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NICe増田代表理事が送る、新たなビジネスチャンス発見法と実現へのヒント。11日配信のNICeメルマガシリーズコンテンツです。
第28回:沼探し



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増田紀彦の「ビジネスチャンス 見~つけた」

      第28回 沼探し

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今でも私は、そこそこひどい人間だが、
10代の頃は最低の人間だった(理由は省く)。

それでも人間には両面ある。
さすがに白いほうの私が、黒いほうの私に対して怒りの声を上げた。
「お前は口先ばかりで、辛いことからいつも逃げているよな」と。
そう言われればグウの音も出ない。

そこで一大反省、特大決心をした。
「これからは、あえて辛いことを自らに課す!」と。
では、何をしたらいいのか? 見つけた答えが登山だった。

体力と精神力の限界への挑戦。
生命の危険との隣り合わせの時間。もう、これしかないと。

とはいえ、素人がいきなり難所に挑むことは不可能。
1000メートル未満の丘陵の尾根歩きから始め、徐々にレベルを上げていった。

高校の山岳部に所属する同級生から入部を勧められたが、断った。
私は、自力で自然と対峙することにより、
心の中にはびこる卑怯な考えを撲滅したかったからだ。
なので、どこに行くにも一人。キャンプも当然一人だった。
もう、遠い遠い昔の話ではあるが……。


「あれ? 俺って先進的だったかも」と、
今年の流行語対象にノミネートされた言葉を目にしてニヤけた。

「ソロキャンプ」。

私にしてみれば、「何を、今さら」ではあるが、
昔と今とでは、楽しみ方も違うだろうし、
マナーや方法も変わっているだろう。
何より、装備や道具は格段の進化を遂げているに違いない。
そう思って、ネットで「ソロキャンプ」を検索してみた。

トップに出てきたのは(当然、広告は除く)、
『ソロキャンを始めたい人へ。
自由気ままなソロキャンプを楽しめる日が来る前に基本を予習しておこう』
という、やや長めのタイトルが付けられたサイトだった。

引き込まれるように読んだ。
いやいや、実に懇切丁寧かつワクワクドキドキのコンテンツである。
まさに、その長いタイトルにたがわない内容と言い切っていいだろう。

後半には記事中に紹介されていた最低限必要なキャンプ道具の一覧があり、
たとえば、「テント」という文字をクリックすると、
販売サイトに飛ぶようにできている。

ふむふむ、次に「寝袋」をクリックする……。
「ん? なんだ? どこをクリックしても行く先は楽天市場じゃないか」。

ようやく、私はことの意味合いを理解した。
このコンテンツは「ソレドコ」というサイトの一部だったのである。

「ソレドコ」は、楽天市場のいわゆるオウンメディアであり、
株式会社はてな編集部が制作協力しているサイトだ。

「沼にはまるかのように、何かに夢中になっている人たちの沼を集めました。
その道に詳しい沼人たちの語りは、あなたの沼探しに繋がるかもしれません。
誰かがはまった沼の世界をちょっと覗いてみましょう!」というのが主旨だ。
どおりで、どこを押しても楽天に行くわけである。

なので「ソレドコ」には、ソロキャンプに限らず、
「家庭のカレーの味が本格的になる」とか、「プラモデル沼」とか、
関心のある人が読んだら、ズブズブはまりそうなコンテンツが満載なのである。
当然、すべての道は楽天市場へ続く(笑)。

そんなショッピングサイトへの誘導手段であることは、
Google(の検索エンジンのアルゴリズム)だって、十分にわかっている。
それでも、このコンテンツを検索トップに表示するのだから、
いかに、検索キーワードについての秀逸な情報が掲載されているかである。

サイトは、コンテンツの充実が生命線と言われて久しいが、
つくづく、そのとおりだと痛感した。

その商品を活用する目的やシーンや結果にかかわる、
有用かつ楽しい情報(記事)がどれだけ充実しているかが勝負だ。

昨今、小規模事業者が、手軽に構築できるショッピングサイトが人気だが、
それだけを作ったところでは、どうにもこうにもならない。
「ソレドコ」→「楽天市場」のように、
ショッピングサイトに飛ばすことのできる、
充実のコンテンツサイトを、合わせて作らなければ意味がないのである。


というわけで、おおよそのソロキャンプに必要な道具も理解できたので、
冬が明けて、コロナが収まっていたら、私もソロキャンプに挑戦するつもりだ。

「そんなこと言って、体力は大丈夫なの?」と言われそうだが、心配ご無用。
実は60歳を過ぎても、私の体力はほとんど衰えていない。
なぜなら、若い頃からあまり体力がないので、衰えようがないのである(笑)。
というわけで、無理のない程度に楽しんでみる。

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「つながり力で起業・新規事業!」メールマガジンVol.131
(2020.12.11配信)より抜粋して転載しました。
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