増田通信より「ふ~ん なるほどねえ」201 頭脳交換会の真髄
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<最近の決断> 頭脳交換会の真髄
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この増田通信と前後して、
第12回定時社員総会の開催通知が会員の方々※に届く手筈になっている。
その議案にも記しているが、当面、頭脳交換会の開催は控える計画だ。
頭脳交換会は、「つながり力の強化」を果たすための効果的な方法であり、
NICeのNICeたる所以とも言うべき活動である。
それを実施できないことは痛苦の極みだが、今は我慢の時。
それなら、「オンラインでやれば?」と考える人もいるだろう。
私も感染症が広がり始めた当初は、そんなことも考えてみたし、
そういうアドバイスを送ってくれる人もいた。
だが、一度試した段階で、もう、これは無理だと実感した。
念のため、その後も実験を重ねてみたが、なおさら、
オンラインで頭脳交換会を実施することは困難という考えが強まった。
確かにZoomなどのツールを活用すれば、
「複数の人間が互いの顔を見ながらやりとりできる」ことは可能だ。
しかし、頭脳交換会は、プレゼンターの相談に対し、
回答やヒントを与えるだけの「単調なコミュニケーション」ではない。
投げ掛けられたテーマに対して、いくつものグループが、
そして何人もの人々が、同じ場所で、同じ空気を共有しながら、
脳味噌に汗をかくごとく、必死になって考えを巡らせ、
意見やアイデアを臆せず、次から次へと表明していく。
そういう果敢な姿勢を目の当たりにすることで刺激を受け、
「よし、私も!」という意欲を、他の参加者も高めていく……。
その連鎖が全体としての「やる気の啓発・向上」をもたらし、
普段では発案し得ないようなアイデアが、
いくつも飛び交うような展開になっていく。
この感動体験こそが、頭脳交換会の真髄である。
それを現在のオンラインコミュニケーション技術で堪能できるだろうか?
むろん、オンラインツールを使って、
相談をしたり、打合せをしたり、セミナーを実施したりすることは可能だ。
実際、私もそれらを頻繁に行っている。
ただし、そこに歓喜はない。
頭脳交換会は、人間本来の共同性に火をつける取り組みである。
例えれば、大勢が力を合わせて神輿(みこし)を担ぎ、練り歩くようなものだ。
そこには、協働と連帯の喜びが満ち満ちている。
それをオンラインでやろうと言うのは、いくらなんでも無理がある。
むしろ、「頭脳交換会ふうのコミュニケーション」に手を着けてしまうことは、
頭脳交換会の本質的な価値を貶めてしまう危険すらある。
したがって、感染症の終息が見えるまでの間は、
頭脳交換会を不開催とすることを決断した。ご理解をお願いしたい。
「その代わり」と言ってはなんだが、
今年は増田自身が全国各地へとお邪魔するつもりだ。
また、出掛けた先では、人数を限定し、
感染症対策を徹底した上で、懇談会も行いたいと考えている。
「そんな予算があるの?」という声が聞こえてきそうだが、大丈夫。
今月22日から、「Go To Travelキャンペーン」が実施され、
旅行費用の半額が補助されることになっている。
今は大勢が一堂に会することはできないが、
そのかわり、遠方の友人や知人を訪ねるには、もってこいの展開だ。
「出掛けるな」「出掛けよう」と、お上の言い分も支離滅裂だが、
それはしょうがないと思う。どちらも大事なことだから。
なので、やること、やらないことは、自らが判断するしかない。
私に会いたいと思ってくださる方がいれば、ご一報を。
先々、頭脳交換会を再開するための打合せ、なんてのもいいと思う。
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増田紀彦NICe代表理事が、毎月7日と14日(7と14で714(ナイス)!)に、
NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポーターの皆さんへ、
感謝と連帯を込めてお送りしている【NICe会員限定レター「ふ〜んなるほどねえ」スモールマガジン!増田通信】。
第201号(2020/0714発行)より一部抜粋して掲載しました。
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※文中の「会員」とは、NICe正会員・協力会員・賛助会員のことです