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NICe代表理事の増田紀彦が、NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポ ーターへ送っている【NICe会員限定スモールマガジン増田通信】の中から、一部のコラムを抜粋して掲載しています。
増田通信より「ふ~ん なるほどねえ」189 「ついている」とか「ついていない」とか 



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<最近の発見> 「ついている」とか「ついていない」とか
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今年の仕事はじめは1月4日だった。
と言っても、その日は土曜日だったので、外部とのやりとりはなく、
原稿を書いたり、講演の資料を作ったりといったデスクワーク。
大方、毎年の初仕事はこんな感じだ。

そうやって、脳味噌を少し引き締めた後に、
その年の他者との初面談がやってくる。

会議だったり、打合せだったり、訪問だったり、宴会だったりと、
人に会う目的は年によって異なるが、
やはり、一年の最初に合うのが誰かというのは気になる。

今年の一発目は、1月7日の14時、品川駅近くのカフェでのアポ。
相手は、よりによって大阪のおとぼけグダグダ正会員、寺田勝紀さんだ。

なんてこった……。

2020年は、寺田との不毛な会話からスタートを切るのかと、
アポが決まった後も暇さえあれば、私はひとり密かに落胆していた。

が、願えば物事は叶うものである。
年末も押し迫ったある日、寺田から電話が入った。

「神様、仏様、ご先祖様、どうかアポのキャンセル依頼でありますように」。

結果はその通りになり、寺田とのアポは一気に1月20日まで延長された。
「ついてないと思ってたけど、そうでもないぞ」と、全身に力が漲った。

それにしても、「つている」とか「ついてない」とかいうのは、一体何だろう?
正確な謂れは知らないが、私なりに類推すると、
「(運が)ついている」「(運が)ついていない」という言葉の短縮のように思う。

子供の頃、牛だか馬だかの糞を踏んでしまった時、まわりの大人が、
「ウンがついたんやから、ええことや」と言っていたのを思い出してみても、
運というのは、人間の外側に存在していて、
それが我が身に取りついてくれれば吉事があり、取りついてくれないと、
吉事が起こらないどころか、災厄に見舞われるかもしれないということだ。

本当のところ、
運というものが、人間とは独立して存在するのかどうか不明だが、
存在すると仮定すると、いかにそれを呼び込むかが肝要になる。

そう考えると、古今東西、人はそうすべく、色々と努力をしている。
祈ったり願ったり励んだり慎んだりと、何とか運を呼び寄せようと必死だ。
しかし、私自身は、特別にそういう行いはしていない。

それなのに、なぜ、寺田とのアポを回避できる幸運に恵まれたのだろう?
ヤツの相手をしてやろうという寛大な心が、運に評価されたのだろうか?

「そうではない」ことが、その翌日に判明する……。

◆◆◆

結局、寺田を飛ばしたので、
新年の面会第1号は、東北で農業を営む女性になった。1月8日だ。

彼女は野菜や果物を原料にした石鹸作りに取り組んでいて、
その石鹸を納めるパッケージについて私に相談したいとのことだった。

会うのはほぼ1カ月ぶり。
新年の挨拶を済ませてそうそう、彼女が口を開いた。

「実は、12月に増田さんにお会いした直後、病院から電話があって」と。

彼女はその時、医師から病気の名前を告げられたそうだ。
その後の1カ月の間に様々な検査も終えていて、
1月の末には手術を行う予定という。聞けば、大手術だ。

彼女は9年前の東日本大震災による津波で自宅を流され、
今は慣れない土地で一人暮らしを続けている。
それでも気持ちを立て直して新規就農を果たし、
ようやく念願の製品が開発できるというタイミングでの発病。

なぜ彼女の身にばかり、こんな出来事が降りかかるのか。
胸中を察するに、余りがあるなんてものじゃない。

それでも……と、私は彼女に伝えた。
津波で命を奪われず、また、病気も手術で根治可能というなら、
あなたには運がある。あなたはついている。
そして、あなたはきっと、今よりベストなタイミングで、
手作り石鹸を世に出すことになるのだと。

もし予定通り、1月7日に寺田と会って時間を浪費していたら、
おそらく翌8日の私の運気は、急下降していただろう。

ところが、寺田からの延期依頼で意気揚々としていた私だったから、
彼女に対して、そんなふうに言い切ることができたのだと思う。

言ってみれば、7日に寺田から受け取った運を、
8日に私が彼女に運んだようなものだ。

ん? 運んだ?

なるほど。そういうことか。

運はやはり、どこかに存在しているものなのかもしれない。
ただ、それは、いくら念じても勝手にやって来るものではないのだ。

人が運んでくるものだ。

誰かが「運んでくる」から、「運」なのか。

私はいわゆる精神世界には明るくないので、
ここに書いたことが荒唐無稽なのか、反対に常識なのか、見当もつかない。
ただ、「運」は、やはり人づてにやってくるものだと感じる。
「つながり力で日本経済と地域社会にツキを運び込む!」だ。

◆◆◆

今月の20日、寺田に会ったら、
「延期のおかげで、人の役に少し立てた。ありがとう」と告げよう。
もっとも、20日のアポを再延期してもらっても、私は一向に構わないが(笑)。

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増田紀彦NICe代表理事が、毎月7日と14日(7と14で714(ナイス)!)
に、NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポーターの皆さん
へ、感謝と連帯を込めてお送りしている【NICe会員限定レター「ふ〜ん
なるほどねえ」スモールマガジン!増田通信】。
第189号(2020/0114発行)より一部抜粋して掲載しました。
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