増田通信より「ふ~ん なるほどねえ」1 意外な敵(そんなバナナ〜)
輸入製品・産品に関税を掛けるのは、
その分野の国内生産を保護するため。
なので、国内産の競合製品が存在しない場合、
輸入品といえども、関税が掛けられないか、
掛けられても極めて低い税率になる。
ところが、なぜかバナナには高い関税が掛けられている。
国産バナナといえば、奄美や沖縄で取れる小型バナナのみ。
ほとんど流通しておらず、それを保護するはずはない。
では、いったい何を保護しているのか?
なんと、国産リンゴを保護しているという。
しかも、季節関税といって、
リンゴが出回る寒い季節には一段階、税率を上げている。
(4月〜9月20%、10月〜3月25%)
「リンゴ農家の敵は、他のリンゴ農家にあらず」の考えだ。
関税問題の是非はともかく、
この、「敵は同業者に限らない」という視点は侮れない。
生産者や企業は、ついつい同業者をライバル視してしまうが、
消費者の選択肢は、業界という枠などにまったく影響されない。
例えば、ある町の喫茶店の近所に雑貨屋ができると、
その喫茶店の売り上げが落ちてしまうことがある。
「空いた時間をどう使うか」と考えている消費者にとって、
選択肢が増えてしまったからである。
この「消費者の選択肢の幅」を頭に入れておけば、
異業種の敵の不意打ちを、うまく回避できるかもしれない。
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増田紀彦NICe代表理事が、
毎月7日と14日(7と14で714(ナイス)!)に、
NICe正会員・協力会員・賛助会員の皆さんへお送りしている
【NICe会員限定レター/「ふ〜ん なるほどねえ」スモールマガジン!】
増田通信・第1号(2012/04/07発行)より、抜粋してお届けしました。
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