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NICe代表理事の増田紀彦が、NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポ ーターへ送っている【NICe会員限定スモールマガジン増田通信】の中から、一部のコラムを抜粋して掲載しています。
増田通信より「ふ~ん なるほどねえ」244 定款にも前文を(5月3日に記す)



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<最近の気概> 定款にも前文を(5月3日に記す)
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「定款は会社の憲法」という言葉を聞いたことがある人もいるだろう。
それほどに、重要な決め事がしたためられた文書なのだが、
多くの人の定款に対する認識は、
「会社を作る際に必要な書類のひとつ」程度な気がする。

実際、ネットを開いて会社設立支援関係を検索すると、
穴埋め式で簡単に定款が出来上がるサービスをウリにするサイトもある。

確かに法律の専門家ではない私たちが、
法律に則った文書を作成するのは一苦労だが、
それにしても、定款があまりにも形骸化しているのではないかと危惧する。

もっとも、憲法自体、目を通したことがない人もいるだろうから、
「会社の憲法」とて、さもありなんといったところかもしれない。

だが、私は定款を大事にしてほしいと願う。
わからなければ、わかる人に相談してもいいので、
法人設立を考える人は、ぜひ、自身の手で定款を書き記してほしい。

定款とは、会社のほか、NPO法人や一般社団法人など、
いわゆる社団法人に属する法人の、目的や組織などを定めた根本規則である。

憲法が、国家運営において、
やっていいこと、決めていいことの範囲を定めているのと同様、
定款も、その法人の運営についての範囲を厳格に定めているものである。
だから、定款は会社の憲法と呼ばれる。

つまり何を目指して活動するのか?
そのために、誰が、どのような権利と義務を負うのかなどの決め事だ。
これらの決め事について思案せず、検討せず、熟考もせず、
ひな型や穴埋めで、事足りるとしてしまうのは、やはりおかしい。

とはいえ、定款を正しく理解しようと思えば、確かに手間はかかる。
少し固い話になるが、定款に記載する事項は、大きく3種類に分かれる。

・絶対的記載事項……記載しなければ定款自体が無効になる事項
・相対的記載事項……記載しなくてもいいが、記載しないと有効にならない事項
・任意的記載事項……記載しなくても、他で定めれば有効になる事項

すでに、この段階で「よくわからないなあ」という気持ちになりそうだ。
それはそれで仕方ない。
難しいところは、ひな型や参考情報を活用して、クリアすればいい。

私が、「ぜひとも、自力で書いてほしい」と思うのは、
上記の3種類の条項以外の箇所である。

「えっ? 書くのはその3種類だけじゃないの?」。

実は、定款には「何々を書かなければいけない」という決まりこそあれ、
「何々を書いてはいけない」という決まりはない。
つまり、何を書いてもかまわない。

そこで、私が皆さんに訴えたいのが、「前文」の作成だ。

一般的な定款は、第一章第一条から始まるが、
その前に、ぜひ、創業理念を書き込んだ前文を入れてほしい。

事業に行き詰まったとき、方針に迷ったとき、
最後に物を言うのは、「なぜ創業したのか?」を示した言葉である。

そう、日本が、なぜ日本国憲法を制定したのかと同じ話だ。

あらためて日本国憲法前文。

「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、
われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、
わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、
政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、
ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。(以下略)」。

素晴らしい。

私たち起業家も、強い理念をもって事業に邁進したい。

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増田紀彦NICe代表理事が、毎月7日と14日(7と14で714(ナイス)!)に、
NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポーターの皆さんへ、
感謝と連帯を込めてお送りしている【NICe会員限定レター「ふ〜んなるほどねえ」スモールマガジン!増田通信】。
第244号(2022/5.9発行)より一部抜粋して掲載しました。
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