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NICe代表理事の増田紀彦が、NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポ ーターへ送っている【NICe会員限定スモールマガジン増田通信】の中から、一部のコラムを抜粋して掲載しています。
増田通信より「ふ~ん なるほどねえ」216 カルーセル麻紀さんとセグメンテーション



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<最近の発見> カルーセル麻紀さんとセグメンテーション
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男は男。女は女。
それ以外に「性別」など存在しないと信じていた少年時代の私に、
強烈な脳天杭打ちを見舞ってきた人がいる。

カルーセル麻紀さんだ。

もう50年ほど前の話だが、
海外渡航をする日本人が、ほんのわずかだった時代に外国に渡り、
性転換手術を受けて帰国した彼女は、まさに「時の人」だった。
といっても、当時の価値観では、
それを喝采するどころか許容する空気すらなく、
誰もが、声をひそめて話題にするような雰囲気だった。

今でこそ、心は女(もしくは男)、体は男(もしくは女)、
という人々が存在することもよく知られ、
そうした人々を差別することのない社会づくりも始まっている。
いわば性の多様性の受容だ。
カルーセル麻紀さんは、その価値観を日本社会に提起した第一人者である。

彼女の登場後、そういう人たちが表舞台に立つ機会も徐々に増え、
いつしか、私も彼女だけを気にすることはなくなっていた。

ところが15年ほど前だったか、
外出先からオフィスに戻った私がびっくりする出来事があった。

なんと、我が社の応接室に、そのカルーセル麻紀さんがいたのである。
たぶん、雑誌か何かのインタビューを受けていたのだろう。

しかもさらに驚くことに、
チラッと部屋を覗いただけの私に対し、
彼女はスッと立ち上がり、張りのある声で、
「おはようございます!」と、挨拶をしてくれたのである。

私がこのオフィスのボスだと瞬間で察したのなら、すごい嗅覚だし、
そうではないとしたら、非の打ち所のない礼儀正しさだ。
どちらにしても、立派な人だと思った。
「特異な存在」として排除されないため、磨き上げてきた人格なのだろうか。

さて、つい最近の話。
テレビをつけたら『徹子の部屋』が始まったところで、
カルーセル麻紀さんがゲストとして出演していた。

現在、78歳とか。
それでもドレスにハイヒールの彼女は美しかった。
何より、黒柳徹子さんに対しても、話題に出てくる人々に対しても、
敬う気持ちが溢れていて、あらためて、この人の心根に胸を打たれた。

そして気付いた。
マーケティングにおいてセグメント分類に属性を用いることは多く、
その代表的な指標が男女別なのだが、「これはちょっと違うな」と。

「ターゲットは30代女性」とか「定年退職した男性」などと、
事業計画に記載したりするが、これでは不十分である。

最低でも、男性的な男性、男性的な女性、女性的な女性、女性的な男性。
この4分類くらいはセグメントの常識にすべきだろう。
男性的や女性的という言葉の概念となると話が難しくなるが、
条件を絞り込むほどに、相手の本当のニーズが見えてくることは確かだ。

何にせよ、男は男。女は女、それ以外に「性別」など存在しない、
という考えは大きな間違いなのだから。
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増田紀彦NICe代表理事が、毎月7日と14日(7と14で714(ナイス)!)に、
NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポーターの皆さんへ、
感謝と連帯を込めてお送りしている【NICe会員限定レター「ふ〜んなるほどねえ」スモールマガジン!増田通信】。
第216号(2021/0308発行)より一部抜粋して掲載しました。
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