増田通信より「ふ~ん なるほどねえ」0 実用→複合→非実用
歴史小説を読んでいて、
「錫杖(しゃくじょう)」という言葉に出合った。
修行僧が手にする金属性の棒で、先端に輪が付いている。
この棒で地面を叩くとシャリンシャリンという音が響く。
それに合わせて声明や読経をするそうだが、
もとは、山中の動物を避けるための「音出し」だったとか。
だが、そもそもこの棒、名称が示す通り、
山中の歩行を助ける「杖」だったはずだ。当たり前だけど。
順番を最初からに直すと、こういう変化になる。
【1】歩行補助用具→実用的な用途
【2】歩行補助+害獣回避用具→複合的な用途
【3】儀式用具→非実用的な用途の追加
いま、私たちの身のまわりにある道具も、
こうした段階を経て変化していくものがたくさんあるはずだ。
たとえば、ケータイとか、どうだろう。
【1】携帯できる電話→実用的な用途
【2】電話+様々な機能→複合的な用途
【3】ファッション小物→非実用的な用途の追加
この流れを意識しておくと、
やがて花開く市場のイメージを予見できるかもしれない。
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増田紀彦NICe代表理事が、
毎月7日と14日(7と14で714(ナイス)!)に
NICe正会員・協力会員・賛助会員の皆さんへお送りしている
【NICe会員限定レター/「ふ~ん なるほどねえ」スモールマガジン!】
増田通信・第0号(2012/03/26発行)より、抜粋してお届けしました。
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