第25回 目指してきた講師試験に挑むも、結果は不採用。 ベクトルを変えて学び直すことで、真の目的が明確に
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「先輩経験談 あるある!ピンチ&リカバリー」
第25回
目指してきた講師試験に挑むも、結果は不採用。
ベクトルを変えて学び直すことで、真の目的が明確に
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起業したては誰もが新人。独立してから遭遇する、
始動して初めてわかる、直面するピンチや悩みの数々。
そんな「起業あるある!」事例から学ぶシリーズ。
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猪瀬記利さん 2017年独立
神奈川県川崎市
中小企業診断士
https://noritoshi-inose.com/
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就職・転職関連の会社に勤めながら、中小企業診断士取得を目指し、
7年間の勉強期間を経て2014年に合格した猪瀬さん。
3年後に独立し、これまでの職務経験と資格を活かして、
企業研修やセミナー講師として活躍している。
だが、昨年からコロナ禍により、出張講師の依頼は激減。
てっきりそれがピンチ、かと思いきや……。
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「根がポジティブなので(笑)。逆にこの時間をどう活かすか、
というほうへ思考が向いています。
独立後のピンチは一昨年のことです。ずっと目指していた、
産業能率大学の講師試験で採用されなかったことでしょうか。
診断士に合格する前から、取得したら何をしようと考えていました。
7年も勉強していると(笑)、いろいろな情報が入ってきて、
どうも、診断士には経営コンサルのほかに講師業というのもあるらしいと。
当時、私は勤務先で、ゼロから転職サイトの立ち上げをし、
さまざまな業種の経営者や従業員のインタビューもしていたし、
前職では広告制作や雑誌編集の経験もあったので、
対面で話すことが苦手ではないな、と思えました。
さらに、中小企業診断士の講師業の中でも、
プライオリティが高く、権威あるポジションなのが、
産業能率大学の講師だとも小耳にはさんで。
よし、どうせ挑むなら、そこを目指そうと決めたのです。
産業能率大学の講師採用試験は1年近くかかり、面接がかなり厳しく、
一度落ちると、その後3年は再応募すらできない、とも聞いて、
どのタイミングで応募しようか迷いましたが、独立翌年に挑戦しました。
結果、最終面接まで残れたものの、残念ながら不採用。
診断士の受験勉強を7年続けていた時にも、
何度か心が折れそうにはなりましたが、根がポジティブなので(笑)
途中で挫折するのは嫌だと、頑張れました。が、
最終選考まで行って落ちたのは、正直、かなり凹みました。
経験不足か力不足か、不採用の理由はもちろん教えてもらえません。
けれど、私自身が一番わかっていました。明白なのは、
そもそも権威あるポジションだから、との動機があさましい。
猛省しました。
数日はかなり落ち込みましたが、さて、どうしようか、と。
視野を広げステップアップしなくては! とにかく動こう、と
診断士の塾へ通ってみることにしたのです。
そこで、自分の商品価値は何かを考える課題があって、
改めて自問を繰り返し、私が目指してきた講師業は、
何のためにやるのか、そもそも、なぜやりたいのか。
テーマというか自分の哲学がなかったことに気付かされました。
診断士として、仕事でも生活でも、その人らしさを、自分らしさを引き出し、
それぞれの強みを尊重し合っていくことで、より良い世界にしたいなと、
そのお手伝いをしていきたい。
講師業はその手段のひとつであり、目的そのものではない、
視野の狭さを痛感したと同時に、
今、気づけて良かった、不採用だったことも良かった、と思い、
ベクトルを変えて、ゼロから学びをスタートしようと気持ちを新たにしたのです。
そう思い至った頃に、もっと自分の幅を広げて提供できる力を蓄えようと、
個人にとっても組織にとっても、より良いパフォーマンスが発揮できる
『7つの習慣R実践ファシリテーター 認定』と
『ギャラップ認定ストレングスコーチ』を学びました。
ちょうどコロナ禍で、企業の研修講師の仕事もキャンセルが出始めたタイミング。
この時間は、じっくり勉強できる好機だ!と思えました。
そして今春からオンラインでの個人向けセミナーもスタートさせました。
個人向け・法人向けに今後どう展開していくか、
まだ試行錯誤をしていますが、
アレンジしながら取り組んでいるところです。
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あなたの挑戦を応援しマッスー☆
ワンポイントガイド
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試験ほど怖いものはありません。落ちた悲哀を味わうのも怖いの
ですが、合格していい気になってしまうのも怖いことです。試験
は一見、受験した人の能力を計る取り組みのように思えますが、
客観的には、限られた席を誰に与えるかを決める方法のひとつで
しかありません。ちなみに別の方法を挙げれば、くじ引きがあり
ます(笑)。なのに、私たちはどうしても試験結果に一喜一憂して
しまいます。疲れますよね。猪瀬さんも、さぞやグッタリしたこ
とでしょう。その点、起業家は話が違ってきます。席を奪い合う
のではなく、席を自ら作ることができるからです。特定の指標に
よる評価ではなく、自らの才能を自らで認識し、それを人々の利
益になるような仕組みを自由に作れるのですから。猪瀬さんも、
そこに気付いたのだと思います。確かに以前は、「資格取ったく
らいでやっていけると思ってるのか?」とツッコミたくなるほど
頼りない雰囲気が漂っていたのですが、今は立派です。起業意識
を高めることで、人としても大きく成長したからでしょう。実は
私と彼とは長い付き合いで、ずっと弟分のように思ってきました。
ですが今はもう仲間です。彼の成長を励みに、私もさらに頑張ら
ねばと心を新たにしました。(ますだ)
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「つながり力で起業・新規事業!」
メールマガジンVol.143
(2021.6.11配信)より抜粋して転載しました。
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