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起業したては誰もが新人。独立してから遭遇する、 始動して初めてわかる、直面するピンチや悩みの数々。 そんな先輩たちの実体験から学ぶ「起業あるある!」&ワンポイントガイド。
第20回 納期迫る中、先方のミスで前の住所へ誤配送。 締切は厳守しつつも在宅ワークのマイルールも大切に



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「先輩経験談 あるある!ピンチ&リカバリー」

第20回 
納期迫る中、先方のミスで前の住所へ誤配送。
締切は厳守しつつも在宅ワークのマイルールも大切に

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起業したては誰もが新人。独立してから遭遇する、
始動して初めてわかる、直面するピンチや悩みの数々。
そんな「起業あるある!」事例から学ぶシリーズ。
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 齋木恵津子さん 1990年独立
 群馬県
 フリーランス出版・校正業

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書籍や雑誌などが世の中へお披露目される前に、
欠かせない工程のひとつが、校正・校閲だ。
著者や編集者がどんなに念入りに読み直し、確認しても、
プロの校正の目を通すと、驚くほどの見落としが発覚する。

誤字や脱字といった文字の誤りはもちろん、
表記の統一、文章表現や事実関係、日付やデータなどの数字、
固有名詞、歴史的事実、内容の整合性、
差別的な表現や不適切な記述はないか、そして、
文章として理解しやすいか、わかりにくくないか細部にわたり確認し、
文章制作物のクオリティそのものを高めてくれるのが、
校正専門家の齋木さんだ。

齋木さんは、かつて出版社に勤務し、校正専門部署に所属。
その経験を活かして、フリーランスの校正者として独立した。
数年前に東京から故郷へUターンし、月平均4,5冊の書籍を担当している。

「今でこそ、原稿やゲラ(校正用に印字された原稿)はネットで
PDFが送らせてきますが、以前は宅急便やバイク便で、
出版社からコピーした紙の束が届いていました。
それをもとに私が赤入れをし、編集者へ送り戻すという手順です。

独立して数年経った頃、まだ東京に住んでいた時の話ですが、
とある仕事で、ゲラが届く予定の日に届かないことがありました。
スケジュールが予定通りに進行しないことも珍しくない業界なので、
『作家さんの原稿アップが遅れているのかな』程度に思っていたのです。
それがちょうど金曜日で、そのまま土日をはさんでしまい、
月曜になっても連絡がない。
どうしたのかなと、私から出版社へ問い合わせました。
すると、なんと、私が以前住んでいた場所へ送られていたことが判明。
確かに数年前に引っ越しはしましたが、
仕事先へは漏らさず、住所変更のお知らせを送ったはずでした。
担当の編集者さんが、それをうっかり忘れてしまったようで……。
私も転居してからすでに数年が経っていたため、
送り先の住所を今さら伝える必要があるなど考えもしませんでした。

ようやく手元に届いたのは、300ページの初校前の状態のもの。
通常ならば、1週間は要するような仕事でした。
すでに4日近くもロスが生じていましたが、納期は当初予定のまま。
今の私なら、納期延長を交渉するでしょうが、当時は駆け出しの身。
私が頑張ればいいんだと、2日間徹夜でやり遂げました。
フリーランスのサガとでも言うのでしょうか、
編集者さんをかばって、無理しちゃいました(笑)。

以降は、おなじみの編集者さんにも送り先を念押しで伝える、
宅急便の営業所へ自分で取りに行くなど、
確実に、早く、私の手元に届くように努めました。
それと、私はフリーランスなので、Webサイトもありません。
ですから、たとえ住所が変わっても、連絡が取れるよう、
携帯番号とメールアドレスだけは、変更しないと決めています。
数年ぶりに思い出して『まだ校正していますか?』と、
お問合せいただくこともありますので。

校正は集中する仕事ですし、仕事場は自宅なのでついつい没頭しがちですが、
仕事は朝8時から17時、三食きちんと食べる!がマイルールです。
フリーランスは納期死守=信用第一なのはもちろんですから、
土日でも仕事をすることは多いのですが、
自分で自分の仕事ルールを決めて取り組むことも大切だと思っています」


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   あなたの挑戦を応援しマッスー☆
      ワンポイントガイド
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もし、この世に齋木さんがいなかったらと思うと、ゾッとしま
す。私は長年、起業・独立系の雑誌の編集者を務めていたので
すが、その間、すべての原稿を彼女にチェックしてもらってい
ました。大チョンボを未然に防いでもらったことも数知れず、
です。適切かつ的確に問題を指摘する技術は高度だし、加えて、
彼女の赤ペンで書いた文字が、実に美しく、読みやすいのです。
正直、汚い字で間違えを指摘されるのとは、気分が大いに違い
ます。そんな「隙のないプロ」のように思っていた齋木さんだ
けに、失敗なんてあったのだろうかと思っていたら、やはりそ
こは人間、あるんですねえ。とはいえ、実際に失敗したのは編
集者です。が、ここが大事。彼女は「相手が失敗をおかす可能
性を想定して、準備や対処をしきれていなかったことが自らの
失敗」だと捉えたのです。学びたい姿勢です。ひとつのゴール
を目指すチームにとって、何が最善か、どうすれば問題を生じ
させずに済むか。誰のせい、彼のせいではなく、より良い結果
を得るという観点から業務プロセスを考えることの尊さを、つ
くづく教えていただきました。やっぱり齋木さんはプロだ!
(ますだ)

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「つながり力で起業・新規事業!」メールマガジンVol.131
(2020.12.11配信)より抜粋して転載しました。
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