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新たなつながりで誕生した新たなビジネス事例、その起点となる発想と実現へのポイントを紹介
「事例に学ぶ! 新事業実現法」第31回/野田哲也さん(愛知県名古屋市)特殊印刷の技術力と同業・異業の仲間をつなげ、頑張る人を応援する『必勝だるま色紙』の開発・販売へ


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    「事例に学ぶ! 新事業実現法」

    第31回
    特殊印刷の技術力と同業・異業の仲間をつなげ、
    頑張る人を応援する『必勝だるま色紙』の開発・販売へ
     
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 愛知県名古屋市/NICe正会員・野田哲也(のだ・てつや)さん
 太美工芸(たいびこうげい)株式会社 専務取締役
  http://www.taibi.co.jp/
 必勝だるま色紙
  http://taibi.jugem.jp/?cid=2
 NICe会員情報はこちら
  http://www.nice.or.jp/category/members/members-tokai
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◆幼少から慣れ親しんだ印刷現場。その職人技を広め、未来へつなぐために

鉄道会社や道の駅、観光地などで、さまざまなスタンプラリーが人気だが、
『100名城スタンプラリー』をライフワークとしているのが、
名古屋のスクリーン印刷会社・太美工芸(株)の野田哲也さんだ。

家業を継ぐことを野田さんが決意したのは、大学4年生の時。
卒業後は神奈川県のスクリーン印刷会社で修業を積んだ。

6年間の修業期間を経て、父の会社に就職したのは2004年。
しかし、技術力と職人技で信頼を築いてきたご両親の経営方針と、
営業力と提案力で、開拓・革新を手がけてきた野田さんとでは
意見が食い違うこともあり、当初は戸惑いもあった。

「当社は長期耐久性を誇る特殊ステッカーなどのスクリーン印刷の専門会社。
技術力に自信がある父は、営業しなくても……という考え方でした。
でも、その技術を広め、様々な製品に活用できることをいかに知ってもらうか。
これに取り組むのが若い自分の役目だと」

野田さんは、自社の技術をわかりやすく伝えるため、
サンプルを添付した『スクリーン印刷丸わかりブック』を作成し、顧客に配布。
ファイリング形式で毎年差し替えできるよう工夫し、
今ではバージョン8にまで至っている。


◆自社技術のPRツールとして、初の自社製品に着手。人脈が生き応援者が続々と

創業38年の野田さんの会社は、特殊印刷製品を山ほど製造してきたが、
それらを印刷したのが誰か、世間は知らない。
「技術を知ってもらうための自社製品をつくりたい!」。
その思いが2014年11月、『必勝だるま色紙』となった実を結んだ。

「見事な“必勝”の文字を持っている仲間がいて、使っていいよと。
社内で話題にすると、『だるまにしたら面白いですね』と。
確かに立体物印刷は、うちの技術力を示すにはいいけれど、
実際に使う人のことを考えると、だるまは置き場所も要るし、
祈願達成したら奉納して手元から無くなるでしょう?
手元に残せて、たまに見返して、初心に戻ってまた頑張ってほしいなと。
そこで、色紙にしたらどうだろうかと。
自社得意のシールも付けて、好みの目を貼れるようにしよう!
そんな遊び心から誕生したのです」

ネット販売するなら協力すると申出てくれた仲間も複数いた。
だが、適正価格がわからない。
そこで野田さんは、必勝だるまといえば、受験生だ!と、
小牧市で個別指導塾を経営するNICeの仲間・吉澤潔さんに相談。
「必勝への勢いを感じさせるGO!から、端数は5がいい。それに、
たくさん“5を書く”=合格の願いも込められる!」との意見から1枚1555円に。

野田さんが、初の自社製品完成!とSNSへ投稿すると、また別の応援者が。
NICeの仲間で、映像制作も得意なナレーター・梶田香織さんだ。
「『受験だけじゃないよね、ちょうど選挙!私が動画つくるよ、行くから』と
本当にすぐに来てくれて(笑)、インタビュー形式で撮影して、
その場で編集して、すぐにYouTubeにアップしてくれたんです」

さらに、部活に励んでいる子どもたちへ贈りたい、
プロジェクトなどに挑むチームへもいい、と、
頑張る人たちに贈る、応援グッズとしてのニーズがあることもわかり、
3枚、5枚、10枚のセット販売も開始した。

日中はほとんど内勤の野田さんが勉強会や交流会へ顔を出せるのは終業後や休日。
同業者の会やNICe東海でも、運営メンバーとして活動し、実に多忙な日々。
それでも、同業・異業種の集まりへ顔を出すよう努めてやまない。

「同業界・異業界、その両方でつながることの大切さを実感していますから。
今、何が望まれているか、自分に何ができるか、常に学んでいかないと。
そのためにも、出向くこと、顔を合わせて語り合うことが大切だと思っています」

ご両親はお元気でまだまだ現役。野田さんが跡を継ぐ日はしばらく先だが、
城主になるその日へと、信頼・実績・つながりという名の強固な石垣を、
今、着々と積み上げているところだ。


2015.6.22 
「つながり力で起業・新規事業!」 メールマガジンVol.31

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