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NICe代表理事の増田紀彦が、NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポ ーターへ送っている【NICe会員限定スモールマガジン増田通信】の中から、一部のコラムを抜粋して掲載しています。
増田通信より「ふ~ん なるほどねえ」282 自分らしく ~「マズローの5段階欲求」とは異なる幸福論~



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<最近の確信> 自分らしく ~「マズローの5段階欲求」とは異なる幸福論~
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他人と自分の気質や能力が違うことは誰でも知っている。

では、自分はどういう人間なのか。
どういう状態が自然なのか。何をすれば合点がいくのか。
そう考え始めると、少しわからなくなる。

「自分らしさ」とよく言うが、
言葉の平易さに比べて、その真の意味を理解することは案外難しい。

いや、違う。本当は簡単なのだ。

子どもの頃を思い出してみると話が早い。

好きなものは好き。嫌いなものは嫌い。
得意なものは得意。不得意なものは不得意。
関心があることには関心があり、ないことにはない。

誰かから、誘導されたり強要されたりしなくても、
自然と、したいことはしたし、したくないことはしなかったはず。

子ども時代にこそ、「自分らしさ」を探し出すヒントが詰まっている。

起業するのなら、その「自分らしさ」をあらためて想起・発見し、
認識し、鍛練し、武器にすることを私は勧めている。

「自分らしいビジネス」は、競争力があるし、持続力もある。
日々の充実感や成果に対する満足感も高い。
何よりも、「やったほうがいいこと」と、
「やらないほうがいいこと」の判断を下しやすい。

つい最近行った茨城県水戸市での起業セミナーでも、その点を強調した。

だが、水戸から東京への帰途、ふと思った。
「自分らしい起業」を追求できるのは、
ここが日本で、今が平穏な時代なのだからだろうと。

…………

さて、マズローが説く「5段階欲求」をご存じの人も多いだろう。
私は、この説は一面的すぎるきらいがあり、
むしろ批判的に活用すべき学説だと考えている。

まずは、マズローの説明を見てみよう。

第1段階は「生理的欲求」。
つまり生命を維持したいという欲求である。

第2段階は「安全欲求」。
危険を排し、安心して生活を営みたいという欲求である。

これらの根本的な欲求が満たされた場合、
第3段階の「社会的欲求」へと進む。
「所属と愛の欲求」とも説明され、
愛されたい、愛したい、他者から必要にされたいなどの欲求が芽生える。

それもクリアすると、いよいよ第4段階の「承認欲求」へ進む。
認められたい、尊敬されたいといった欲求だ。
いわば地位や名誉、名声、表彰、注目などを求める段階である。

マズローは、これらの欲求が満たされた先に、
第5段階として「自己実現欲求」があるという。
いわば、理想とする自分を目指す段階だ。

しかし、先述したように、
私はマズローが主張するとおりに欲求が進むとは考えていない。

彼が生きた時代と現代社会では複雑さがまるで違う。
また、民族性や宗教観の違いも彼は考慮していない。
何より、今日のように社会のシステム化が進み、
個人が終世、その仕組みに縛られる展開を想定してはいないだろう。

例えば、私たちの周囲を見回しただけでも、
「生理的欲求」の次に来る「安全欲求」や「社会的欲求」を飛び越して、
いきなり「承認欲求」に向かう人が少なくないように感じる。

今の日本では「安心」や「所属」は、求めずとも手に入る。
だから「食べたい・眠りたい・交わりたい」(生理的欲求)の次に、
「目立ちたい・評価されたい・マウントを取りたい」(承認欲求)へと、
一挙に進むことが可能になっている。

もっとも、このように「社会的欲求」を飛び越してしまった場合、
他者との軋轢は避けられず、
いつも心のどこかに欠乏感を抱いて生きることになるだろう。

一方、第3段階の「社会的欲求」が満たされた場合、
もう、それ以上の欲求を抱かずとも、
十分な幸福感を抱いて、生涯を終えることができると思う。

ただし、単に「属したい」「必要とされたい」「愛されたい」ではダメ。
「本来の自分が必要とされ、愛され、
それをわかってくれる集団に属したい」と願うべきだ。

自分にウソをついて生きることなく、
愛され、必要とされるのなら、
承認欲求も自己実現欲求も自ずと達成される。

…………

東京に帰る特急の車中、
戦火に逃げまどう人々や、飢餓に苦しむ人々に思いを馳せながら、
「今の日本」に生きる私たちの、幸せの求め方について考えた。

やはり「自分らしく生きていく」。これしかない。
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増田紀彦NICe代表理事が、毎月7日と14日(7と14で714(ナイス)!)に、
NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポーターの皆さんへ、
感謝と連帯を込めてお送りしている【NICe会員限定レター「ふ〜んなるほどねえ」スモールマガジン!増田通信】。
第282号(2023/12.7発行)より一部抜粋して掲載しました。
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