増田通信より「ふ~ん なるほどねえ」174 増田紀彦はアーティストである
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<最近の宣言> 増田紀彦はアーティストである
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先月、東京の森美術館の「六本木クロッシング」を覗いた。
日本の現代アートシーンの定点観測的な展覧会として、
3年に一度開催されるシリーズ展で、着々とファンを増やしている。
6回目となる今回のテーマは、『つないでみる』。
理屈にすれば、対極の接続、異質の融合、矛盾の折衷など、
「つながりの摩訶不思議」の数々を体感できる時空間ということになる。
25組の出展アーティストは、全員が1970~80年代生まれ。
いい感じに脂が乗っている世代だ。
「こりゃ楽しみ」と、小躍り&小走りで入館したことは言うまでもない。
実に凄まじかった。楽しいなんてもんじゃない。というか、そもそも、
楽しいとか、悲しいとか、面白いとか、つまらないとかいう表現は、
アートを語るうえでは不適当である。それらの形容詞は感情表現だからだ。
アートの威力は、日常的な「感情」という名の表層を突き破り、
精神と肉体を同時に、あるいは、
両者の結節点である「魂」をしたたかに打ちのめすところにある。
むろん、作品と観覧者は物理的には非接触である。
にもかかわらず、視覚と聴覚を経由して届いた情報に対し、
脳は、思考よりも先に肉体に反応を引き起こさせる。
「凄いアート」の凄いところは、そういう生理現象を演出することだ。
したがって、作品に対する衝撃を言葉にするなら、
「キーン」とか「ドクン」とか「フワッ」とか「アチチ」とか、
やや稚拙な印象ではあるが、そんな体感的表現になる。
できうるなら、私もそういう感慨を人に抱かせる存在でありたい。
もちろん、絵画や映像や彫刻を通じて、ではなく、
語る言葉をもって、聞き手の心と体の繋ぎ目を刺戟するパフォーマーでありたい。
もとより、私の話を聞いた人が、「勉強になった」と感想をもらすことは希有だ。
であるなら、私と出会った人々に対して、
ある種の「痛気持ち良さ」を提供することで、我が価値と認めたい。
目標は、3年後の第7回「六本木クロッシング」への出展。
夢が叶えば、私は肩書を「セミナーアーティスト」に変更するつもりだ。
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増田紀彦NICe代表理事が、毎月7日と14日(7と14で714(ナイス)!)
に、NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポーターの皆さん
へ、感謝と連帯を込めてお送りしている【NICe会員限定レター「ふ〜ん
なるほどねえ」スモールマガジン!増田通信】。
第174号(2019/0607発行)より一部抜粋して掲載しました。
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