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NICe増田代表理事が送る、新たなビジネスチャンス発見法と実現へのヒント。11日配信のNICeメルマガシリーズコンテンツです。
第10回 安いから、売れない



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   増田紀彦の「ビジネスチャンス 見~つけた」 第10回 

   安いから、売れない

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かれこれ10年ぶりに青森市で講演をさせて頂いた。
青森市役所、青森商工会議所、日本政策金融公庫青森支店共催という、
地元としては、相当に力を入れて取り組んでいる集まりだ。

開始時刻よりだいぶ早く到着した私は、
ホテルに向かいながら、青森駅前の商店街を散策した。

町並みは、想像していたほど変わってはいなかった。
悪く考えると、新しい建物を建てる力も必要もないのかもしれない。
「青森経済は厳しそうだな……」、そう思わざるを得なかった。

一方で、以前の青森市ではあり得なかった光景も目にした。
町の中を歩き回っている人の、ほとんどが外国人なのだ。
私を含む日本人は、数えるほどしか歩いていない。

市役所職員によれば、外国人観光客の誘致に力を入れていて、
ちょうど青森港に大型客船が寄港したタイミングだったそうだ。

やるなあ、市役所! 

と思ったが、その外国人たち、本当に歩いているだけなのである。
ダメダメ、それじゃダメでしょ。お買い物をして頂かないと。

外国人観光客、特に中国人観光客は、実際買い物をしたがっている。
なのに、彼らが買いたいものを売っている店が少ない。
お土産にするには、どの商品も安すぎるのだ。

中国の富裕層は、他人が持っていない超豪華な土産をゲットして、
それを帰国後、見せびらかしたいのである。
だから安いものや、大量に出回っているものでは、買う意味がない。

5万円だ、10万円だ、ではなく、100万円以上する日本酒とか、
10万円だ、20万円だ、ではなく、200万円以上する津軽塗りとか、
そういう品物を彼らは求めている。

世界を見回してみれば、
一本300万円のワインも一客500万円のグラスも決して珍しくはない。

その基準、その価値観(金銭感覚)に、早く追いつくべきだ。
今どきの日本人の財布に合せて、
匠が守り、育て上げてきた逸品を安売りするのはもうやめたい。

さて、この日の講演会のテーマは、市場セグメンテーションだった。
要するに、「誰に売るのかを先に決めて、商品を考えよう」という話だ。
私が「今、目の前を闊歩している外国人の分厚い財布を狙え」と、
参加者に檄を飛ばしたことは言うまでもない。

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「つながり力で起業・新規事業!」メールマガジンVol.88
(2019.5.13配信)より抜粋して転載しました。
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