第33回 時代はスマホからPCへ?
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増田紀彦の「ビジネスチャンス 見~つけた」
第33回 時代はスマホからPCへ?
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ついにテレビCMまでやるようになったか……。
米国発ビジネス、Pinterest(ピンタレスト)の話である。
出演しているのは女優の中条あやみさんだ。
彼女についていえば、
ハーゲンダッツのCMの中の、「いかにも幸せそうな動き」が素敵で、
それを見た私はすっかりファンになっていたのだが、
今回のPinterestのCMでも、これまた幸せそうに動き回っているのである。
というか、一瞬、シリーズ広告か? と思うほど二つのCMは似ている。
いずれにしても、「上品な雰囲気の人がリズミカルに動き回る」。
この演出は、高級感と幸福感を同時に訴求できる方法だと気付いた。
仮にこれが中条さんではなく、フワちゃんだったら……。
いやいや、彼女には彼女ならではの魅力がもちろんあるのだが。
さて、話をPinterestに戻す。
私はかれこれ1年以上前からこのサービスのお世話になっているが、
ご存じない方もいるかもしれない。
PinterestはSNSではなく、ビジュアル探索ツールであり、
ビジュアル共有サービスでもある。アプリだけでなくWEBでも利用可能だ。
例えば、飲食店の店舗デザインについてのアイデアを得たいとする。
まずはPinterestにアクセスし、「飲食店」で検索。
すると、ダダダッーと飲食店関連の画像や動画がアップされる。
しかも、さらに絞り込んだ検索をフォローすべく、
ページの上部には、
●ポスター ●チラシ ●内装 ●Webデザイン ●メニュー ●ロゴ
●カウンター ●看板 ●コロナ対策 ●外観 ●名刺 ●ファサード
●個室 ●ショップカード ●トイレ ●クーポン ●厨房 ●DM
などのボタンが表示される。(実際にはもっと多い)。
その中から、例えば「カウンター」を選べば、
様々な業態の店内カウンター画像が次から次へと表示される。
写真だけでなく、設計図なども出てくる。
もう、これだけでもかなりのヒントを得られるのだが、
さらに表示内容が絞り込めるようになっている。
カウンターの話の続きでいえば、
バーカウンター、カフェカウンター、カウンターキッチンなどの、
より絞り込んだ検索ワードが再び表示されるのである。
どれかを選び、また画像をチェック。
それで終わるかといえば、そうではなく、
バーカウンターを見ていたとすれば、そこにまた関連ワードということで、
先ほども表示されたカフェカウンターなどのワードが出てくる。
「では、一応そっちも見ておくか」という気になり……。
要は、延々とリサーチを続けることができてしまうのである。
実際、プレゼンテーション資料に用いるイメージ画像などは、
ほぼ確実に狙ったものが手に入る。
気に入った画像はPinterest内の自分のページに保存することもできるし、
(それをピン留めするとか、ピンするとか言う)
「名前を付けて画像を保存する」で、外に出すことも自在だ。
かつて、さんざん苦労したビジュアル素材探しから解放された喜びと、
より求めるイメージに近づいていく高揚感で、ユーザーは(私は)、
すっかり時間が経ったことなど、おかまいなしになってしまう。
しかも、このサービスに天も味方をした。
コロナ禍の今、外出や移動の機会が減り、出社かテレワークかを問わず、
PCの前にいる時間が長くなっている人が相当増えているはず。
日本だけの話ではない。世界中の話だから、すごい人数だ。
移動中ならスマホを主に使うが、
デスクにいるとなればPCを使うし、
大量の画像が表示されるとなると、
やはりサイズの大きいPCのディスプレイのほうが見やすい。
以前、ガラケーでテレビ中継を受信することができたが、
あの大きさなら、普通にテレビモニターで見る方がいいのと同じ理屈だ。
ということで、今回は、スマホ全盛時代の今ではありながら、
PCにも、新たなチャンスが巡ってきたという視点である。
ワクチンが奏効し、やがて世界はコロナを克服するだろう。
そうあってほしい。
ただ、そういう段階が訪れたとしても、
コロナ禍以前と同じように、
多くのビジネスマンが東奔西走するようになるかと言えば、疑わしい。
実際に遠くまで出かけて行かなくても、
オンラインで済ませられる用件は少なくない。
であれば、交通費と時間の節約(削減)というメリットを、
あえて企業が放棄することはないはずだ。
だから将来も「PC前」の滞在時間の長い人は一定数維持されるだろう。
そう書いていて自分で気付いたのだが、
最近は長距離列車に乗らないせいか、文庫本を読む回数が減り、反対に、
いろいろな企業や団体から送られてくるメルマガに目を通す機会が増えている。
以前なら、スルーしていたようなメルマガでも、
「(時間があるから)一応、どんなことが書いてあるのか見ておくか」、
という気になっているのである。
ふだん見逃している視点や知識を得られるかもしれないという期待からだ。
それなりの時間をかけて何かを探す。あるいは何かを読む、調べる、見る。
そういう情報収集方法を選択する人口は確実に増えている。
今、注目すべき新興セグメントは、
「外出や移動が減り、PCの前に長くいることになってしまった人々」である。
私もその一人だ。
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「つながり力で起業・新規事業!」
メールマガジンVol.143
(2021.6.11配信)より抜粋して転載しました。
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