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NICe代表理事の増田紀彦が、NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポ ーターへ送っている【NICe会員限定スモールマガジン増田通信】の中から、一部のコラムを抜粋して掲載しています。
増田通信より「ふ~ん なるほどねえ」238 「たった」



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<最近の点検> 「たった」
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アベノマスク問題が、またまた火を噴いている。
もっとも、安倍前首相にしてみれば、
森友や加計や桜が再燃するよりはマシな展開だし、
それどころか、「応募数2億8000万枚」などと怪しげな数字を発表して、
いかに自分の政策が国民に支持されたかをアピールする豪胆ぶりだ。

政治家たる者、何をおいても、厚顔無恥であることが肝要だとつくづく思った。

こういう太々しい権力者たちに言論で挑もうとすると、
ついつい力が入りすぎてしまう書き手が少なくない。

とあるネットニュースの記述。

「配布希望者への配送費用が10億円にのぼることがわかった。同報道によると、
配布せずに廃棄した場合の費用はたった6千万円ほどで済むという」。

余計な一言が入っている。
「たった」だ。

10億円の配送費という支出額を問題にしたいがあまり、
「廃棄すれば、もっと安く済む」という対比を持ち出し、
その差額がいかに大きいかを強調しようとして、「たった」を使ったのだろう。
だが、6000万円という金額は、「たった」で表わせる額だろうか。

確かに国家予算額における6000万円は少額だ。
だが、それを言うのなら、10億円とて「たった」である。
令和3年度当初の国家予算は約106兆6000億円。
6000万円も10億円も、予算全体の0.00001%未満に過ぎない。

論を強く主張したいがために、安易な強調を行うことは、
かえって自らの論の正当性を損ないかねないという事例だ。

もう一度、上記した記事の引用に戻り、
「たった」の部分を読み飛ばしてみてほしい。
記者のいわんとするところが、スッと頭に入ってくるはずだ。

この件は、むろん「他山の石」である。

「非常に」「かなり」「相当に」「極めて」「本当に」「ことのほか」「マジで」……。
文章を書き終えたら、これらの用語を多用していないかどうか、
一度読み返してみることが大切だ。
「たった」それだけのことで、文章の説得力が増す。

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増田紀彦NICe代表理事が、毎月7日と14日(7と14で714(ナイス)!)に、
NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポーターの皆さんへ、
感謝と連帯を込めてお送りしている【NICe会員限定レター「ふ〜んなるほどねえ」スモールマガジン!増田通信】。
第238号(2022/2.7発行)より一部抜粋して掲載しました。
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