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起業したては誰もが新人。独立してから遭遇する、 始動して初めてわかる、直面するピンチや悩みの数々。 そんな先輩たちの実体験から学ぶ「起業あるある!」&ワンポイントガイド。
第19回  社員がクライアントへの不満をSNSに投稿。 独自のルールブック&公私ともに充実する同志の職場づくり



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「先輩経験談 あるある!ピンチ&リカバリー」

第19回 
社員がクライアントへの不満をSNSに投稿。
独自のルールブック&公私ともに充実する同志の職場づくり

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起業したては誰もが新人。独立してから遭遇する、
始動して初めてわかる、直面するピンチや悩みの数々。
そんな「起業あるある!」事例から学ぶシリーズ。
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 西尾 望さん 2010年設立 
 北海道札幌市・東京都千代田区
 
 トラックスアンドストアーズ株式会社 代表取締役
 https://tracks-stores.co.jp/

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アートディレクター、デザイナーとして、時には講師にもなり、
商品パッケージの企画制作、企業・商品のブランディング、
プロモーションツール制作を手掛ける西尾さん。
スタッフと共に取り組んだ仕事で、今年2月には、
『ふくしまベストデザインコンペティション』にて
パッケージデザイン部門のゴールドと、総合グランプリにも輝いた。

「今秋10周年を迎えて、それなりにエピソードはあるのですが、
冷や冷やしたのは6年くらい前、今はもう退職している社員のことです。
採用時に、SNSをやっているのは僕も知ってはいましたが、
特に気にしていませんでした。
たまに見ると、会社での出来事なども投稿しているな、程度だったのです。
ところが、とあるクライアント案件の打ち上げの後に、
なんとクライアントへの不満をツイッター上で爆発させていたのです。
しかも、本名で、一般公開の設定で、関係者が読んだら分かる内容。
“制作現場あるある”で、少し苦労しているなとは思っていたのですが、
先方もそれをわかって、わざわざ打ち上げまでして労ってくださったのに。
翌日、すぐに削除するように伝えましたが、
納得できなかったのか、1日放置したまま。

翌日に再び削除するように伝えると、
『社内の人が見ているなんて思わなかった』と。
ことの重要性が理解できていないようなので、諭しました。
ツイートひとつで取引が停止されたら、売上にどれほど影響があるか、
考えたことがありますか、人をひとり雇えなくなることですよと。
仕事に不満を持つなと言っているのではなく、
社内で問題あれば一緒に解決しよう。それでも愚痴りたい時は、
関係者にわからないところでお願いします、と。
幸い、関係者の目に触れる前に削除されましたが、
もし見られていたらと、冷や汗ものでした。

これを機に、以前から作成してきた自社の『ルールブック』に
SNS投稿に関するガイドラインを追記しました。
お客さまのところへ出向く時のマナーやルール、トラブル対処法など、
なぜそうするのか理由も記して、コツコツ僕が書き留めてきたものです。
20、30ページはあるでしょうか。社内で共有しています。

転職の多い業界ですし、僕もそうでしたが、大きな会社のように
新人マナー研修を受けた経験がないデザイナーは少なくありません。
所属しているデザイン会社だけが、社会のルールのような過ちも犯す。
いちいち伝えるよりも、このルールブックを読めば、
社会人として、また、うちはこういう方針で、こういう会社、というのも伝わるので、
採用面接の時にも見せて、こういう会社だけどいいか?と聞いています。
転職した人も独立した人も、もちろんずっとウチで働いてくれている人にも
「いいところで働けた(働いている)」と思ってもらえたら嬉しいですし、
社員が互いにレベルアップして、デザイン力もアップして、
志を尊敬し合い、切磋琢磨できる会社でありたいとの思いも込めて。
そういう環境、居心地をつくるのは経営者の役目の一つですしね。

ちょうど今秋で10周年。
多くの先輩やお客さまにいろんな教えをいただいての10年です。
社名に込めた、トラック(軌跡)&ストアーズ(蓄積)を活かして
未来へ、次の世代へ、何かつなげていきたいと考えています。
これから未来を担う10歳以下の子どもたちに収益の一部をと、
10周年記念の期間限定のWebショップを社員たちと計画しているところです」

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   あなたの挑戦を応援しマッスー☆
      ワンポイントガイド
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従業員を雇った経験のある人なら、とても他人事には思えない
エピソードだったのではないでしょうか。
西尾さんは「冷や冷やした」と述懐していますが、その当時は
「管理が行き届かない状況」を反省し、自分自身を強く責めた
かもしれません。経営者になって人を雇うということは、本当
に骨の折れる仕事です。
とにかく、経営者が常識の範囲だと思っている事柄であっても、
従業員が同じように思っているとは限りません。むしろ、まっ
たく異なる考えを持っていると思った方が賢明です。だからこ
そ、従業員教育が大切なのです。が、小規模企業では、そこに
時間とコストをかけることが難しいのも現実。その課題に、西
尾さんが素晴らしい答えを出してくれました。外部の教育理論
を持ち込むのではなく、同じ職種の先輩として経験を重ねる中
で気づいたことを、西尾さんの言葉で伝える。この方法なら小
さな会社でも実現可能ですし、何より説得力があります。ただ
し、こうしたルールブックを一朝一夕に用意することは不可能
です。西尾さんが、日々、仕事に真摯に向き合ってきたからこ
そ成し得たことです。従業員に対して真摯であろうと思えば、
まずは自分自身に対して真摯であれ。そんなメッセージを受け
取ったような気もします。(ますだ)

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「つながり力で起業・新規事業!」メールマガジンVol.128
(2020.11.11配信)より抜粋して転載しました。
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