「事例に学ぶ! 新事業実現法」第36回/岡田昭彦さん(北海道帯広市)Uターン起業で故郷の活性化を応援! 生産者と消費地をつなげ、物流・集客もサポートする営業代行業
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「事例に学ぶ! 新事業実現法」
第36回
Uターン起業で故郷の活性化を応援! 生産者と消費地を
つなげ、物流・集客もサポートする営業代行業
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北海道帯広市/NICe協力会員・岡田昭彦(おかだ・あきひこ)さん
株式会社おかだ商産 代表取締役
とかちビュッフェ(十勝食材フェア)代表
http://infomartes.com/tokachidaisuki/
NICe会員情報はこちら
http://www.nice.or.jp/category/members/members-hokkaido
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◆順調だった通販事業をやめ、深く濃い信頼関係の構築と業界経験習得へ
故郷を一度離れたからこそ、その良さを再認識したという人は多いが、
10数年ぶりにUターンした岡田昭彦さんもその一人。
知らないことは「知らない、教えてほしい」と言える
“自称・バカ正直”の功名か、今では、「知り合いの多さが宝物」と語る。
岡田さんは、2010年、十勝産品通販「とかち大好き」をスタート。
だが2年後、順調だったネットショップを閉め、
帯広地域雇用促進協議会の事業推進員に就いた。なぜか。
「生産者さんの魅力を発信して応援したいと始めましたが、
広く浅くではなく、もっとつなげて喜ばれるよう営業がしたい。だが
食品業界や農業の知識が足りない、勉強しなくてはと自覚したのです」
事業推進員として、十勝エリア19市町村600軒もの生産者と企業を訪問し、
買い手側である、首都圏のスーパーや外食産業100軒以上をリサーチ。
生産者と首都圏のシェフをつなげ、東京や大阪も駆け巡った。
◆NICeなビジネスプランコンテスト応募で、事業化が加速前進
新規事業の転機となったのは、2013年11月に応募した
「第1回NICeなビジネスプランコンテスト」だったと振り返る。
生産者の思いや商品の魅力を伝えつつ、ニーズの異なる店舗や買い手ごとに、
最適な物流を提案して、流通させる仕組みを確立したい。
そんな思いが一気に加速したのが、コンテストのエントリー用紙に向かった時。
「項目に沿って書いてみると、事業プランが明確になって、
あ!イケルかもと。今思えばまだまだ甘かったですが(笑)」
岡田さんの事業プラン『トカチbuffet(十勝食材フェア)』は、
1次・2次審査を通過し、東京で開催されたファイナルステージに進出、
十勝を他地方に置き換えれば、日本中を元気にできるとプレゼンした。
結果、第3位を受賞。そのニュースが地元の十勝毎日新聞にも掲載されると、
応援してくれる人がさらに増えた。
「地元でも喜ばれました。エントリーしたことで、考えがまとまり、
言葉にしてきたことで、知恵も情報も応援もいただけたのです」
◆営業のマンパワーで地域活性化を目指し、食を通じて心の交流も
2014年6月、十勝の生産者と、飲食店やスーパーなどを
つなげるBtoBの無料会員サイト「とかちビュッフェ」をスタート。
並行して生産者の営業代行やコンサルタントとしても活躍し、
いずれはエンドユーザーである消費者までも含めて、
十勝の食で多様な人たちが交流できる場づくりにも取り組む考えだ。
「故郷の食材を、生産者さんを応援したい、という同志は全国に多いですが、
個々の状況や事情を汲み取りつつ、買い手側や流通の要望にも応えるのは
相当なマンパワーと営業力が必要です。志半ばで別の道を進む人も……。
でも、何かあれば『十勝の食材で、岡田さんどうにかできる?』と
お声かけいただくこともあり、私にも生産者さんにもありがたい。
これは私の営業トークの成果ではなく、ご縁と十勝のブランド力のおかげ。
感謝していますし、その恩返しを地元へ!とより強く思います」
十勝を応援するつもりが、今は逆に応援されているという岡田さん。
ネット事業撤退後に、友人から誘われ応募した、
地元コミュニティラジオFM WINGの市民パーソナリティを今も務めている。
隔週月曜19時半から、生産者を紹介する30分番組『十勝ブレンド』。
“バカ正直に相談するタイプだが、嘘はつかない”
そんな岡田さんの人柄も熱い郷土愛も、リスナーへ届いているに違いない。
2016.1.21
「つながり力で起業・新規事業!」 メールマガジンVol.38