増田通信より「ふ~ん なるほどねえ」283 「長い」物語り
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<最近の発見> 「長い」物語り
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『貧乏令嬢はジャムを煮る ~妹の代わりに辺境伯に嫁ぐことになった平凡な
貧乏子爵の令嬢ですが、このたび旦那様に溺愛されてスローライフを堪能する
ことになりました~』というタイトルのマンガを読んでいた、
パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ホアン・ネポムセーノ・
マリア・デ・ロス・レメディオス・クリスピーン・クリスピアーノ・デ・ラ・
サンティシマ・トリニダード・ルイス・イ・ピカソさんが、手を止めて言った。
「マンガの名前も長いけどさ、オレの本名も長いよね~」と。
それを聞いた、
『「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が
明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する本』を読んでいた、
高知県宿毛市愛媛県南宇和郡愛南町篠山小中学校組合立篠山小学校の先生が、
「確かに。でも、長いものは縁起がいいって言いますから」と応じた。
先生はさらに、
「それに、長いほうが何かと話題にしてもらえますしね」と付け加えた。
「おおっ、それはそうだ」と、すっかり機嫌が良くなったピカソ画伯は、
先生をカラオケに誘い、かつて話題になったAKB48の、
『鈴懸の木の道で「君の微笑みを夢に見る」と言ってしまったら
僕たちの関係はどう変わってしまうのか、僕なりに何日か考えた上での
やや気恥ずかしい結論のようなもの』を二人で大合唱したそうだ。
めでたし。めでたし。
というわけで、何かにつけ、長い名前は不便だと思うが、
高知県宿毛市愛媛県南宇和郡愛南町篠山小中学校組合立篠山小学校の先生が言うように、
常識を超えた「長さ」は、確かに印象に残る。
実務的には短いほうがいいが、
「覚えられないほどの長い名前」として覚えてもらえる可能性を信じるなら、
ここぞという時に、そんな名前を商品に付けてみたい。
ちなみに私が、「こりゃ長い」と思った商品名は、
『アウトドアのあるある。衣類や用具にこびりつく強~烈な煙臭さ…
野性的な勢いで寄ってくる嫌な虫…広げてゲンナリするテントのしわ…
このスプレーでほぼ解決!帰りの寄り道も、用具を積んだ車内も、
もう「臭い」気にならない! 開発担当者こだわりの天然アロマ由来の
オーガニックな香りでリフレッシュ アウトドアあるあるほぼ解決スプレー』だ。
用途や効能や成分や使用法を別に表記せず、
すべてまとめて商品名にしてしまうインパクトは、やはり捨てがたい。
この発想にならい、NICeも、
『一般社団法人起業したい人や新規事業を開発したい企業、地域社会を活性化
させたい人たちを支援するために『つながり力』の普及と強化に取り組み、
それをもって日本経済の未来を切り拓くネットワークNICe』に名称変更しよう。
あ、無理か。この長さじゃ、法人用の実印が作れない。
これって、どうなの?
ハンコのせいで表現が制限される世の中って……。
でも、そんな制約も近い将来、クリアされそうな気がする。
「長い」が大手を振るえる縁起の良い時代は、もうすぐそこまで来ている。
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増田紀彦NICe代表理事が、毎月7日と14日(7と14で714(ナイス)!)に、
NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポーターの皆さんへ、
感謝と連帯を込めてお送りしている【NICe会員限定レター「ふ〜んなるほどねえ」スモールマガジン!増田通信】。
第283号(2023/12.14発行)より一部抜粋して掲載しました。
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