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NICe代表理事の増田紀彦が、NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポ ーターへ送っている【NICe会員限定スモールマガジン増田通信】の中から、一部のコラムを抜粋して掲載しています。
増田通信より「ふ~ん なるほどねえ」236 赤の他人



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<最近の真実> 赤の他人
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「赤の他人」の「赤」は、どんな意味なのかと思って調べてみた。
集英社の「ルーツでなるほど慣用句辞典」によれば、
「赤」は「まったくの」と同義だという。
まあ、そんなところだろうが、説明としては取り立てて面白みがない。
ところがどっこい、例文がイケている。

「別れた以上は赤の他人さ。もうつべこべ言わないでくれ」。

もちろん、こういう使い方はあると思うが、
「別れ」という場面設定や、「つべこべ言うな」などという心理描写は、
妙にリアリティがあるというか、ありすぎる印象だ。辞書らしくもない。

こういうイレギュラーな文章を目にすると、嫌でも想像が膨らむ。
「これは、編集者自身の感情もしくは経験に因るものではないのか」と。

また、「つべこべ」などという古い言い回しを使うところを見ると、
20代や30代、いや40代ですらないだろう。それなりの年齢の人物だ。
まあ、辞書の例文を任せられるくらいだから、当然か。

さらに想像を広げると、
出版社でそれなりの立場に至るには、相当の努力を重ねているはずで、
ということは、プライベートを省みず、仕事に没頭し続けてきた人物像が浮かぶ。

以上の私の推理に確証を得るため、
「ルーツでなるほど慣用句辞典」で別の語句の例文を調べてみた。

●愛想が尽きる
→「今まで何度忠告をしても、いっこうに効き目がない。
  あの人にはもう愛想が尽きた」
●灰汁が強い(あくがつよい)
→「彼は悪い人間じゃないんだが、どうも灰汁が強くて人から敬遠される」
●明けても暮れても
→「一度デートしたあとは、彼の話題は明けても暮れても彼女のことさ」

間違いない!
私の読みはかなりの確率で当たっていると思う。

この辞書の例文は、確実に同一人物に因るものだ。
語尾に「さ」を用いるクセがそれを示している。

そのうえで、例文の作り方から、おおよその人物像が描けた。
頑固で融通が利かず、思い込みが強い男。
だがそれは、純真さの表れであり、悪気も策もないことの証明でもある。
つまりは不器用。根はいいヤツだ。
この手の男は少なからずいる。
むろん、私は嫌いじゃない。
むしろ、計算と口先で生きてきた私のような人間からすれば、憧れの対象だ。

だから、私は願わずにいられない。
「別れた」というのも、きっとこの男の勝手な解釈で、
努力すれば、二人はまだまだ、関係を育てていくことができるはずだと。

頑張れ、編集者。不貞腐れるな、編集者。

そもそも男と女は、すべからく赤の他人である。
だからこそ、つべこべ言い合うことで、縁が保たれる。
ということは、この二人の縁は、まだ切れていないことになる。
そこに気付け! そこを認めろ! 認めて相手に感謝しろ、編集者!

いやいや、想像が一気に妄想まで昇華してしまった(笑)。

落ち着きを取り戻したうえで、あらためて思う。
男女の関わりに限らず、人生の醍醐味とは、
掛け替えのない赤の他人と出会い、その縁を紡ぎ続けることなのだと。

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増田紀彦NICe代表理事が、毎月7日と14日(7と14で714(ナイス)!)に、
NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポーターの皆さんへ、
感謝と連帯を込めてお送りしている【NICe会員限定レター「ふ〜んなるほどねえ」スモールマガジン!増田通信】。
第236号(2022/1.07発行)より一部抜粋して掲載しました。
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