第26回 苦手だと思い込んでいた営業で開眼。 他者への関心・好奇心で、人から学び続ける経営者に
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「先輩経験談 あるある!ピンチ&リカバリー」
第26回
苦手だと思い込んでいた営業で開眼。
他者への関心・好奇心で、人から学び続ける経営者に
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起業したては誰もが新人。独立してから遭遇する、
始動して初めてわかる、直面するピンチや悩みの数々。
そんな「起業あるある!」事例から学ぶシリーズ。
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上西和信さん 1968年創業、2003年承継
千葉県木更津市
株式会社東和機材 元取締役会長
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父親が創業した住宅設備機器の卸販売業を継いだ上西さんは、
昨年6月、会長職を辞して、会社組織から完全卒業した。
今年2月からはほぼ毎日、経営者団体の裏方として鴨川市へ赴き、
市内の各企業や経営者に会い、話を聞く充実の日々だという。
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「経営者時代を振り返ればエピソードは多々あるけれど、
ピンチよりも、いいことしか思い出せません(笑)。
カラ元気だけでやってきて、人との出会いで、成長させてもらった。
みなさまのおかげ、としかない。それは今もです。
ただ、私に限らず、会社組織での困りごとの8、9割は、
人間関係のことじゃないかなぁ。
私が専務だった時に、営業所を新規につくることになって、
面接をして、ひとりの女性を採用したのだけど、
この社員の扱いが難しかった(笑)。
仕事はできるけれど、気が強くて、しょっちゅう意見を言ってきて、
そのつど『すみません』って、なんで俺が謝るのかと……。
でもそうやって、年代や性別や価値観や視点の異なりを、
人と接することで知ったり、学んだりすることが、
経営者だろうが一社員だろうが、大切なことだと思うのです。
『経営者には、経営戦略や人心掌握術が必要だ』とか、
よく耳にするけれど、
そういうスキルやノウハウ、資格、肩書などではなくて、
経営者や長となる人は、人としての総合力というか、人間力が、
何より大切ではないでしょうか。
人と人の間、人の機微を感じ取る力は、人間関係で苦労して、
もまれながら養えるし、誰からでも、人と出会うことで、
素直に学ぶ姿勢を忘れずにいる、と言うか。
それでしか、人としての資質は磨けないような気がします。
ではどうすれば磨けるか、という意味でも、
何かと理由をつけて人さまに会える営業職っていうのは
いい職務だなぁと改めて思います。
昨年、会長職を辞めた理由は、“長”が組織に2人もいると、
下はいろいろやりにくいだろうな、と思ったのと、
正直、会長になってから外に出る機会も人も会う機会も減って、
やることといえば資金繰り、会うのも金融機関の人ばかりで、
楽しくないというのも本音です(笑)。
長年営業畑できた自分は、人に会うのが大好きだったから。
でも、若い時は、営業はやりたくないと、
やる前から毛嫌いしていたんですよ。
10円で仕入れたものを12円で売るような仕事は嫌だ、なんて生意気だよね。
いざ実際にやってみると、いいお客さんにも恵まれて、
意外にも、営業の仕事が大好きになりました。
なぜかって、スケベ心(笑)というか、人への好奇心・関心です。
会ってみたくなる、会うとまた話を聞きに行くのが楽しくて楽しくて。
よく、『営業イコール自分を売れ、自分のファンを作れ』とか言うけれど、
私は全く逆で、こちらがお客さんのファンになってしまう。
同業者の営業が敬遠するような、お堅い会社の偏屈な(笑)
年配の経営者のところへも、好奇心が先立って、会いに行く。
そうすると、相手も面白がってくれてね。ますますファンになる。
そうやって、人間勉強をさせてくれるのが、営業の醍醐味だし、
経営者にも必要な機会だとつくづく思っています。
それが今も原動力になって、経営者団体の会長と一緒に、
いろんな人に会いに行く毎日が楽しくて仕方がありません。
最初は毛嫌いしていた営業を長年やってきたおかげで、
人と出会うこと、自分から行動することで、学べる多さを実感したし、
今もますます人への関心が増して、行動あるのみと思えています。
コロナの影響で、みなさん、人に会いに行くのも難しい状況だろうけれど、
ふらり出向いた先で、偶然の出会い、運命の出合なんて多々あります。
やりたいと思ったら自分一人でも行動を起こすこと。
経営者に限らず、どんな立場の人でも、いくつになっても、
人との出会いから学ぶこと、そのために行動することをお勧めしたいです」
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あなたの挑戦を応援しマッスー☆
ワンポイントガイド
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上西さんは、「うえにし」さんではなく、「じょうにし」さんと
お読みします。ですので、多くの仲間が苗字をもじり、親しみを
込めて「ジョニーさん」と呼びます。本当に気さくで、誰に対し
ても分け隔てなく接する姿勢は、私にとってもお手本です。そう
いえば、以前、千葉県を大型台風が襲ったとき、心配でジョニー
さんに電話をしたら、「あ、増田さん。うん、被害はないよ。そ
んなことよりさ、いつ、建材を引き取ってくれるの?」と……。
「ん? ガレキか何かを撤去してほしいってことか」と考えたも
のの、その後も話がかみ合わない。要は、ジョニーさんが「増田
さん違い」をしてたって話なんですが、そういうツッコミ所満載
なところも、また彼の魅力だったりします(笑)。そんなジョニー
さんも、従業員のことでは頭を痛めた経験があるとか。この問題
は本当に多くの経営者にとって悩みのタネですよね。では、どう
解決するのか? 実に素敵な答えをジョニーさんが語ってくれて
います。自らとは異なる視点や価値観を学ぶ機会にすればいいの
だと。本当にそうですね。この考え方は、「異業種・異地域・異
世代の仲間をとつながろう」と訴えるNICの活動にも通じます。
あらためて、「異なる相手とのかかわりを通じて人は豊かになれ
る」という考えに、ジョニーさんからお墨付きをいただいた気分
です。ありがとうございます。(ますだ)
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「つながり力で起業・新規事業!」
メールマガジンVol.145
(2021.7.12配信)より抜粋して転載しました。
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