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NICe代表理事の増田紀彦が、NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポ ーターへ送っている【NICe会員限定スモールマガジン増田通信】の中から、一部のコラムを抜粋して掲載しています。
増田通信より「ふ~ん なるほどねえ」212 近視眼的な本能(目の前の確実なメリット) 



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<最近の提案> 近視眼的な本能(目の前の確実なメリット)
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情緒に欠けるが、子供の頃の正月の楽しみと言えば、やはりお年玉だった。
親戚が多い私は、積もり積もって結構な額を受け取っていた(はず)。
ところが、その大金がいったい何に化けたのか、まるで思い出せない。

よくよく考えると、思い出せない理由に見当がついてきた。
貯金したからだ。

では、その貯金はどうなったのか?

正月早々は、たとえば合計で何万円に達したら何かを買う、
というような誓いを立てていた気がする。
だが、大層な物を購入したのなら覚えているはずだから、
実際には、何一つ特別な買い物はしなかったと思われる。
かと言って、そのまま銀行に何十年も預けっ放しという事実もない。

ということは、目標額到達を待たず、その場のその場の欲求にもとづき、
少しずつ引き出しては、愚にもつかない消費を重ねていたと推測できる。
我ながら、意思が弱いというか、適当というか……。

もっとも、そんな記憶を持つ人は、私一人ではないかもしれない。
これは「近視眼的な本能にもとづく時間不整合性」という、
多くの人に見られる心理的現象だからだ。
目的到達までの時間が長くなるほど、決めたことを守れなくなるということ。

当然だ。
あるかないかわからない将来のメリットより、目先のメリットのほうが大事。
だから、私の行動は不整合ではあるが、不合理ではない。

では、現在の多くの日本人の近視眼的な本能にもとづく合理的行動とは何か?
代表的な事例は、GoToトラベルキャンペーンを利用した旅行の実施だろう。

感染するかどうかわからないコロナを恐れてじっとしているより、
実質半額で宿泊ができるこのチャンスを逃す手はないという考えだ。

人は、目の前にある確実なメリットが大好き。

今日明日にも東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県を対象に、
再び緊急事態宣言が発令される見通しである。
そうなれば、一時停止しているGoToトラベルの再開も、まず無理だろう。
となると、1月12日以降の宿泊予約もキャンセルが相次ぐはずだ。
手に入るはずだった目先のメリットが、確実に、手に入らなくなるのだから。

旅行を中止すれば、自費負担分の予算が余ることになる。
それを蓄え、将来、よりリッチな旅行に行こう、
などと考える人は、ほとんどいないはず。
私の子供の頃のお年玉貯金と同様、恐らくは何となく消えていく命運だ。

その「何となく消えていくお金」を狙うのが、商才である。

「旅行には行けないけど、
みんなで食事は楽しめないけど、
今なら、こんなお得な○○があります」。

そういうアプローチは、必ず功を奏する。
繰り返しだが、多くの人は、「目の前の確実なメリット」に弱いものだ。

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増田紀彦NICe代表理事が、毎月7日と14日(7と14で714(ナイス)!)に、
NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポーターの皆さんへ、
感謝と連帯を込めてお送りしている【NICe会員限定レター「ふ〜んなるほどねえ」スモールマガジン!増田通信】。
第212号(2021/0107発行)より一部抜粋して掲載しました。
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