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起業したては誰もが新人。独立してから遭遇する、 始動して初めてわかる、直面するピンチや悩みの数々。 そんな先輩たちの実体験から学ぶ「起業あるある!」&ワンポイントガイド。
第24回 他の指導者の真似ではなく、自分流の教え方を模索。 2足のわらじを脱ぎ、奏者としてもストレスフリーに



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「先輩経験談 あるある!ピンチ&リカバリー」

第24回 
他の指導者の真似ではなく、自分流の教え方を模索。
2足のわらじを脱ぎ、奏者としてもストレスフリーに
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起業したては誰もが新人。独立してから遭遇する、
始動して初めてわかる、直面するピンチや悩みの数々。
そんな「起業あるある!」事例から学ぶシリーズ。

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 山中由美子さん 2005年開業
 大阪府摂津市

 ギタリスト
 山中ギター教室 代表 
 http://www.yumiko-yamanaka.sakura.ne.jp/index.html

 
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関西を中心に、プロのギタリストとして活動し、
クラシック音楽からポピュラー音楽まで幅広いソロやデュオ、
他楽器とのコンサートのほか、教授活動も行なっている山中さん。
現在、山中ギター教室を主宰しているほか、3カ所の出張教室、
アンサンブルや個人指導など、コロナ禍にあっても
音楽でつながったご縁は途切れずにいるという。

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「私が本格的にクラシックギターを学び始めたのは高校生の時。
プロを目指すには、遅いスタートでした。
通常なら幼少の頃から先生について学び、音楽中心の生活を送り、
当然のごとく進学は音楽系へ、そして留学して、
帰国に併せてプロデビュー、という方がほとんどですから。
その分、私は社会人になってからも、音楽活動と並行して会社勤めも続け、
学費を貯めてはヨーロッパへ短期留学する、という生活を続けました。

山中ギター教室の看板を挙げたのは2005年ですが、
プロ活動も教授活動も、20年以上前からになります。
教室は、たまたま先生の後任として引き継いだのが始まりでした。
とはいえ、教え方など習ったこともなく、
前任の先生が厳しい方だったので、最初は、そうあるべきなのかと、
そのやり方まで引き継いでしまっていました。

でも、それではダメだ、どうすればいいのかと試行錯誤の日々でした。
私自身も多くの先生に学んできましたけれど、
他の指導者の良い面をそのまま真似してもダメなのですよね。
それは、人の真似に過ぎず、私ではないので。
分かりやすい教え方、伝え方、その言葉ひとつ、態度ひとつ、
すべてにおいて、私のやり方が見えるまで、数年要したでしょうか。
今の私は、生徒さんを全く怒りません(笑)。
厳しく指導したり、怒ったりするのは、いわば自分都合ですから。
私は、演奏する人も聴く人も関わる人も、生徒さんも私自身も
音楽を通じて幸せでいてほしい、それを一番に思っています。
いかに生徒さんひとりひとりの個別性に添えるか、気持ちでも添えるか。
ここ数年、辞める生徒さんがいないのは、私自身も自信になっています。

7年前に、音楽と会社勤めとの2足のわらじを脱いで、
音楽1本に絞ったことも、ひとつの要因かもしれません。
思い切って決断した、というよりも、
20代の時からずっと、音楽で生きて行こうと思っていたので、
私にとっては自然なことでした。
それまで、音楽と会社勤めの両立ができていたつもりでしたが、
今思うと、ただの“つもり”だったなと。

というのも、バイトだろうが社員だろうが仕事ともなれば、
中途半端にはできませんし、時間も気持ちも思考も削らざるを得ません。
「今の仕事のペースだと……」と、どうしても思考が割かれて、
新規の生徒さんを増やせないなとか、
演奏のオファーも一瞬躊躇してしまうとか、
自分ではコントロールできない仕事が大前提になって、
自分でコントロールできる音楽へしわ寄せが行く……。
そのストレスが増して、ジレンマも募ってきて、
そう思う今こそタイミングだなと、
会社勤めを辞めて、音楽1本に絞ったのです。

経済的な不安よりも、音楽に集中できる幸せのほうが
遥かに大きいと実感しています。
私自身もさらに音楽の幅をもっと広げたかったので、
アコギやウクレレ、ジャズの勉強をあらためて始めましたし、
自主練習の時間もぐっと増やせて、何より、
生徒さんへの対応に気持ちの余裕が生まれたと感じています。

コロナ禍で、ご家族を思って教室をお休みされている生徒さんはいますが、
『せめて好きな音楽は続けたい』と、継続を望む方も少なくありません。
教室の発表会も今年は開催を予定していますし、
年内か年明けには、デュオとソロのCD計画も進めています。
演奏者も聴く人も、それぞれに関わる人も、音楽を通じて幸せでいてほしい、
その想いで、これからも音楽活動を続けていきます」


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   あなたの挑戦を応援しマッスー☆
      ワンポイントガイド
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私の自慢のひとつに、物事を教わるのが上手いことがあります。
方法としては、まず先生が答えやすい事柄を質問し、その答えを
褒め、先生に自信をつけさせておいて、さらに踏み込んだことを
尋ねる。そんな感じです。策士ですね(笑)。さて、山中さんは教
える側として、いろいろな苦労をされてきました。あの柔和な山
中さんが、かつては生徒を怒っていたとは……。教えることが苦
痛に感じられていた時期かもしれません。よく、「物事は厳しく
教えるべき」みたいに、教える方法を他者に教える人がいますが、
実際、どうでしょうね。私に限らず生徒は、必ず何かを学びたい
という欲求を抱いて教室に足を運んでいるものです。その「何か」
を精緻に理解し、その欲求に応じてあげれば十分ではないでしょ
うか。実際、それが出来ているのが山中さんです。山中さんの生
徒がやめないということは、山中さんがおのおのの生徒の学びた
い「何か」を理解して応えているからにほかなりません。今回、
山中さんのお話を伺って、物事を教える仕事には、生徒の意欲を
信じることと、自分の努力の成果を信じることの2つが不可欠だ
と、あらためて感じました。そんなことを学んだ私も、もはや山
中さんの生徒の一人です。ギターは論外級に下手ですが(笑)。
(ますだ)


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「つながり力で起業・新規事業!」メールマガジンVol.141
(2021.5.11配信)より抜粋して転載しました。
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