第11回 モーテルこそ、バリアフリーでしょ
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増田紀彦の「ビジネスチャンス 見~つけた」 第11回
モーテルこそ、バリアフリーでしょ
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名古屋へ出張するため、サイトで宿泊場所を検索していたら、
驚くほど条件のいいホテルが表示された。
金山総合駅から徒歩6分。室内面積は30平米以上。
なのに、1泊7000円程度。一瞬、我が目を疑ったほどだ。
それだけに、一抹の不安もないではなかったが、
天下の『楽天トラベル』に掲載されているのだから大丈夫だろうと、
お得な気分に浸りながら、予約を完了させた。
出張当日、お目当てのホテルはすぐに見つかった。
「オンボロ宿の可能性もあるから見つけにくいかも」という、
私の予測を大胆に裏切るピカピカの外観。
フロントでキーを受け取り、部屋に入って、事情が飲み込めた。
ベッドがでかい! 風呂もでかい! しかもカラオケまである!
このホテル、どうやら元はラブホテルだったらしい。
ちなみにラブホテルには「ホテル」という言葉が入っているが、
旅館業法で規定されたホテルとは異なり、
風営法第2条第6項第4号で規定された、
「専ら異性とうんぬん」するための施設であり、ラブホテルは通称だ。
なので、業界人はラブホのことを「4号営業」と呼んでいる。
つまり、私が泊まったホテルは、風営法に基づく登録を取りやめ、
新たに旅館業法の条件を満たして「本当のホテル」に鞍替えしたのだ。
若年層の人口減少や性的な行動の変化(草食化?)により、
ラブホ経営は厳しくなっているそうだが、それを実感する体験だった。
こうした転換に限らず、ラブホを「日本文化」としてアピールして、
外国人観光客を大喜びさせている施設も増えている。
また、女子会の会場などとして提供するケースも多くなっていると聞く。
しかし、そうした「チェンジ」が成り立つのは、
都市部の繁華街に立地するラブホに限られるのではないだろうか。
交通手段が乏しい、地方のロードサイドに立地する「モーテル」は、
どう考えても苦境に立たされていると感じる。
若い世代の「クルマ離れ」も逆風を加速させているだろう。
ところが、こんなことを私に告げてきた人がいた。
「バリアフリーのラブホって、あまりないらしいです」。
つまり車椅子利用者にとって、ラブホは使いにくい施設だという。
早速ネットで調べてみたが、
確かに「スロープ完備」をうたう施設は検索できなかった。
こりゃ、もったいない!
名古屋のホテルで一番私が驚いたのは、風呂場の広さだ。
バスタブも浴室自体も、というか、もう脱衣場からして、
普通のホテルとは比べ物にならないほどの広さである。
車椅子利用者は、間違いなく大助かりだ。
こんな強みを生かさない手はないでしょ。
「客はいない。だが、客はいる」である。
この話、何もラブホに限ったことではないと思う。
「客が減った」と嘆いている経営者の皆さん、
まずはバリアフリーの導入を検討してみてはいかがだろう。
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「つながり力で起業・新規事業!」メールマガジンVol.90
(2019.6.11配信)より抜粋して転載しました。
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