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NICe代表理事の増田紀彦が、NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポ ーターへ送っている【NICe会員限定スモールマガジン増田通信】の中から、一部のコラムを抜粋して掲載しています。
増田通信より「ふ~ん なるほどねえ」225 襤褸(ぼろ)を纏えど心は錦 



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<最近の絢爛>  襤褸(ぼろ)を纏えど心は錦
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埼玉県の秩父市に用事があったので、「こりゃチャンス」とばかり、
同地の老舗酒造、矢尾本店の直売所に足を延ばし、
夏用の酒をごっそり買い込んできた。うっしゃっしゃっしゃっしゃ。

矢尾さんの酒と言えば、ご存じ「秩父錦」である。
いや、ご存じないか。ご存じないだろうなあ。
むしろ、秩父錦ファンという人がいるなら、お目にかかりたいくらいだ。

全国どの地域にも、その土地の人しか知らず、
そして、その土地の人が愛してやまない銘品がある。日本は楽しい。

さて、私は秩父錦の味わいもさることながら、その名称に惚れている。
要するに「錦」がつく名前に惹かれるのだ。
錦を奉る文化は、古き良き日本のオーソドキシーである。

本来、錦は絢爛豪華な絹織物を指す言葉だが、
そこから転じて、類まれな美しいものや、
光り輝くような立派なもの、あるいは、誰もが憧れるもの、
そんな意味合いになっていったのだろう。

これら錦に輝くものたちは、当然、一朝一夕では誕生しない。
錦織が、気の遠くなるような作業を経て完成するように、
酒をはじめ、様々な世界の錦たちもまた、
志高い人々が手塩に掛け、丹精込めてつくりあげた品々だ。

米の笹錦や山田錦、椿の江戸錦や日本錦、さくらんぼの佐藤錦や桜頂錦、
鯉の大和錦や平成錦、金魚の東錦や寿恵廣錦は農家や職人たちの努力の結晶だし、
相撲取りの栃錦や大錦、小錦、富士錦らは親方のひとかたならぬ指導の賜物だ。

そう言えば、「人は見た目が10割」などという主張も聞くが、
やはり私は、「襤褸を纏えど心は錦」の教えを尊びたい。

消費文化とカタカナ文化にすっかり馴染んでしまった私たちだが、
粘り強さと創意工夫と郷土愛は、いまだ日本人の競争力の源泉だと信じている。


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増田紀彦NICe代表理事が、毎月7日と14日(7と14で714(ナイス)!)に、
NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポーターの皆さんへ、
感謝と連帯を込めてお送りしている【NICe会員限定レター「ふ〜んなるほどねえ」スモールマガジン!増田通信】。
第225号(2021/0714発行)より一部抜粋して掲載しました。
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