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vol.164【増田紀彦の「ビジネスチャンス 見~つけた」第40回:川越だけが「小江戸」じゃない】



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Vol.164            2022.5.11 
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  ┃目┃次┃ ┃ ┃ ┃ ┃ 
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【1】シリーズ増田紀彦の
  「ビジネスチャンス 見~つけた」

  第40回 川越だけが「小江戸」じゃない
   
【2】先輩経験談 
   あるある!ピンチ&リカバリー

  第33回 関 美佳さん(富山県富山市)
 
       
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増田紀彦の「ビジネスチャンス 見~つけた」

 第40回 川越だけが「小江戸」じゃない
 
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♪あんたがたどこさ 肥後さ 肥後どこさ 熊本さ 熊本どこさ 仙波さ。

誰でも耳にしたことのある童謡『あんたがたどこさ』は、
歌詞に肥後や熊本といった地名が並ぶため、
熊本県発祥のように思われているが(実際、そういう説もあるが)、
埼玉県の川越市発祥説を取る研究者も多い。

時は江戸から明治へと、日本が大きく変わる頃。
戊辰戦争に出兵した薩長軍は、徳川方の残党を追い、
川越城に隣接する仙波山に駐屯していた。
その一隊に加わっていた兵士に対し、
川越の子どもたちが「どこから来たのか?」と、尋ねる様子が歌われているという。

実際、語尾の「さ」は、典型的な関東方言の言い回しであり、
私も川越発祥説が有力だと思う。

では、続きの歌詞、「仙波山には狸がおってさ、それを猟師が鉄砲で撃ってさ」は、
どういう意味だろう?

川越の仙波山には、徳川家康を祀る仙波東照宮がある。
家康といえば、「古狸」の仇名が知られている。
つまり、「鉄砲で徳川を撃つ(討つ)」という意味だろう。
そう考えると、よく出来た童謡である。

こうした童歌(わらべうた)や数え歌の発祥を正確に特定するのは難しい。
が、埼玉県の川越という土地に、歴史の重みが詰まっていることは間違いない。

その東照宮に近い名刹・喜多院には、
徳川三代将軍家光の乳母・春日局が使っていた部屋が今でも残されている。

また、蔵造りの街や時の鐘、川越城(初雁城)本丸御殿をはじめ、
数々の旧跡や神社仏閣、屋敷や土蔵が立ち並ぶ景観は、
まさに「小江戸川越」の呼び名に相応しいものがある。

だが私は、川越を歴史観光の町としてのみ評価しているわけではない。
現代の川越エリアも、実に魅力がある。

同市の人口は約35万3000人。これは埼玉県内第3位の人口数だが、
私が注目するのは同市の昼夜人口比率である。
昼夜人口比率とは、夜間人口を100とした場合の昼間人口の割合で、
その割合が低ければベッドタウン、高ければオフィス街や大商業地になる。

埼玉県でいえば、県庁所在地のさいたま市が91.89%。
所沢市85.02%、越谷市83.84%、春日部市80.15%などだが、
川越市は、実に96.51%に達している。
要するに一日中、人がいる。
言い換えれば、住んでいる人も、他地域から通ってくる人も多いのだ。

かといって、東京から遠いわけでもない。
同市には、JR、東武鉄道、西武鉄道の3社の路線が乗り入れており、
東京の大半の主要駅に乗り換えなしで行ける便利さもある。
それゆえにマイクロツーリズムの目的地としての人気も高くなる。

一方、東京に背を向ければ、
奥武蔵や秩父、群馬などの風光明媚なスポットにすぐ到達できる。
この地理的なポジションが、若い世代から支持を受け、
同市に建てた新築マンションは、瞬く間に完売するという。

さすがは小江戸である。

さて、延々、川越市の話題を続けてきたが、話題の真のテーマは、
上述した昼夜人口比率である。
出店地域や商圏を求める際、さらには、業態や品揃えを考える際、
この数字はきわめて有効な材料になる。

一般的に、昼間人口が多い地域は、オフィス街や商業街、学生街、
またターミナル駅周辺などで、
反対に夜間人口が多い地域は、おおむね住宅街だ。

当然、その特徴によって有利な業種や業態があるわけだが、
川越市のように、昼と夜の差がほぼない地域は、
さまざまなセグメントが商圏内に存在していることになる。

これを、あえて悪く考えれば、
セグメンテーションに悩むことになるわけだが、
よく考えれば、とあるセグメントが減少したり、不調になったりしても、
別のセグメントをターゲットにすれば、
そのエリアでビジネスを継続できる可能性が高いということを意味する。

例えば、企業の事業所に勤務する人々を主要顧客にしている場合、
その事業所が移転したり、閉鎖になったりしたら、それまでだが、
そのエリアに住宅街もあり、学校もあり、商業地もあるなら、
次の手を模索することも、そう難しくはない。

とにかく変化の激しい時代である。
セグメンテーションはマーケティングの基本だが、
今は、絞りすぎ、狙いすぎはハイリスクと考えるべきだろう。

ゆえに、企業もあり、住宅もあり、商業施設や遊興施設もある、
小さくてもバランスの取れた都市こそ、この時代の有力商圏かつ安全商圏だ。
そう、目指すは「小江戸」である。

「人口はそれほど多くなくても、都市機能を備えた魅力的な町」。
そんな「小江戸」は、きっと全国各地にあるはずだ。



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「先輩経験談 あるある!ピンチ&リカバリー」

第33回 
新天地でゼロからスタート、つながりがないなら自分から動く。
自分軸をぶらさず、ピンチのたびに気持ちを切り替えることで好転

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起業したては誰もが新人。独立してから遭遇する、
始動して初めてわかる、直面するピンチや悩みの数々。
そんな「起業あるある!」事例から学ぶシリーズ。

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 関 美佳さん 2010年創業
 富山県富山市
 
 寺子屋つながリンク 代表
 https://terakoyatsunagalin.wixsite.com/tunagalink
 
 一般社団法人 小さな冒険学舎(2021年3月設立) 専務理事
 https://chisanabouken.wixsite.com/bouken

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未就園児から小学生高学年までを対象に、
子どもたちの生きる力を育む、様々な体験型教室を展開している関さん。
だが起業当時は、夫の転勤に伴い、縁もゆかりもない
新天地でゼロからのスタートだった。
「知り合いがいないならば、つくるしかない。
自分から外へ出て、知り合うしかないのだ」との思いで動き出した。
その気持ちの切り替えと、ゼロからコツコツと育んできたご縁が、
これまでの数々のピンチを救ってくれて今がある、という。

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「起業してからあれこれピンチに見舞われていますが、
私の場合、不思議なご縁でピンチを乗り越えられたかなと。
それどころか、クリアする以上に、良い方向へ向かっていると感じています。

起業時は親子で外に出て英語であそぶ『青空えいごサークル』から始めて、
今は外で遊ぶキャンプ教室、英語教室、そして今春からは、
屋内でも遊ぶ『うんどう教室』、親子向け『うんどうえいご教室』、
さらに心身の軸を養う『RODYYOGA®』も開催しています。
何事もなくスムーズに来たのではなく、やりたいことをどうすればできるか、
その思いとご縁で、少しずつステップアップできたかなと思います。

常にピンチなのは、スタッフの確保。特に屋外キャンプ教室は、
初めて参加するお子さんや低学年のお子さんの動きが読めないので、
子どもの人数分だけ大人のスタッフも必要です。
その人員確保が大変でした。しかも始めてから数年は、
企画から計画準備、告知、募集、事前対応、実施まで、
私ひとりで何もかもやっていたので……。

それが5年程前に、かつて私が新潟県十日町市で山村留学の指導員だった時の教え子が、
活動に共感してくれて、なんと新潟から移住して、
ディレクター兼インストラクターとして専属で手伝ってくれることになったのです。
さらには、以前は参加者だったお子さんの保護者の方やそのお知り合いも、
共感してスタッフとして手伝ってくれたり、
また、2年前、看護師さんも当日のスタッフにお願いしたいなぁと考えていたら、
ママ友が手伝うよ!と。
いいご縁がつながっているのが本当にありがたいです。

つい最近も大ピンチでした。
昨年から計画してきた寺子屋事業のために借りる予定のスペースが、
突然、契約できなくなってしまったのです。
キャンプのような非日常空間ではなく、
平日にも交流できて信頼関係を築ける日常の場が欲しかったんですよね。
さすがに直前キャンセルはショックで、落ち込みました。
が、知り合いから連絡があり、
『まさに寺子屋をやっている人がいて、場所を貸してくれるって』と。
本当にありがたい!
もし、予定通り自分の拠点を持っていたら、毎日のことなので、
必死になってその拠点運営に頭が行ってしまったかもしれません。
今思うと、ピンチ転じてラッキーでした。

つい先日も、運動プログラムをお願いしていた先生の都合が悪くなり、
これ以上かかわれないと申し出があって、正直どうしようと思ったのですが、
切り替えて、自分が担当していた英語のプログラムと合体し、自分でやろうと。
嬉しいことに好評で、これまで運動と英語を分けてきましたが、
一緒でいいんだ、と目からウロコでした。

コロナ禍のピーク時は、野外キャンプや体験教室が実施できませんでしたが、
その時も気持ちを切り替えて、オンラインの子ども会議を毎日開催しました。
子どもたちには自粛期間中に家でだらだら過ごさずに、
わくわくを探してほしかったので、毎朝時間を決めて、
『この時間につなげば、みかねぇに会える』を浸透させていきました。
毎朝、『今日は何するの? どう過ごす?』と声掛けするのです。
みんな、何を言うかを考えるようになり、表情も生き生きしてきました。
自分で考えること、その力が本当に大切だなと改めて実感しました。

ピンチが来ても、「常に気持ちを切り替える」が、リカバリーを呼んだかなと思います。
ピンチのたびに気持ちを切り替えると、ピンチのたびに、ご縁や新しい発想が生まれる。
おかげで着実に前へ進んでいるかなぁと思えます。

『あそぶ』ことで、自分が得意なことや苦手なことを知り、
自分を知り、自分の力を知ることができる。
加えて、集中力、思考力、挑戦力、さらに、
運動能力や体力、筋力やバランス力、身体だけでなく心にも力がつきます。
今後もぶれずに、活動を広げていきたいと考えています。
子どもだから大人だから、健康だから障害があるから、
日本人だから外国の人だから、そんな線引きをせず、
のびのびと人生を切り開いていってほしい。
子どもたちには、自分の人生、自分の世界を自分で歩く力、
切り開いていける力をつけてほしいと思って活動していますし、
そう思っている自分が、まず、そういう人でありたいと思って行動しています」


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   あなたの挑戦を応援しマッスー☆
      ワンポイントガイド
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関さんは行動派の起業家です。もちろん、万全の計画を
立てたうえで事業に着手するという考え方もありますが、
準備に固執すぎると、タイミングを逸する危険も出てき
ます。とくに、人の問題は重要です。関さんも人員に関
しては悩みのタネのようですが、「人手を確保してから
やる」と考えないところに、彼女の強みがあります。関
さんのように、「まずやる。自分でやる」という方針で
臨み、その取り組みの魅力や課題を他者の目に届くよう
にすることで、協力者や支援者の獲得につなげていけば
いいわけですから。「思っているだけではダメ」。そん
な当たり前の大切さを、あらためて関さんから教わった
気がします。そしてもうひとつ。他者に頼らずに自分で
作り上げた事業は、突然、人が欠けた場合でも、自分で
何とかすることができるものです。他者も大事な戦力。
我も大事な戦力。常にそういう意識を持つことが、小規
模ビジネスの生命線だと感じました。(ますだ)



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 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃編┃集┃後┃記┃ ┃  
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先輩経験談に登場いただいた関さんと初めて会ったのは10年程前。
その満面の笑顔につられて、言葉を交わすより前に
笑い合ったことを思い出します。なんて元気なお姉さんだろう!
それもそのはず。関さんは学生時代からキャンプリーダーの経験を積み、
本場アメリカへも留学し、国内外で1万人以上の子どもたちを指導。
子どもだけでなく大人にも、誰に対しても垣根なく、温かくパワフル。
関さんのように、子どもたちに見せられる、日常の立ち居振る舞い、言動、
身体だけでなく心にも力を、意識していきたいものです。
「自分の世界を自分で歩く力、切り開いていける力を」は、
今の時代の大人にも、今一度、学ぶ・養う必要性を感じます。

「つながり力で起業・新規事業!」
次号のNICeメルマガは、5月23日頃の配信予定です。
(NICe広報・岡部)
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