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NICe増田代表理事が送る、新たなビジネスチャンス発見法と実現へのヒント。11日配信のNICeメルマガシリーズコンテンツです。
第40回 川越だけが「小江戸」じゃない



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増田紀彦の「ビジネスチャンス 見~つけた」

 第40回 川越だけが「小江戸」じゃない
 
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♪あんたがたどこさ 肥後さ 肥後どこさ 熊本さ 熊本どこさ 仙波さ。

誰でも耳にしたことのある童謡『あんたがたどこさ』は、
歌詞に肥後や熊本といった地名が並ぶため、
熊本県発祥のように思われているが(実際、そういう説もあるが)、
埼玉県の川越市発祥説を取る研究者も多い。

時は江戸から明治へと、日本が大きく変わる頃。
戊辰戦争に出兵した薩長軍は、徳川方の残党を追い、
川越城に隣接する仙波山に駐屯していた。
その一隊に加わっていた兵士に対し、
川越の子どもたちが「どこから来たのか?」と、尋ねる様子が歌われているという。

実際、語尾の「さ」は、典型的な関東方言の言い回しであり、
私も川越発祥説が有力だと思う。

では、続きの歌詞、「仙波山には狸がおってさ、それを猟師が鉄砲で撃ってさ」は、
どういう意味だろう?

川越の仙波山には、徳川家康を祀る仙波東照宮がある。
家康といえば、「古狸」の仇名が知られている。
つまり、「鉄砲で徳川を撃つ(討つ)」という意味だろう。
そう考えると、よく出来た童謡である。

こうした童歌(わらべうた)や数え歌の発祥を正確に特定するのは難しい。
が、埼玉県の川越という土地に、歴史の重みが詰まっていることは間違いない。

その東照宮に近い名刹・喜多院には、
徳川三代将軍家光の乳母・春日局が使っていた部屋が今でも残されている。

また、蔵造りの街や時の鐘、川越城(初雁城)本丸御殿をはじめ、
数々の旧跡や神社仏閣、屋敷や土蔵が立ち並ぶ景観は、
まさに「小江戸川越」の呼び名に相応しいものがある。

だが私は、川越を歴史観光の町としてのみ評価しているわけではない。
現代の川越エリアも、実に魅力がある。

同市の人口は約35万3000人。これは埼玉県内第3位の人口数だが、
私が注目するのは同市の昼夜人口比率である。
昼夜人口比率とは、夜間人口を100とした場合の昼間人口の割合で、
その割合が低ければベッドタウン、高ければオフィス街や大商業地になる。

埼玉県でいえば、県庁所在地のさいたま市が91.89%。
所沢市85.02%、越谷市83.84%、春日部市80.15%などだが、
川越市は、実に96.51%に達している。
要するに一日中、人がいる。
言い換えれば、住んでいる人も、他地域から通ってくる人も多いのだ。

かといって、東京から遠いわけでもない。
同市には、JR、東武鉄道、西武鉄道の3社の路線が乗り入れており、
東京の大半の主要駅に乗り換えなしで行ける便利さもある。
それゆえにマイクロツーリズムの目的地としての人気も高くなる。

一方、東京に背を向ければ、
奥武蔵や秩父、群馬などの風光明媚なスポットにすぐ到達できる。
この地理的なポジションが、若い世代から支持を受け、
同市に建てた新築マンションは、瞬く間に完売するという。

さすがは小江戸である。

さて、延々、川越市の話題を続けてきたが、話題の真のテーマは、
上述した昼夜人口比率である。
出店地域や商圏を求める際、さらには、業態や品揃えを考える際、
この数字はきわめて有効な材料になる。

一般的に、昼間人口が多い地域は、オフィス街や商業街、学生街、
またターミナル駅周辺などで、
反対に夜間人口が多い地域は、おおむね住宅街だ。

当然、その特徴によって有利な業種や業態があるわけだが、
川越市のように、昼と夜の差がほぼない地域は、
さまざまなセグメントが商圏内に存在していることになる。

これを、あえて悪く考えれば、
セグメンテーションに悩むことになるわけだが、
よく考えれば、とあるセグメントが減少したり、不調になったりしても、
別のセグメントをターゲットにすれば、
そのエリアでビジネスを継続できる可能性が高いということを意味する。

例えば、企業の事業所に勤務する人々を主要顧客にしている場合、
その事業所が移転したり、閉鎖になったりしたら、それまでだが、
そのエリアに住宅街もあり、学校もあり、商業地もあるなら、
次の手を模索することも、そう難しくはない。

とにかく変化の激しい時代である。
セグメンテーションはマーケティングの基本だが、
今は、絞りすぎ、狙いすぎはハイリスクと考えるべきだろう。

ゆえに、企業もあり、住宅もあり、商業施設や遊興施設もある、
小さくてもバランスの取れた都市こそ、この時代の有力商圏かつ安全商圏だ。
そう、目指すは「小江戸」である。

「人口はそれほど多くなくても、都市機能を備えた魅力的な町」。
そんな「小江戸」は、きっと全国各地にあるはずだ。


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「つながり力で起業・新規事業!」メールマガジンVol.164
(2022.5.11配信)より抜粋して転載しました。
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