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起業したては誰もが新人。独立してから遭遇する、 始動して初めてわかる、直面するピンチや悩みの数々。 そんな先輩たちの実体験から学ぶ「起業あるある!」&ワンポイントガイド。
第35回 取引先への不満が募り、社長へぶちまけて決別寸前! 本音で話し合う機会を設け歯車のズレを修復、さらに大車輪へ



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「先輩経験談 あるある!ピンチ&リカバリー」

第35回 
取引先への不満が募り、社長へぶちまけて決別寸前!
本音で話し合う機会を設け歯車のズレを修復、さらに大車輪へ

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起業したては誰もが新人。独立してから遭遇する、
始動して初めてわかる、直面するピンチや悩みの数々。
そんな「起業あるある!」事例から学ぶシリーズ。

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 菊池徳行さん 2003年独立・2013年設立
 東京都渋谷区
 
 株式会社ハイキックス 代表取締役
 http://www.highkicks.co.jp/
  
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会社員時代に広告制作・執筆編集の経験を積み、
『月刊アントレ』副編集長、『独立事典』編集長を経て、
編集プロダクションを設立した菊池さん。
ビジネスからスポーツ、ライフスタイルまで、
幅広いジャンルの雑誌、広告、会員誌、Webサイト制作などを手掛けている。

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「独立当初の話ですが、ピンチでもあり、また、そのおかげで、
今でも大切な教訓を得たと思っているエピソードをお話します。
古くからお世話になっている経営者から、
『うちの子会社がWebの制作をしているのだが、どうも気に入らない。
菊池君やってくれない?』と言われて仕事を受けた時のことです。
僕としては仕事が増えたのがありがたく、喜んで取り組んだのですが、
どうも最初から歯車がズレていたようでした。

というのも、子会社の人たちにとっては、
自分たちで制作を行ってきたのに、突然、
望んだわけでもない社外の僕らが加わってきたわけですから、やりにくい。
言うなれば、僕らは邪魔者でした。

それでも仕事なのだから、頑張ろうと思ってスタート。
しかし、始まったものの、ぎくしゃくしたままで、
それが時間を重ねるほどにどんどん悪化。
スケジュールがずれ込んで無理を言って来たり、
理不尽と思うような要望が来たり……。
それでも我慢していましたが、
編集プロダクションというのは、外部のブレインと協働するので、
外部の人にまで迷惑がかかる事態はさすがに我慢できなくなってきて、
2年ほど続けたものの、もう限界だと。

現状のままではやりにくい、改善されなければ継続できないと、
その会社の社長へ、直訴のメールを送ったんです。
正直、言いたいことを書いてせいせいしました。
でも、それは一瞬だけのことでした。
すぐに返信メールが来て、『では結構です』と。
見た途端に、ハタと気が付きました。
これで終わり? いいのか?
うちから依頼していた外部ブレインの顔も浮かんで、気づいたのです。
相手はお客さまだった、心を持った人間だったと。

その後、すぐ先方の社長に、一度飲みに行きませんか、と誘いを入れました。
社長も思うところがあったのか、僕の提案に乗ってくれました。
そして初めて、腹を割って話し合ったのです。
思っていたとおり、やはり、僕らの参入が面白くなかったと打ち明けてくれました。

僕も、そうだろうと感じていたのに、聞かずに放置してしまったことや、
スタートする際に、お考えを聞かせてください、と言うべきだったことなどを話し、
一方的に仕事を放棄するような態度を取り、申し訳ないと率直に伝えました。
やはり、話し合うこと、コミュニケーションは大事ですね。
2年も仕事をしながら、初めて気持ちが通じ合い、歯車が噛み合った瞬間でした。

それ以降、より良いWebにしようと、いろいろ率直に話し合い、
互いの熱もぐっと入って、今ではとてもいい関係です。
もちろんWebの完成度も満足度も、格段にアップしたことは言うまでもありません。

仕事は頂いているものだという意識、
そして、相手もまたひとりの人間であるという認識。
人と人の関係性、互いの気持ち、感情、思い……。
そういった、なかなか表には出ないけれど、
個々の奥にあるものを、感じながら、交えながら、仕事はしていくものだと。
そういう大切なことを心に刻めたいい経験でした。
飲みの誘いに応えてくれた、社長の器の大きさにも感謝しています」。

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   あなたの挑戦を応援しマッスー☆
      ワンポイントガイド
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課題に気付いていながら放置してしまう。「そんなの
ダメでしょ」と誰もが思うものですが、菊池さんの例
に限らず、これはよくあることです。多忙だったり、
課題を明確にするのが難しかったり、関係者間の力関
係や相性が微妙だったりと、課題を見過ごす理由は尽
きません。ですが、そこを頑張るのが経営者。
「ちょっとしたズレ」が、後々、抜き差しならない事
態に至ることは想像に難くないのですから。むしろ課
題こそビジネスを成長させるための材料であり、それ
を見つけたことは成果だと考えるべきでしょう。課題
を見つけまくり、解決しまくる。これが仕事の鉄則で
す。そのうえで、事態が悪化したらどうすべきか? 
菊池さんの行動が正解です。サボらず、意地を張らず、
あきらめず、関係者間でホンネをぶつけ合う。これし
かありません。もちろん「覆水盆に返らず」に終わる
こともあるかもしれません。でも反対に、それが契機
となり、強い信頼関係が結ばれることもあるのです。
その可能性を、実話を通じて教えてくれた菊池さんに、
心から感謝します。(ますだ)
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「つながり力で起業・新規事業!」メールマガジンVol.168
(2022.7.11配信)より抜粋して転載しました。
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