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NICe代表理事の増田紀彦が、NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポ ーターへ送っている【NICe会員限定スモールマガジン増田通信】の中から、一部のコラムを抜粋して掲載しています。
増田通信より「ふ~ん なるほどねえ」258 あり得ないコラボの価値(夢のまた夢の競演戦略)



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<最近の発見> あり得ないコラボの価値(夢のまた夢の競演戦略)
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心弾む、いや、心躍る、いやいや、心発熱する!

「まんが」の魅力に、年甲斐もなくフィーバーした。

11月26日に開催された「頭脳交換会in横手」の翌日、
秋田県のNICe正会員・鈴木尚登さんの案内で、
旧増田町(現横手市増田町)にある、「増田まんが美術館」を訪ねた。

増田町は、伝統的建築物が軒を連ねる歴史の街で、
銘酒「まんさくの花」の蔵元や、稲庭うどんの佐藤養助うどん処をはじめ、
「見て、食べて、飲んで」を楽しめる観光スポットとして知られ、
「増田まんが美術館」も、その一角からほど近い場所にそびえている。

訪ねると、まずはその大きさに驚く。
全国の主要都市にある公立美術館と比しても遜色のない佇まいだ。

あとでわかったのだが、それもそのはずで、
この美術館は展示目的のほかに、
名作漫画の原画20万点以上を収蔵する保管目的の建物でもあるからだ。

もとは、増田町出身の漫画家、矢口高雄の偉業を讃える施設として開館し、
同氏の代表作『釣りキチ三平』をはじめとする作品の原画が収蔵されていた。

その後、日本を代表する100名以上の漫画家の原画が運び込まれ、
さらにはアジア各国の漫画原画も収蔵されるようになった。

その顔ぶれたるや、垂涎モノである。
全員は紹介できないが(したいのはやまやまだが)、
50音順に作家名を最初から10人だけ並べると、
赤塚不二夫、秋本治、あだち充、五十嵐大介、いがらしゆみこ、
池上遼一、石井いさみ、石川雅之、石ノ森章太郎、伊藤潤二、という具合だ。

とにかく、かつて穴があくほど読み込んだ漫画の原画が、目の前にある。

原画とは、印刷されてしまえばわからない、
天才たちの労力の結晶そのものである。

写植を切り貼りしたネーム(吹き出しのセリフ)の糊の痕跡、
ホワイトで描き出した袋文字、几帳面に張り付けたスクリーントーン、
枠外にはノンブル(ページナンバー)を記した赤鉛筆の数字や、
印刷所への指示事項などの書き込み……。

1枚(1ページ分)の原画を完成させるために、
彼らがどれほど心血を注いだのかを、我が目で確認できる。

個人的には、能條純一の『哭きの竜』の登場人物たちが、
印刷で見るよりはるかに柔らかい線で描かれていることに驚き、
私の心も哭いた。

などという話をしていると、どれだけ紙数があっても足りなくなるので、
そろそろ本題に移る。(でも、本当はもっと原画の魅力について書きたい!)

館内をひととおり観て回ったあと、
そこそこの期待を込めて、グッズショップに足を運んだ。

うおおおおおおおおっ!
期待を1000倍以上超えるグッズ発見!

左側に『ゴルゴ13』の主人公・デューク東郷、
右側に『20世紀少年』の敵役である「ともだち」。
この二人がプリントされたシールが売られていたのだ。

こんな豪華な、というか、
こんな異色の組み合わせを実現したシールがこの世にあったとは!
しかも、お値段たったの231円(くらいだったと思う)。

これがシールではなく、例えばアクリルのプレートだったら、
2310円でも私は買ったし、精巧なフィギュアとして作られていて、
両者が手でもつないでいようものなら、2万3100円でも私は買うだろう。

なぜ、こんなコラボが実現したのかわからないが、
シールの説明書きから読み解くと、
さいとう・たかをと浦沢直樹の原画が収蔵された時期が、
おそらく近かったことが理由なのかもしれない。

いずれにしても、あり得ない組み合わせにひどく心が高ぶった。

つまるところ、夢のまた夢の競演が実現し、
その組み合わせの両方が「推し」だとしたら、
もう、いくらでもお金を払ってもいいと思う気持ちに襲われるのである。

ミック・ジャガーとポール・マッカトニーのデュエット。
大谷翔平と佐々木朗希のキャッチボール。
何千枚ものステンドグラスを嵌め込んだ天守閣。
ヘラルボニーの作品が描かれた国際宇宙ステーション。
松田優作と松田龍平と松田翔太の三人芝居(無理だけど)。
プーチンとゼレンスキーの反省会(無理ではない)。etc.

こういうコラボを堪能する機会があるのなら、
払えるだけのお金を払ってもいい。
そう考える人は、きっと私だけではないだろう。

いやいや、何も、こんな大げさな組み合わせでなくてもいいのだ。

人々が嗜好するもの、支持するもの、愛着するものを、
あっちとこっちから持ってきて、くっつけるだけで、
その価値は、単体+単体の価値大きく上回る。

合言葉は、「マジか!? この組み合わせ」である。
商品開発のヒントになれば……。

追記
増田まんが美術館は入館無料。
https://manga-museum.com/

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増田紀彦NICe代表理事が、毎月7日と14日(7と14で714(ナイス)!)に、
NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポーターの皆さんへ、
感謝と連帯を込めてお送りしている【NICe会員限定レター「ふ〜んなるほどねえ」スモールマガジン!増田通信】。
第258号(2022/12.7発行)より一部抜粋して掲載しました。
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