増田通信より「ふ~ん なるほどねえ」166 白い鳥は美しい(らしい)
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<最近の発見> 白い鳥は美しい(らしい)
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クルマで移動中、白鳥の飛来地を通過した。
10羽ほどの群れが、優雅に冬の陽差しを浴びていた。
ふと、アンデルセンの童話、『みにくいアヒルの子』の筋書きを思い出した。
確か、アヒルの群れに混じってしまった白鳥の雛が、
黒い体毛のせいで、差別され、苛められ、散々な日々を過ごして、
もう死にたい、殺してくれと望む、悲惨な物語だったと思う。
アンデルセンは、どういうつもりでこの話を書いたのだろう。
白い容姿は美しくて、黒い容姿は醜い……。
人種差別だと指弾されても反論できない例え話ではないか。
貧困に喘いだアンデルセン自身の幼少期を、白鳥の雛になぞらえ、
あきらめなければ、いつかは幸せになれるという教訓かもしれないが……。
この童話が発表されてから200年近いと思うが、
人々の葛藤は変わらない。多くの人々が見た目の美醜に囚われている。
しかしながら、そもそも絶対的な美など存在しない。
「誰か」が提唱し、主張し、断定した美が「基準」になるだけだ。
そして多くの人は、その基準に近づこうと考え、行動する。
だから、理容・美容、化粧品、美容整形などの産業が成り立つ。
ちなみに上記のいずれの業界も2兆円を超す巨大市場だ。
要するにデファクトスタンダード(事実上の基準)を握った「誰か」が、
大いに得をするということである。
言い換えれば、特定の価値を基準だと主張して他に認めさせた者が、
ビジネスチャンスを一手に握ることができるのである。
これは何も巨大産業や巨大市場に限ったことではない。
例えば、あなたが何らかの資格を考案し、人々に発給するという方法もそうだ。
繰り返しだが、多くの人は「基準に達しよう、あるいは近づこう」とするものだ。
そのモチベーションをがっちり捉えて事業を起こせばいいのである。
なんてことを、クルマを走らせながら一気に考えた。
そして、一息ついて、思った。
この童話を読んだであろうマイケル・ジャクソンは、何を思ったのだろうかと。
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増田紀彦NICe代表理事が、毎月7日と14日(7と14で714(ナイス)!)
に、NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポーターの皆さん
へ、感謝と連帯を込めてお送りしている【NICe会員限定レター「ふ〜ん
なるほどねえ」スモールマガジン!増田通信】。
第166号(2019/0207発行)より一部抜粋して掲載しました。
※164の次は166号と題しお送りしています。「165」は白鳥と共に飛んだようです
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