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NICe代表理事の増田紀彦が、NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポ ーターへ送っている【NICe会員限定スモールマガジン増田通信】の中から、一部のコラムを抜粋して掲載しています。
増田通信より「ふ~ん なるほどねえ」254 そして、母のもとへ



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<最近の思慕> そして、母のもとへ
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「ああ、沖縄で生れ育ったら良かったのに……」。
心の底から、そう思った瞬間があった。

コザ(沖縄市)の住宅街の奥にある、巨大な亀甲墓を目にした時のことだ。

ご存じの方も多いと思うが、
沖縄地方の墓石の形状は、石を縦に積み上げた本土タイプのものとはまるで違う。

デザインは主に2通りで、
ひとつは、神社仏閣にあるような屋根がついた破風墓。
もうひとつが、真上から見ると、まるで亀の甲羅のように見える亀甲墓だ。
いずれにしても、沖縄の墓は「建物」である。

とくに大きいのは亀甲墓で、二次元で表せば、
小さくても5、6平米はあるし、大きなものだと40平米、50平米、
もしくはそれ以上に達するかもしれない。
私がコザで目撃した亀甲墓の縦の長さはゆうに10mを越していたから、
やはり50平米はあると思う。さながら古墳である。

だからと言って、王族や豪族の墓というわけではなく、
一般の家系の墓である。

その大きな亀の、いわば胴体の中に、先祖代々の遺骨が収められる。
さらに亀の胴体の左右から、石塀でできた足が伸びている。
写真で見ればわかりやすいのだが、強いて言えば、
真上から見た場合、「Ω」に似ている。
円形の内側が石室で、2本の足にはさまれた場所が石庭だ。

春節(清明節)ともなれば、
親族一堂がその石庭に集まり、シートを広げ、
様々な料理や酒はもちろん、三線(サンシン)や笛を持ち込み、
飲めや歌えや躍れやの大宴会を催す。

自分が眠る目の前で、かわいい子や孫や縁者たちが、
仲むつまじく楽しんでくれるなんて、実に素敵だ。
この風習ひとつ取っても、
「沖縄に生まれて沖縄で死に、こういう墓に入れれば」と思う理由になるが、
実はそれ以上に、この墓に葬られたいワケがある。

もう一度、「Ω」を眺めてほしい。
呼称こそ亀甲墓だが、これは女性の体型を表したデザインだ。
つまり、命を終えた者は、再び母のもとへと戻っていく。
石室は、いわば子宮である。

なんて素敵な思想なんだ。

もちろん沖縄の人だって、死は怖いかもしれないし、残念かもしれない。
でも、一生懸命生きた後は、母の胎内に戻りゆっくり時を重ね、
時折、縁者たちが元気に過ごす様子を見られると思うと、心底羨ましい。

最近、父母や兄弟たちと、「墓じまい」のことで話し合った。
仕方ないことだと思うが、何かいい方法はないだろうかと思案する。

墓と呼ぶものでなくてもいい。
自分が死んだら、ぜひ行きたい場所がある。そう思えるだけでいいのだが……。

たぶん、ビジネスチャンスだ。

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増田紀彦NICe代表理事が、毎月7日と14日(7と14で714(ナイス)!)に、
NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポーターの皆さんへ、
感謝と連帯を込めてお送りしている【NICe会員限定レター「ふ〜んなるほどねえ」スモールマガジン!増田通信】。
第254号(2022/10.7発行)より一部抜粋して掲載しました。
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