一般社団法人起業支援ネットワークNICe

ユーザーログイン
最新イベント


お役立ちコラム



Column
NICe増田代表理事が送る、新たなビジネスチャンス発見法と実現へのヒント。11日配信のNICeメルマガシリーズコンテンツです。
第19回:目指すは、名脇役



■□■───────────────────────■□■

   増田紀彦の「ビジネスチャンス 見~つけた」 第19回 

   目指すは、名脇役

■□■───────────────────────■□■


NICe主催のイベントにつきものの、「つながりQ10」。
名刺交換をする代わりに、あらかじめ用意された10個の質問の回答を、
各自がボードに書き込み、それを互いに見せ合う自己紹介方法だ。

何年か前の「つながりQ10」の中に、
「お金を無制限に使えるなら何をしたい?」という趣旨の問いがあった。
私は間髪を容れず、答えを書き込んだ。

「超大作映画のキャスティングにお金を注ぎ込む。
主役から通行人にいたるまで、全出演者が名優。
映画や舞台やテレビドラマを通じて知られる老若男女の俳優たちが、
何百人、いや千人以上、出演するような映画を作りたい」と。

タイトルは、「爆笑! それ行け、ニッポン株式会社」。
政治と経済をモチーフにした、気宇壮大なコメディである。

例えば福岡県の片隅の町工場が出てくるシーンがある。
配役は以下の通り。

会長(創業者)・草刈正雄
若社長・妻夫木 聡(会長の息子)
社長の妻・蒼井 優
専務・松重 豊(会長の妹の夫)
専務の妻・酒井法子(会長の妹)
工場長・光石 研
ベテラン職人・でんでん
職人見習い・池松壮亮
営業部長・陣内孝則
営業部員・鈴木浩介
経理課長・野間口 徹
経理課員・田中麗奈
隣の工場の社長・武田鉄矢
隣の工場の社長の妻・藤吉久美子
その町の町長・石橋 凌

ああ~、イメージが沸くなあ。
すでにお気づきの方もいると思うが、
上記した俳優たちは、全員が本当に福岡県出身の方々である。

これだけの面子を揃えても、出番はせいぜい1分30秒程度。
それでも全員が、ネイティブの福岡弁でワイワイ騒ぐという寸法だ。

こんな調子で、次から次へと希代の名脇役たちが
惜しげもなく登場しては去っていくのである。

すでに私の頭の中では、
相島一之、浅香航大、浅野和之、浅利陽介、井浦 新、入江雅人、
岩松 了、榎木孝明、大倉孝二、大和田伸也、岡本信人、小野 了、
香川照之、風間トオル、梶原 善、片桐竜次、片桐 仁、勝地 涼、
勝村政信、金田明夫、岸部一徳、木下ほうか、國村 準、甲本雅裕、
小市慢太郎、小日向文代、小林 薫、小松和重、近藤正臣、近藤芳正、
篠井英介、笹野高史、佐藤二朗、佐野史郎、椎名桔平、神保悟志、
杉本哲太、村杉蝉之介、滝藤賢一、竹中直人、田中哲司、田中要次、
津田寛治、堤 真一、寺尾 聰、寺島 進、時任三郎、徳井 優、
戸次重幸、豊原功補、中原丈雄、中村靖日、生瀬勝久、西岡徳馬、
西村まさ彦、橋爪 功、羽場裕一、半海一晃、緋田康人、平泉 成、
吹越 満、古舘寛治、正名僕蔵、益岡 徹、松尾 諭、松尾スズキ、
皆川猿時、三宅弘城、六平直政、モロ師岡、矢柴俊博、矢島健一、
山崎樹範、山中崇、山中崇志、六角精児、渡辺いっけい、渡辺 哲、
といった男優陣の役どころは、おおかた決まっている。
※もし、知らない名前の俳優さんがいたら検索してみてね。
すぐに「ああ、この人か。そう言えばよく見るな」って思うはずなので。

もちろん、女優も子役も外国人俳優も、膨大に登場する予定だ。
5000億円あればできるだろうか? 1兆円なら多分実現できるだろう。
という私の妄想はここまで(本当は、まだまだ続けたいが)。

要するに、脇役ってすごいという話だ。
物語におけるその役の重要性は言うまでもなく、
それぞれの俳優の個性も異彩を放ちまくっている。

ちょっとした主役クラスの俳優よりも記憶に残る人ばかりだし、
何より、この人たちは出番が多く、
実は結構な稼ぎを得ていると推測される(それなりに差はあるだろうが)。

ということで、今回の提案は、「名脇役を目指そう」である。

実はあらゆるシーンに、主役と脇役という設定が存在する。
例えば食卓。主役はやはり肉だ。
野菜は、どう頑張っても主役にはなれない。
出演料(購入価格)も、肉と野菜ではケタが違う。

とはいえ毎日、牛肉のステーキを食卓に並べる家庭はない。
一方、野菜はほぼ毎日出番がある。
年間の購入費を計算してみれば、牛肉より野菜が上かもしれない。

ところが、加工品開発に取り組む農業生産者の中には、
自らの主力産品を主役にしようと考える人が少なくない。

例えばニンジンを生産している人は、
それをジュースにしたりジャムにしたりゼリーにしたりする。
どれも悪くはないが、消費者がそれらに高いお金を払ったり、
それらを何回も購入してくれたりするだろうか?

そうではなくて、レトルトのビーフカレーやビーフシチューを製造し、
その中の具材のひとつとして、タマネギと一緒にひっそり入り込む……。
こういう出演の仕方のほうが、目立ちはしないが儲けは大きいはず。

あらゆる業界に当てはまる話である。
製造業なら、売れない完成品を作るより、売れる製品の部品を作る。
建築業なら、新築を狙うより、中古住宅のリノベーションを取りにいく。
小売業なら、一等地に出店せず、競合のいない地方都市に店を出す。

何がなんでも主役!
ではなく、脇役の第一人者を目指すことで開ける活路はある。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「つながり力で起業・新規事業!」メールマガジンVol.106
(2020.2.12配信)より抜粋して転載しました。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

増田紀彦の「ビジネスチャンス 見~つけた」は、
毎月11日に配信するNICeメールマガジンでの連載です。
このメールマガジンは、毎月11&21日頃にお送りします(土日祝の場合は翌平日)。
NICeユーザー(SNSに登録)に限らず、どなたでもご購読登録いただけます。

バックナンバー&購読登録はこちら 

NICeユーザー(SNSに登録)へは自動送信しますので、メルマガ登録する必要はありません。NICeのSNSは登録も利用も無料です。




 
 前の記事
次の記事 



最新のお知らせ NEWS
2024-11-21 08:07:55NEWS
 本日配信:NICeメルマガvol.221【増田紀彦の視点・第130回 どうする? フリー新法】

プライバシーポリシー
お問い合わせ