増田通信より「ふ~ん なるほどねえ」260 深く耕す
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<最近の発見> 深く耕す
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今般の年末年始は、「三昧」とまではいかなかったものの、
久しぶりに読書に耽ることができた。
お気に入りの作家の新作小説を読み、
さらに、17年前に刊行されたその小説のシリーズ前作を読み返し、
そこからもう一度新作に戻って再び読み込む。
こういう読み方をすると、作者の思いが心に染み渡る。
もちろん、同じ作品を続けて二度読んでも、
一度だけの読書よりは、はるかに気づきが多いものだが、
二度目の前に、関連する作品の「言い分」を吸収しておくと、
腑の落ち方や想像の広がり方が断然違ってくることがわかった。
これは、小説の楽しみ方に限らない方法論ではないだろうか。
例えば、誰かからもらったメールを読む。
趣旨はすぐに理解できるだろう。
次に、その相手から以前にもらったメールを読んでみる。
今回のメールの趣旨につながる種や芽を見つけられるかもしれない。
そのうえで、もう一度、最新のメールを読んでみる。
相手の言葉の奥にある変わらぬ思いに触れることができるはずだ。
もちろん、手間だが、
手間を惜しんで浅い理解に止まるか、
手間をかけても深い理解を求めるのか、という選択の問題だ。
私は、いや、私に限らず少なからぬ人々は、
「物事を早く処理すること」にとらわれ過ぎている。
そのせいで、知識を知恵に転じる機会を逸し、
思考を思想に高める契機を失っているのではないだろうか。
2023年。
私は、いたずらに前進を企図しないと決めた。
知り得たことや、かかわりを持ったことの意味と価値を探究し、
目の前の課題を深耕することに努めようと思う。
その結果として、前に進むことができれば十分だし、
そうやって進んだ道なら、後退を強いられることはないだろうし。
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増田紀彦NICe代表理事が、毎月7日と14日(7と14で714(ナイス)!)に、
NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポーターの皆さんへ、
感謝と連帯を込めてお送りしている【NICe会員限定レター「ふ〜んなるほどねえ」スモールマガジン!増田通信】。
第260号(2023/1.10発行)より一部抜粋して掲載しました。
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