一般社団法人起業支援ネットワークNICe

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<最近の発見>　 ChatGPTとの付き合い方
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刑事「すみませんが、もう一度、目撃したときのことをお話し頂けますか？」。
目撃者「えっ、さっき別の刑事さんに話しましたけど……」。
刑事「ほんと、すみませんねえ。私たちは別の部署になるものですから」。
目撃者「そうなんですか。じゃあ、話します。全部ですか？」。
刑事「はい。お手間かけますが、すべてお話しください」。

刑事ドラマを観ていると、こんなやりとりがよく出てくる。

同じ趣旨の質問でも、質問者が変わったり、聞き方が変わったり、
尋ねる場所や尋ねる日にちが変わったりすることで、
目撃者の言い分が微妙に変化することがある。

だから、回数を重ねて、ある意味、統計的に証言の信憑性を評価する必要がある。
と、私は推測している。

この刑事と目撃者との関係を参考にすると便利なのが、ChatGPTとの付き合い方だ。

昨日、私はChatGPTに、こう尋ねた。
「成功する起業家に共通していることは？」。

およそ20～25秒で答えが返ってきた。
項目としては5つあるそうで、
それぞれに詳しい説明が付いていたが、そこは割愛して項目だけ記す。

1．想像力と創造性
2．意欲と決断力
3．リスクテイク能力
4．経験と知識
5．持続力と忍耐力

なるほど。

で、今日も同じ質問をしてみた。回答は昨日とまったく一緒だった。

では、念のためにと、質問の文章を一文字だけ変えてみた。
「成功する起業家に共通していることとは？」。
（「と」が1文字増えている）

すると、前記とは違う答えが並んだ。

1．ビジネスに対する情熱と使命感
2．想像力と創造性
3．リスクテイク能力
4．自己啓発と継続的学習
5．持続力と忍耐力

5つのうち、2つが入れ替わっている。

「なーんだ。ChatGPTって、いい加減じゃないか」、
と、侮ってはいけない。

確かに、いい加減と言えば、いい加減だが、
それだけに、良い意味でも悪い意味でも、ChatGPTは人間臭い。
だから、恐ろしい存在ではあるのだが、それはともかく、
ChatGPTの2通りの回答を重ね合わせてみると、
いろいろと大事なことが見えてくる。

例えば、昨日挙げていた「経験と知識」が今日は消え、
代わりに「自己啓発と継続的学習」が登場してきた。

この変化を繙くと、
「一定の知的・精神的財産は必要だが、
過去に得たものだけに頼ることなく、
耐えず自己飛躍を目指している人が成功する」。
と、主張しているように解釈できる。

また、「意欲と決断力」が消えて、
代わりに「ビジネスに対する情熱と使命感」が登場してきた。

「意欲」と「情熱」は近しい。
問題は、「決断力」と「使命感」との関係だ。

皆さんは、どう関連付けるだろう？
私は、よくわからないので、この件もChatGPTに聞いてみた(笑)。

「起業家やリーダーは、重要な意思決定を迅速かつ正確に行うことが必要です。
そのためには、決断力が必要です。
決断をするためには、自分たちが追求する使命感を持っていることが重要です。
使命感がある場合、決断をすることが容易になり、
迅速かつ正確な決断ができるようになります」。

ふーん。なるほど。ちょっとダラダラした回答だが、大事なことも書いてある。

「使命感がある場合、決断をすることが容易」。
このセリフは金科玉条だ。

というわけで、ChatGPTの活用法を整理すると、
(1)同じ趣旨の質問の言い回しを微妙に変えて何度か行い、異なる回答を見つけ出す。
(2)回答の異なっている部分の評価を行い、関連性や共通性を見つけ出す。
(3)回答の中に潜む価値ある情報を拾いだす。

と、いったところだろうか。あくまで、現時点での活用法だが。


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増田紀彦NICe代表理事が、毎月7日と14日（７と14で714（ナイス）！）に、
NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポーターの皆さんへ、
感謝と連帯を込めてお送りしている【NICe会員限定レター「ふ〜んなるほどねえ」スモールマガジン！増田通信】。
第268号（2023/5.8発行）より一部抜粋して掲載しました。
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