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NICe代表理事の増田紀彦が、NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポ ーターへ送っている【NICe会員限定スモールマガジン増田通信】の中から、一部のコラムを抜粋して掲載しています。
増田通信より「ふ~ん なるほどねえ」24 「収斂進化」の善し悪し




私が会社員だった頃、社内でちょっとした事件が起き、
私も関係者と目されて、上司の調査を受ける羽目になった。
のらりくらり、まったく核心を語らない私に、とうとう上司がキレた。

「いい加減、白か黒かハッキリしろ!」

その時、ふと頭に浮かんだセリフが、
「もしオレがパンダだったら、この人は困るだろうなあ(笑)」だった。

人間、シリアスな場面が続くと、時としてこういうことが脳内で起こる。

上司の鋭い眼差しを浴びながら、私はなおも心の中で、
「パンダの白と黒の比率や分布はどうなっているんだっけ?」
などと考え続けていた。今思えば、黙秘を貫くためのいい手立てだった。

それにしても、パンダである。
毛の色の悩ましさもさることながら、種の問題も悩ましい。
パンダのことを中国語で「熊猫」と書く。
ジャイアントパンダは大熊猫、レッサーパンダは小熊猫だ。
しかしこの2種、大小に限らず、まったく似ていないと思うのだが……。

実は、縁戚関係など、まるでないのである。
ジャイアントはクマ科、レッサーは猫に近いレッサーパンダ科だ。
にもかかわらず、同じ名前が付いてしまったのは、
どちらにも「6本目の指」と呼ばれる手根骨があるためだ。

別種にもかかわらず、身体的特徴が同一化していくことを、
収斂進化(しゅうれんしんか)という。
生息する環境に適応しようとして、このような現象が起こるそうだ。

そう考えると、会社でも同じようなことが起こるのかもしれない。
例えば、いやな上司だらけの職場に長く勤めていると、
根がまじめな社員も、元からふざけた社員も揃って反抗的になっていく。
「いやな会社」に適応しようと、個性や適性が収斂されるのだ。

社員にとって多様性が否定される環境で過ごすことは、
中国奥地の険しい山の中で過ごすのと同じようなことかもしれない。


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増田紀彦NICe代表理事が、
毎月7日と14日(7と14で714(ナイス)!)にお送りしている
【NICe会員限定レター/「ふ〜ん なるほどねえ」スモールマガジン!】
増田通信・第24号(2013/03/14発行)より、抜粋してお届けしました。
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