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NICe代表理事の増田紀彦が、NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポ ーターへ送っている【NICe会員限定スモールマガジン増田通信】の中から、一部のコラムを抜粋して掲載しています。
増田通信より「ふ~ん なるほどねえ」256 卡拉OK式アイデア発想法 



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<最近の発見> 卡拉OK式アイデア発想法
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かつて、私の会社では頻繁に社員旅行を実施していて、
行き先は、ほぼ香港だった。

今でこそ、現地で見かける漢字の意味がわかるようになったが、
最初の数回は、「日本と同じ漢字表記だから」となめていたら、
印刷物にせよ看板にせよ、ほとんどの熟語の意味が理解できず、
結構なショックを受けたものだ。

さて、2回目か3回目の香港旅行の時だったと思う。
香港空港を出た我が社一行は、香港島の繁華街に立地するホテルに到着。
チェックインを済ませ、各自は部屋で一休み。
とはいえ、熱烈都市香港に着いたのだから、ジッとしてはいられない。
さっそく、「100万ドルの夜景」と称される町並みを部屋から眺め回す。

すかさず、私と相部屋になった社員のS君が絶叫する。

「おおおお、あるある、ありますよ!」
「何が?」
「ほら、あそこ。あのビルの看板に『卡拉OK』って書いてあるじゃないですか」
「ああ、どういう意味だろう?」
「えっ、増田さん、わかりませんか?」
「うーむ、見当がつかないなあ」
「よく見てくださいよ。上から下から拉致してOKってことっすよ」
「あっ、なるほどー」。
「うっひゃひゃひゃー。こりゃ楽しみだ。飯が終わったら速攻で行ってきます」。

その日の夜更け、S君はすっかり意気消沈して部屋に戻ってきた。

「受付に案内された部屋で女の子が来るのを待ってたんですけど、
とうとう来ない。なのに、料金は2時間分きっちり取られました。
あれは日本人をカモにする悪徳店舗ですよ。ひでぇよな~~」。

もちろん、すべてS君の勘違いである。

私はS君が戻ってくる前に、ホテルのフロントで、
日本語が通じるスタッフに「卡拉OK」の意味を尋ねておいた。

「卡拉OK」を、現地で使われる広東語で発音すると、
「カラオケ」となる。

歌おうが、歌わなかろうが、部屋で2時間ねばっていたのなら、
日本だって、その分の料金は取られるよ、S君(笑)。

彼の欲望と解釈力とが絶妙に一致した結果の喜劇的悲劇だった。

とはいえ、彼の分解力&構築力はただ者のレベルではないと今でも思う。
見た物をパーツに分解し、それを組み立て直して、
未知の物事が何かを類推するという思考方法はイケている。

たとえば、見たことのない道具(のようなもの)があるとする。
それは木で出来ていて、穴が6つ空いていて。把手が付いている。
こうした要素を積み重ね、その要素が重なるものが何かを想像していく。
答えは楽器かもしれないし、香辛料の容器かもしれないし、それ以外かもしれない。

この思考方法、新規事業のアイデア開発にも使えるのではないかと思った。

こんな方法だ。

とある事業を題材にするが、その事業の内容は伏せておき、
その事業を遂行するために必要な資源、
たとえばノウハウや技術や設備や道具などを、いくつか明かす。
その資源を重ね合わせることで、こんなビジネスではないかと類推する。

正解が出る場合もあるだろう。
だが、欲しいのは不正解のほうだ。

同じ資源を活用しながら、現在の事業とは異なる事業が実施できる、
という話になるからだ。
ああ、早く試したいなあ。

ちなみにこの発想方法の名称だが、
S君の功績を讃え、「卡拉OK式アイデア発想法」と命名する。
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増田紀彦NICe代表理事が、毎月7日と14日(7と14で714(ナイス)!)に、
NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポーターの皆さんへ、
感謝と連帯を込めてお送りしている【NICe会員限定レター「ふ〜んなるほどねえ」スモールマガジン!増田通信】。
第256号(2022/11.7発行)より一部抜粋して掲載しました。
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