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起業したては誰もが新人。独立してから遭遇する、 始動して初めてわかる、直面するピンチや悩みの数々。 そんな先輩たちの実体験から学ぶ「起業あるある!」&ワンポイントガイド。
第17回 一般名称の社名のせいで無関係なクレーム電話が。 登録商標の大切さを、身をもってアドバイス



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「先輩経験談 あるある!ピンチ&リカバリー」

第17回 
一般名称の社名のせいで無関係なクレーム電話が。
登録商標の大切さを、身をもってアドバイス

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起業したては誰もが新人。独立してから遭遇する、
始動して初めてわかる、直面するピンチや悩みの数々。
そんな「起業あるある!」事例から学ぶシリーズ。

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 中野啓子さん 2007年独立 東京都千代田区
 株式会社ビューティラボ 代表取締役
 http://www.beauty-labo.jp/
 
 独立行政法人 中小企業基盤整備機構 関東本部
  中小企業大学校東京校 ビジネスト 女性創業アドバイザー
(公財)東京都中小企業振興公社主催創業支援プログラム
  「TOKYO起業塾」インキュベート・サポーター
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化粧品・健康食品などの美容事業専門経営コンサルタントとして、
販売チャネル戦略から商品企画、販促企画、広報、広告、営業企画、
コミュニケーション戦略、顧客管理まで
トータルにサポートしている中野さん。
独立前は美容業界に従事し、商品企画や販促、お客さま相談室、
ホームページ運営管理も兼務しながら広報担当を務め、
毎月100誌以上の媒体に無料で掲載する広報術を習得し、
年間1億2000万円分の広告効果を上げてきた。
その経験、ノウハウ、知恵を、美容事業だけにとどまらず、
商品や会社の知名度・ブランド力をつけたい中小企業の経営者や担当者へ
惜しみなく伝授する「広報勉強会」を毎月開催しているほか、
経営者団体からの講師依頼に応え、商標や広告表示規制、薬機法や景品表示法、
インターネット広告表現などの専門家として活躍している。
そんな中野さんだが、「初心者的な痛恨のミス!」と後悔する事があるという。
社名だ。

「会社を設立し、自前でホームページも作成して
SEO対策もばっちり!でスタートした矢先、
『思っていたのと違う、私の髪の毛の色、どうしてくれるの?!』と
身に覚えがないクレームや問い合わせの電話が私の会社へ。
なんと、ヘアカラーで有名な、大手医薬品メーカー『ホーユー』さんに
私の社名と同名の商品があったのです。

美容業界をコンサルする研究所、という意味で、
事業内容を分かりやすくビューティラボという社名にしたのですが、
これは、誰でも使える一般名称で、登録商標にできないのです。
会社員の時は、商標にはシビアに取り組んでいたくせに、
いざ自分の会社設立時は安易でした。
事前に弁理士さんに相談して、
登録商標を取得した社名にすればよかったと反省しています。

『おかけ間違いですよ』と、電話のたびにやんわり対応していますが、
今夏に、もっと頭が痛くなるクレーム電話が……。
コロナ禍の影響か、ダイエットとバストアップを謳ったネット通販商品が出回り、
その社名が、とても弊社に類似しているのです。
しかも、初回は格安で誘い、返品や解約に応じない、不通になる、
というトラブル多発な業者のよう。
購入してお困りのお客さまが、電話しても通じない、解約できない、
ネットで検索して、『あ!きっとここだ』と、私の会社へ勘違い電話をしてくるのです。
たぶん、ホーユーさんにも同内容の電話がかかっていることでしょう。
さらに、国民生活センターからも勘違い電話があり、本当にトホホです。
こちらが相談したいと思っていたくらいです、と、
事情をお話したら、『調べもせずに申し訳ありません』と平謝りでしたけれどね。

対策として、弊社のホームページのQ&Aに、
国民生活センターが注意喚起したPDFを掲載しました。
トラブル多発がネットの口コミでも広まってきたらしく
ようやく勘違い電話は少し減ってはきましたが、
弊社契約のコールセンターに対応いただけるよう策も講じようと思っています。

半分くらいは笑い話として、講座のネタにもできますけれど、
これから起業しようとお考えの方には、
ちゃんと弁理士さんに相談して社名や商号を決めることを
身をもってお勧めします!」

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   あなたの挑戦を応援しマッスー☆
      ワンポイントガイド
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中野さんの会社の名前が「ビューティラボ」だと知ったとき、私の
頭の中で、ホーユーのヘアカラー商品「ビューティラボ」のサウン
ドロゴが鳴り響いたことを覚えています。それくらいメジャーな名
称ですし、この言葉を使う美容関連の会社や商品は実にたくさんあ
りますから、商標登録はまず不可能ですよね。実際、商標の一部に
「ビューティラボ」を用いていた商品も、商標登録を取り消されて
いる事実もあります。まあ、よく考えれば、誰も商標登録ができな
いのですから、登録した誰かが中野さんに対して、「その名称を使
うな」と言ってくる心配はないわけですが。なお、会社名(商号)
に関して言えば、商標とは異なり、本店住所が同一でない限り、同
名の会社を設立登記しても問題ないことになっています。ただし、
ひとつ気をつけねばならないことがあります。社名は自由、商品名
も商標登録されていなければ自由、なのですが、明らかに誰もが知
っているような有名な商品名や社名を名乗って事業を行うと、不正
競争防止法違反に問われる危険性がありますので、そこはご注意を。
ちなみに「美容業界をコンサルする研究所」という意味での「ビュ
ーティラボ」に関して言えば、間違いなく中野さんの会社が第一人
者です。(ますだ)

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「つながり力で起業・新規事業!」メールマガジンVol.122
(2020.9.11配信)より抜粋して転載しました。
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