増田通信より「ふ~ん なるほどねえ」302号 「備える」ではなく、「準備する」
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<最近の一撃> 「備える」ではなく、「準備する」
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「災害は、忘れないうちにやってくる」。
確かにそのとおりだ。
岩手県の賛助会員・森田安彦さんが紹介してくれた言葉である。
9月29日に、埼玉県の正会員・長柴美恵さんが企画した、
「防災備蓄収納自慢 BJ-1グランプリ2024」が開催された。
全国各地から予選を勝ち抜いた防災備蓄収納の達人たちが、
自らの取り組みを披露し合うイベントで、私も審査員の一人として参加。
そのイベントのなかで行われた特別講演に、
講師として臨んだのが森田さんだった。
岩手県普代村役場の職員として活躍した彼をご存じの人も多いと思う。
森田さんは、一昨年に役場を退職したが、東日本大震災の当時、
役場職員として救援・復旧・復興に取り組み続けた経験を、
機会あるごとに語り伝えている。
この日の森田さんのお話も、我が身と我が心に滲み入るものだった。
現場で困難に立ち向かい続け、以降も、
その意味を考え続けてきた人間の言葉は、やはり重い。
講演が終盤に差しかかった頃、彼の口から強烈な言葉が出てきた。
脳天に竹刀の一撃を食らったような感覚を覚えた。
「備える、ではダメなんですよ。準備する、じゃないと」。
長く生きてきたが、
「備える」と「準備する」の違いなど、考えたこともなかった。
だが、聞いた瞬間、感覚として、その違いの大きさがわかった。
どうだろう?
皆さんの中にも「ハッ」となった人がいるのではないだろうか。
「備える」と「準備する」の違いは、防災に限ったことではない。
事業はリスクのかたまりだ。
そして、リスクの大半は詳細な中身まで想定することができるはず。
なら、経営者はどうするべきか?
備える。
違うよね。
準備する、でしょ。
国語的には、似たようなものかもしれないが、
その切迫度において、その具体度において、その本気度において、
両者のニュアンスは大きく異なる。
もう一歩踏み込んで、「準備する」ことが、命を、暮らしを、事業を救う。
●「防災備蓄収納自慢 BJ-1グランプリ2024」のレポートは以下で。
https://bichiku-shunou.or.jp/report-20240929/
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増田紀彦NICe代表理事が、毎月7日と14日(7と14で714(ナイス)!)に、
NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポーターの皆さんへ、
感謝と連帯を込めてお送りしている【NICe会員限定レター「ふ〜んなるほどねえ」スモールマガジン!増田通信】。
第302号(2024/10.15発行)より一部抜粋して掲載しました。
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