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vol.141【増田紀彦の「ビジネスチャンス 見~つけた」第32回:「みかん」の「みかん」】



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Vol.141            2021.5.11 
つながり力で起業・新規事業!メールマガジン
起業支援ネットワークNICe https://www.nice.or.jp

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このメルマガは、NICeの活動に参加された方々、
またはNICe代表理事・増田紀彦と名刺交換をされた方々、
および全国の起業家、経営者、農林水産事業者、起業・創業希望者、
地域振興関係者、中小企業支援・創業支援機関、一次産業支援機関の方々へ送信しています。

  ┃目┃次┃ ┃ ┃ ┃ ┃ 
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【1】シリーズ増田紀彦の
  「ビジネスチャンス 見~つけた」
   第32回 「みかん」の「みかん」
   
【2】先輩経験談 
   あるある!ピンチ&リカバリー
   第24回 山中由美子さん(大阪府)
   
   
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増田紀彦の「ビジネスチャンス 見~つけた」

 第32回 「みかん」の「みかん」
 
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何となくテレビを眺めていたら、CMにデヴィ夫人が出ていた。
年齢は存じあげないが、それなりのご高齢のはず。
長く元気に活躍されていることに、敬意が湧く。

その夫人がアピールしていたのが、「柑気楼」という育毛剤だ。
私自身は育毛剤を使用した経験がなく、
どの商品がいいと悪いとか、そのへんの知識は持ち合わせていない。
この商品も2004年の発売らしいが、正直、CMを見るまで知らなかった。

知らなかったが、一度聞いたら、スッと頭に入った。
「かんきろう」という言葉の歯切れの良さもあるが、
やはり「柑」の字が、成分への関心をいざなうのだろう。

案の定、同商品の主要成分は、3種類の柑橘類だった。
ひとつは青柚子エキス。もうひとつは橙(だいだい)エキス。
そして、あとひとつが青みかんのエキスだ。
同商品のサイトを見たところ、
「天然成分の中でも特にこだわっている」のが、
この青みかんのエキスだそうで、重要な保湿成分だと書いてあった。

青みかんとは、まだ糖度が上がってこない若いみかんのこと。
時折、食用として出される青いみかんもあるが、それとは違い、
本来、黄色くなってから商品になるものを、あえて早摘みしたものだ。
ゆえに、とてもではないが、口に入れられるような代物ではない。

なにしろ硬い。カッチンカッチンだ。
私の実家もみかん栽培を手がけていたのでよく知っているが、
まだ青いみかんは、さながらゴルフボールで、
もし、それが飛んできて頭にでも当たれば、大変な事態になるのである。
もっとも、青みかんが高速で飛んでくることは滅多にないが(笑)。

軽口はさておき、ここからが大事。
青みかんは、「生鮮食料」としての価値は有していないが、
別の商品としての価値であれば、すでに有している、という視点である。

言い換えれば、時間をかけ、手間をかけなくても、
「金になる」ものは、実はいろいろあるかもしれないという話だ。

もう一度、早摘み青みかんに話を戻す。
これを活用した別の商品もある。

山口県周防大島の『瀬戸内ジャムズガーデン』が開発した、みかんジャムだ。
柑橘類の皮を活用したジャムをマーマレードと呼ぶのはご存じのとおり。
オレンジマーマレードやレモンマーマレードは有名だが、
みかんのジャム(マーマレード)は、
同店が売り出すまで、この世に出回っていない製品だった。

なぜ、なかったのか?

マーマレードの美味しさは、甘味とコラボするピールの苦さにある。
ところが残念なことに、みかんの皮には苦みがないからだ。

周防大島と言えば、温州みかんの一大産地。
その島でジャム専門店を営むのに、みかんのジャムがないのは、
どうにも悔しい。どうにかできないものか……。

そんな店主や柑橘類生産者たちの思いはほどなく叶う。
青い段階の、あのカチカチのみかんの皮を使えばいいのだと。
熟す前のみかんの皮は、実は苦いのである。

かくして、みかんマーマレードの誕生となったが、
喜んだのは、店主や消費者だけではなかった。
むしろ、誰よりも喜んだのは、生産者たちだったかもしれない。

そりゃそうだ。
夏のうちに出荷できるということは、
作業も減るし、農薬散布の回数も減るからコストも下がる。
しかも、出荷直前のみかんが台風などによってダメになる心配もない。
何より、秋冬まで待たずに売上が立つ。
まさにいいことづくめである。

「柑気楼」と契約しているみかん生産者も、
おそらく同様のメリットを感じているはずだろう。

話は一転、マイクロソフト(MS)の「Officeシリーズ」に飛ぶ。
OutlookやExcelを使用していると、時折不具合が生じることがある。
そんな時、そのエラーをMSに報告するというメッセージが現れる。

「なぜ客のオレがメーカーに協力しなきゃならないんだ」と、
腹を立てて、報告をキャンセルする私だが、
世の中の少なからぬ人々は、素直にMSに情報を提供しているだろう。

要するに、MSは未完成のアプリを堂々と商品として売り出し、
問題があったからといって詫びるでもなく、それどころか、
その問題を顧客に報告させて完成品に近づけようとしているのである。

生真面目な日本人気質にもとづけば、あり得ない考え方だが、
実際、市場がそれを許容しているのだから、文句を言ってもしょうがない。

というわけで、本日の結論。

商品=完成品という固定観念から解放されること。
「未完」もしくは「途中」も、見方を変えれば十分、商品になる。

ちなみに私は子供の頃、カブトムシを町の子供に売りつけたりしたが、
販売期間の短かさが、どうにも口惜しかった。
あの頃、「孵化させる楽しみ」を訴えて、
幼虫の段階から売り出す視点があれば、もっと儲かっていたはずだ。



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「先輩経験談 あるある!ピンチ&リカバリー」

第24回 
他の指導者の真似ではなく、自分流の教え方を模索。
2足のわらじを脱ぎ、奏者としてもストレスフリーに

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起業したては誰もが新人。独立してから遭遇する、
始動して初めてわかる、直面するピンチや悩みの数々。
そんな「起業あるある!」事例から学ぶシリーズ。

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 山中由美子さん 2005年開業
 大阪府摂津市

 ギタリスト
 山中ギター教室 代表 
 http://www.yumiko-yamanaka.sakura.ne.jp/index.html

 
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関西を中心に、プロのギタリストとして活動し、
クラシック音楽からポピュラー音楽まで幅広いソロやデュオ、
他楽器とのコンサートのほか、教授活動も行なっている山中さん。
現在、山中ギター教室を主宰しているほか、3カ所の出張教室、
アンサンブルや個人指導など、コロナ禍にあっても
音楽でつながったご縁は途切れずにいるという。

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「私が本格的にクラシックギターを学び始めたのは高校生の時。
プロを目指すには、遅いスタートでした。
通常なら幼少の頃から先生について学び、音楽中心の生活を送り、
当然のごとく進学は音楽系へ、そして留学して、
帰国に併せてプロデビュー、という方がほとんどですから。
その分、私は社会人になってからも、音楽活動と並行して会社勤めも続け、
学費を貯めてはヨーロッパへ短期留学する、という生活を続けました。

山中ギター教室の看板を挙げたのは2005年ですが、
プロ活動も教授活動も、20年以上前からになります。
教室は、たまたま先生の後任として引き継いだのが始まりでした。
とはいえ、教え方など習ったこともなく、
前任の先生が厳しい方だったので、最初は、そうあるべきなのかと、
そのやり方まで引き継いでしまっていました。

でも、それではダメだ、どうすればいいのかと試行錯誤の日々でした。
私自身も多くの先生に学んできましたけれど、
他の指導者の良い面をそのまま真似してもダメなのですよね。
それは、人の真似に過ぎず、私ではないので。
分かりやすい教え方、伝え方、その言葉ひとつ、態度ひとつ、
すべてにおいて、私のやり方が見えるまで、数年要したでしょうか。
今の私は、生徒さんを全く怒りません(笑)。
厳しく指導したり、怒ったりするのは、いわば自分都合ですから。
私は、演奏する人も聴く人も関わる人も、生徒さんも私自身も
音楽を通じて幸せでいてほしい、それを一番に思っています。
いかに生徒さんひとりひとりの個別性に添えるか、気持ちでも添えるか。
ここ数年、辞める生徒さんがいないのは、私自身も自信になっています。

7年前に、音楽と会社勤めとの2足のわらじを脱いで、
音楽1本に絞ったことも、ひとつの要因かもしれません。
思い切って決断した、というよりも、
20代の時からずっと、音楽で生きて行こうと思っていたので、
私にとっては自然なことでした。
それまで、音楽と会社勤めの両立ができていたつもりでしたが、
今思うと、ただの“つもり”だったなと。

というのも、バイトだろうが社員だろうが仕事ともなれば、
中途半端にはできませんし、時間も気持ちも思考も削らざるを得ません。
「今の仕事のペースだと……」と、どうしても思考が割かれて、
新規の生徒さんを増やせないなとか、
演奏のオファーも一瞬躊躇してしまうとか、
自分ではコントロールできない仕事が大前提になって、
自分でコントロールできる音楽へしわ寄せが行く……。
そのストレスが増して、ジレンマも募ってきて、
そう思う今こそタイミングだなと、
会社勤めを辞めて、音楽1本に絞ったのです。

経済的な不安よりも、音楽に集中できる幸せのほうが
遥かに大きいと実感しています。
私自身もさらに音楽の幅をもっと広げたかったので、
アコギやウクレレ、ジャズの勉強をあらためて始めましたし、
自主練習の時間もぐっと増やせて、何より、
生徒さんへの対応に気持ちの余裕が生まれたと感じています。

コロナ禍で、ご家族を思って教室をお休みされている生徒さんはいますが、
『せめて好きな音楽は続けたい』と、継続を望む方も少なくありません。
教室の発表会も今年は開催を予定していますし、
年内か年明けには、デュオとソロのCD計画も進めています。
演奏者も聴く人も、それぞれに関わる人も、音楽を通じて幸せでいてほしい、
その想いで、これからも音楽活動を続けていきます」


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   あなたの挑戦を応援しマッスー☆
      ワンポイントガイド
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私の自慢のひとつに、物事を教わるのが上手いことがあります。
方法としては、まず先生が答えやすい事柄を質問し、その答えを
褒め、先生に自信をつけさせておいて、さらに踏み込んだことを
尋ねる。そんな感じです。策士ですね(笑)。さて、山中さんは教
える側として、いろいろな苦労をされてきました。あの柔和な山
中さんが、かつては生徒を怒っていたとは……。教えることが苦
痛に感じられていた時期かもしれません。よく、「物事は厳しく
教えるべき」みたいに、教える方法を他者に教える人がいますが、
実際、どうでしょうね。私に限らず生徒は、必ず何かを学びたい
という欲求を抱いて教室に足を運んでいるものです。その「何か」
を精緻に理解し、その欲求に応じてあげれば十分ではないでしょ
うか。実際、それが出来ているのが山中さんです。山中さんの生
徒がやめないということは、山中さんがおのおのの生徒の学びた
い「何か」を理解して応えているからにほかなりません。今回、
山中さんのお話を伺って、物事を教える仕事には、生徒の意欲を
信じることと、自分の努力の成果を信じることの2つが不可欠だ
と、あらためて感じました。そんなことを学んだ私も、もはや山
中さんの生徒の一人です。ギターは論外級に下手ですが(笑)。
(ますだ)



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 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃編┃集┃後┃記┃ ┃  
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ちょうど10年前の今ごろ、SNSしかなかったNICeに、
初のWebサイトを新設する準備を進めていました。
「Webが得意なスタッフがいます」と、紹介いただき、
デザインを担当くださったのが、
先輩経験談に登場いただいた山中さんです。
てっきり、Webが本業だと思いこんでいた私は、
山中さんがプロのギタリスト!だと知ってびっくり仰天。
以降、会社勤めのわらじを脱いだ後も、
SNSのリニューアル、モバイルサイトの新設と、
共に山を越え、川を渡った、私にとっては戦友であり、
NICeのWebサイトのことだけでなく、
私のことも支えてくだった、女神のような存在です。
この10年間で、直に会ったのはわずか5回ほど。それでも、
SNSを通じて、交した言葉も回数も星の数ほど。
今回は電話取材でしたが、近い将来、6回目は、
山中さんの生演奏を聴く、記念すべき日にしたいです。

「つながり力で起業・新規事業!」
次号のNICeメルマガは、5月21日頃の配信予定です。
(NICe広報・岡部)
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