。それが柳沼さんでした。
この世に、こんなポジティブな人がいるのかと、驚いたものです。
でも、時を重ねる中で、彼女の強さの秘密がわかってきました。
決して能天気なわけではありません(笑)。彼女は、元気を得るた
めに、どんどん人と関わるのです。そして、もらった元気を今度
はどんどん返していきます。その繰り返しによって、彼女の周囲
には前向きな空気が広がっていくのです。この10年、柳沼さんを
見ていて、それがよくわかりました。辛い時や苦しい時、人と会
うのがイヤになることもあります。でも、その辛さや苦しさを乗
り越える力を与えてくれるのは、結局、人です。自然災害には、
容易に抗することはできませんが、再起はできます。人と人が力
を合わせれば……。そのことを、身をもって教えてくれた柳沼さ
んこそ、我が人生の師です。(ますだ)

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「つながり力で起業・新規事業!」メールマガジンVol.147
(2021.8.11配信)より抜粋して転載しました。
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