「事例に学ぶ! 新事業実現法」第24回/池田美佳さん(富山県富山市)新天地での仲間づくりが共感・連携を呼び、子どもの成長とともに進化する、体験型教育事業
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「事例に学ぶ! 新事業実現法」
第24回
新天地での仲間づくりが共感・連携を呼び
子どもの成長とともに進化する、体験型教育事業
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富山県富山市/NICe協力会員・池田美佳(いけだ・みか)さん
つながリンク えん 代表
http://tunagalink-en.jimdo.com/
NICe会員情報はこちら
http://www.nice.or.jp/category/members/members-hokuriku
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◆人脈ゼロの地で奮起! 原点回帰で地域活性事業から教育事業へ
時代とともに事業は変化していくものだが、
暮らしとともに進化させているのが、池田美佳さんだ。
新潟県十日町市で、地域の魅力を発信していた池田さんが、
夫の赴任先である富山市へ転居したのは2010年4月。
その後も十日町市定住交流促進嘱託員を続け、
同時に、自然体験や人とのつながりを提供する個人事業
『つながリンク えん』を立ち上げ、
十日町での農業体験企画や物産展などのサポートを続けた。
新潟県と富山県を往復する生活を送るはず、だった。
転機は引っ越しの3カ月後。第一子懐妊を知ったときだ。
13年間も力を注いできた十日町への想いは強い。が、
居住地を変えたことで、地元ではない人間での“地元発信”に
限界を感じ始めるようにもなっていた。
そこで産休ではなく、嘱託員の契約更新をしないことに。
だが、富山で人とのつながりを提供する事業ができるのか?
不安と焦りと葛藤を繰り返し、導き出した答えは、
「知り合いがいないならば、つくるしかない。
自分から外へ出て、知り合うしかないのだ」ということ。
そう考えた池田さんは、地元でのマタニティスイムやサークルへと
積極的に参加。外へ出よう、発信しよう、新天地で仲間づくりだ。
◆枠にはまらない多様な体験が、豊かな表現力と骨太の応用力に
「地域活性化に長年関わって、いつの間にか、『地域おこしの池田、
十日町の池田』と呼ばれていましたが、富山へ越してきて、
私が本当にしたいことは何だ?とじっくり考えるようになりました」
そもそも愛知県出身の池田さんが、なぜ十日町に関わったのか。
話は小学生時代にさかのぼる。とあるキャンプに参加した感動体験から、
将来はキャンプ指導員になりたい!と夢を抱いたのが始まりだ。
そのため、高校は新潟県松之山町(現十日町市)へ山村留学。
3年間、小中高生との共同生活を経験し、
大学進学とアメリカ留学で知識と現場体験を積み、
今度は指導員として十日町へ戻ってきた。
これまでに国内外で接した子どもの数は1000人以上。
自然や異文化の中で、他人たちと人間臭く関わることで、
自分の世界が広がることを池田さんは確信していた。
そういう人との出会いの場を、きっかけを、子どもたちへ提供したい。
池田さんの“本当にしたいこと”の原点だ。
◆異文化、異世代、未知の環境で“人に関わり成長する”喜びを
2011年3月に長女出産、その秋には活動準備を始め、
2012年2月に、親子で体験できるプレイバックシアターを
3月に、NICe増田紀彦代表と小林京子理事を講師に招き、
『子育てママの交流会 働くママがもっと輝くために』を、
秋からは、未就園児対象の親子英語サークルも開催した。
さらに2013年11月に第2子の長男を出産してからは、
対象を親子・子どもへ完全シフトし、
2014年5月から、就園児クラスの幼児親子教室も開始。
ママ仲間はもちろん、県内外の団体との協力・連携も増えつつある。
天気がよければ屋外での青空教室を、
10月には自宅を一軒家に移し、2階フロアでの教室開催も計画している。
枠にはまらない臨機応変さは、国内外での長年のキャンプ指導で身に付いた。
ふたりの子どもの成長に併せ、教室も企画も年齢もステップアップしていき、
いずれは小中高生も対象にした屋外キャンプへと進化させたい考えだ。
「留学時代、『日本人はどうして気持ちを表情で表現しないのか?』と
不思議がられたんです。『でも、美佳は違うね』と(笑)。
言葉が通じなくても、表情が備わっていれば
コミュニケーションは取れる、人間関係の原点だと思うのです」
異なる文化、異なる地域、様々な世代、自然の中で、
時には壁にぶつかりながらも、多様な人と関わることで、
自分の世界が広がり、表現力も応用力も身に付いてく。
そんな機会を多くの子どもたちへ提供していきたいと池田さんは語る。
「人は人の中で育つ」。
それは子どもだけに限らず、大人にも、経営者にも、言えること。
2014.11.25
「つながり力で起業・新規事業!」 メールマガジンVol.24