世界にとっての中国
かつてイギリスはマンチェスターやリバプールに工業地帯を設け、
そこを拠点として世界に製品を送り出してきた。
かつてアメリカはデトロイトやピッツパーグに工業地帯を設け、
そこを拠点として世界に製品を送り出してきた。
かつて日本は京浜、中京、阪神、瀬戸内、北九州に工業地帯を設け、
そこを拠点として世界に製品を送り出してきた。
そして21世紀。
世界の国々は中華人民共和国に工業地帯を設け、
そこを拠点として世界に製品を送り出している。
しかし、急成長中国経済は、あらゆる矛盾や難題を抱え、
今や世界の誰よりも深い苦悩に苛まれているのかもしれない。
(一見、どこ吹く風のような態度を装っているが)
だから、
中国を励まし、アドバイスを送り、できる限りの支援をすることが、
世界経済の安定にとって不可欠かつ最優先の取り組みであることを
イギリス企業もアメリカ企業も日本の企業も、
いや、世界中の企業がよく知っている。
こう書くと、
「今は脱中国の流れが強まっている」と指摘されるかもしれない。
だが、そうだからと言って、
中国で稼働していた工場が、自国に帰還するという話にはならない。
アジアの他国へと横滑りしていくだけ。
経済においては、とっくのとおに世界はひとつ、人類は皆兄弟だ。
<一般社団法人起業支援ネットワークNICe 代表理事 増田紀彦>