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NICe代表理事の増田紀彦が、NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポ ーターへ送っている【NICe会員限定スモールマガジン増田通信】の中から、一部のコラムを抜粋して掲載しています。
増田通信より「ふ~ん なるほどねえ」266 五感を操る



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<最近の発見> 五感を操る
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北海道の北広島市にオープンした「エスコンフィールドHOKKAIDO」。
野球が好きな人も、そうでない人も、メチャクチャ盛り上がる施設と評判だ。

訪れた人々は、口々に「五感で楽しめる」と語る。

私はまだ訪ねていないが、「五感で楽しめる」と聞いて、
これは、ニュースなどで見聞きしている以上に面白そうだと直感した。

それはそうだ。
その魅力をニュースが詳細に伝えたところで、
私の脳に届く情報は、あくまで視覚と聴覚経由のものだけ。

もちろん、視覚情報と聴覚情報があれば、
おおよそのことはわかる。
だが、「わかる」と、「楽しむ」は、まったく別物だ。

実際、エスコンフィールドの天然芝の蒼い香りを嗅ぎながら、
美しく刈り込まれた緑の絨毯を目にすれば、
自分は今、フィールドにいるのだという実感が込み上げてくるだろう。

視覚と聴覚に嗅覚、味覚、触覚が加わることで、
その情報を「体感」できたと私たちは感じ、
それが満足感や高揚感をもたらしてくれる。

そう考えると、「五感で楽しむ」は、アミューズメントに限らず、
人々が利用する、あらゆる施設に導入可能な差別化戦略かもしれない。

例えば水族館。
近年は見るだけでなく、タッチプールを設け、
触覚でも楽しめるように工夫する施設が増えているし、
クラゲの展示施設などでは、幻想的なBGMを流す演出も見かける。

そのうえで、やはり嗅覚も刺激してほしい。
分厚いアクリルの向う側の水中世界を目で楽しみながら、
同時に、磯の潮の香りが漂ってくる展示があれば、
安全で快適な空間にいながら、かなり「海にいる感」が高まるはずだ。

もっとも水族館や動物園は、比較的五感を刺激しやすい条件が整っている。
むしろ、ハードルが高そうな施設こそ、この作戦の効果は大きいだろう。

例えば和小物の雑貨店。
さあ、どうする?

美しく手に取りやすい陳列で視覚と触覚は刺激できる。
お香を焚いたりすれば、嗅覚にも訴えられる。
BGMや効果音を活用すれば、聴覚も攻めることができる。

では、味覚は?
お勧めの食器に、香の物やご飯を少し添えて、試食させてみてはどうか。
食品を売るのではなく、食器を売るための試食である。

こんな感じで、業種ごとに、五感作戦を考えていけるはずだ。

繰り返すが、人は五感を刺激されるほどに、高揚感が高まる。
そして、高揚した自分の感覚を肯定的に捉え、
そのきっかけを与えてくれた商品やサービスや空間に対し、
好意的な感情を抱くことになる。
結果、購入という行為を通じて、自らの感覚に合格印を押す。

日本の商売は、もっともっと顧客の五感を攻めるべきだ。

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増田紀彦NICe代表理事が、毎月7日と14日(7と14で714(ナイス)!)に、
NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポーターの皆さんへ、
感謝と連帯を込めてお送りしている【NICe会員限定レター「ふ〜んなるほどねえ」スモールマガジン!増田通信】。
第266号(2023/4.7発行)より一部抜粋して掲載しました。
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