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NICe代表理事の増田紀彦が、NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポ ーターへ送っている【NICe会員限定スモールマガジン増田通信】の中から、一部のコラムを抜粋して掲載しています。
増田通信より「ふ~ん なるほどねえ」261 世界は反比例で成り立っている



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<最近の発見> 世界は反比例で成り立っている
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「カバンはここに置いていかれて結構です。
ただ、貴重品があるようでしたら、事務所のほうでお預かりします」。

こんな言葉を1年に何度か掛けられる。
そのたび、心の中で、「貴重品っ言っても、人それぞれだよな」とつぶやく。

もちろん、外出時に持ち歩いているものだから、
普通はスマホや財布、鍵、カード類、運転免許証や健康保険証、
仕事上の大事な資料とか図面とか、
契約書やチケット、印鑑類、証券類、帳票類などだろうか。
あとは、家族や恋人の写真とか、大切な手紙とか、お守りとか。

ところで最近、思うのだが、スマホは、
「貴重品を全部詰め込んだカバン」に着々と近づいているようだ。

だとすれば、重いカバンを持ち歩かずに済むわけだが、
半面、スマホを失くした場合のピンチ度も高まっていることになる。
実際、何度もスマホを紛失した経験のある私にとって、
この傾向は恐怖以外の何物でもないが、皆さんは怖くないのだろうか?

怖いか怖くないかは人それぞれかもしれないが、
実際問題、物事が便利になるほど、
半面で別の問題が生じることは間違いないだろう。

つまり、利便性と安全性は反比例関係にあると考えられる。

利便性が高まるほど、安全性は低下し、
結局、利便性と安全性の積から導かれる答えは、いつも同じなのだ。
1×12=12、2×6=12、3×4=12、4×3=12、6×2=12、12×1=12のような関係。

私たちは、何かを一つ手に入れれば、
知らないうちに何かを一つ失う、そういうバランスの世界に生きている。

ということは、実は人類が進歩していると思うこと自体、勘違いで、
進歩する部分と退化する部分とが常に反比例しているのが真実かもしれない。

実際、様々な交通手段が開発され、私たちの移動はとても便利になったが、
半面、昔の人のような脚力は確実に失われているし、
昔では起こり得なかった交通災害の危険にも晒されている。

この反比例世界論を展開すると、
何か一つ貴重品を失えば、反対に何か一つ貴重な物事が手に入ることになる。

確かに忘れ物や失くし物が多い私は、
ピンチをカバーするための知恵を授けてくれる人たちの素晴らしさや、
その窮状を救ってくれようとする人たちの優しさに何度も出合ってきた。

ああ、ほんと、そうだ。
悪いことの裏には、必ずいいことが待ち受けていた。

あらためて、本当に貴重なものとは何かと、自分に問うてみたい。
自分にとっての貴重品が何かを自覚していることこそ、人生の指針だ。

目先の事象や物事に惑わされない眼力と感性と精神性を涵養し、
大切な物事を、大切にする、大切にできる日々を過ごさねば。

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増田紀彦NICe代表理事が、毎月7日と14日(7と14で714(ナイス)!)に、
NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポーターの皆さんへ、
感謝と連帯を込めてお送りしている【NICe会員限定レター「ふ〜んなるほどねえ」スモールマガジン!増田通信】。
第261号(2023/1.16発行)より一部抜粋して掲載しました。
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