増田通信より「ふ~ん なるほどねえ」290 もっと交際しよう!
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<最近の提案> もっと交際しよう!
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令和6年度の税制改正で、交際費として計上すべき飲食代金の除外額が変更された。
これまで会議費として計上できる1人当たりの飲食代金は5000円以下だったが、
4月1日からは、それが1万円以下に引き上げられた。
物価上昇の折り、妥当な変更だと思うが、
そもそも交際費を損金(必要経費)に算入できないのは大きな会社だけ。
資本金1億円以下の会社なら、
年間800万円までの交際費は全額損金算入できるので、
飲食代金の勘定科目が交際費でも会議費でも、差し支えないのが実情だ。
また、個人事業主は交際費の上限規定がないので、
1人当たりいくら使おうが、年間いくら使おうが気にすることはない。
さて、その交際費。
みなさんは、どんなケースで使っているだろうか?
私は慶弔や贈答にも使うが、
やはり仕事仲間との会食に際して使うことが多い。
かつて私は「経費削減」を掲げ、
とくに交際費を抑えることに厳しく取り組んだ経験がある。
その結果、情報が入らなくなり、
今、何がトレンドなのか、誰がキーマンなのか、勘が働かなくなった。
しかも、関係者たちとの人間関係も希薄になってしまった。
完全に失敗だった。
だから今は、交際費をいたずらに削減するようなことはしない。
「飲み食いしなければ、仕事ができないなんて古い」。
そういう見方もあるかもしれない。
確かに今どきは、飲み食いどころか、顔を直に会わさずとも、
仕事を進めることができる。
ルーティンならそれでいい。
しかし、チャレンジフルな仕事やクリエイティブな仕事を、
複数の関係者でやり遂げようとするなら、
関係者の気持ちが通じ合っていることが何よりの条件になる。
飲み食い一切抜きで、気持ちを通じさせる術(すべ)があるなら教えてほしい。
むろん、交際費の内情には、嫌らしい算段が潜むケースもあるだろう。
私個人は「袖の下」的な交際費の使い方には否定的だが、
それとて、したい人はすればいいと思っている。
バブル経済崩壊後、経費削減の大号令のもと、
企業が交際費や広告費、交通費を使わなくなったせいで、
日本経済がとことん停滞してしまったことを、私たちは悔いるべきだ。
美味しいものを口にし、自分の言葉で思いを語り、
相手を知り、相手に知ってもらい、一緒に事を成す喜びを分かち合う。
その積み重ねが経済を活気づける。
こんな素敵なことに躊躇する経営者がいるとしたら、
ハッキリ申し上げるが、その人は経営者に向いていない。
楽しく、朗らかに、ビジネスを盛り上げる。
そして日本経済を元気にする。
交際費は、それを実現するための必要不可欠な支出である。
さあ、みなさん、もっともっと交際して、グングン成長しましょう!
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増田紀彦NICe代表理事が、毎月7日と14日(7と14で714(ナイス)!)に、
NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポーターの皆さんへ、
感謝と連帯を込めてお送りしている【NICe会員限定レター「ふ〜んなるほどねえ」スモールマガジン!増田通信】。
第290号(2024/4.15発行)より一部抜粋して掲載しました。
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