「事例に学ぶ! 新事業実現法」第23回 /梶田香織さん(愛知県名古屋市)異業種仲間との交流から、声・話し方改善のニーズを認識。声の販促&社会人対象レッスンの2事業展開へ
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「事例に学ぶ! 新事業実現法」
第23回
異業種仲間との交流から、声・話し方改善のニーズを認識
声の販促&社会人対象レッスンの2事業展開へ
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愛知県名古屋市/NICe協力会員・梶田香織(かじた・かおり)さん
プレゼンジャパン 代表
アメージングボイスマーケティング 代表
http://presenjapan.jp
NICe会員情報はこちら
http://www.nice.or.jp/category/category/members/members-tokai
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◆絶対音感の耳を生かした即実践のアドバイスで手応えを実感
2020年開催を決めた東京五輪。そのニュースとともに話題となった
招致団の感動的なプレゼンテーションを覚えている方も少なくないだろう。
その反響の大きさに、ナレーター歴20年を誇る梶田香織さんは
「世の中の人は、こんなにプレゼンに興味があるんだ!」と驚いたそうだ。
同じ言葉でも誰が言うかで、受け取る側の心証は異なるが、
どんな声・どんな話し方をするかで、感動さえも生み出すことがある。
梶田さんは七色の声を使い分け、声だけで、人の心を動かすナレーター。
『ズームイン! サタデー』天気予報10年、ラジオパーソナリティ連続15年など、
東海地区の主要テレビ・ラジオ局のすべてに出演実績があり、
現在も全国放送、イベント司会、CMなどで活躍している声の専門家だ。
そんな梶田さんに、「一般人にも教えてみたらどう?
ビジネスマンや経営者向けに話し方セミナーしてみない?」と、
声がかかったのは2012年。大震災復興チャリティの話し方講座だった。
プロの声優やアナウンサーを養成する専門学校で講師を務める梶田さんだが、
一般人対象のレッスンは未経験。
「講座を開いてみて驚きました。
一般の方やビジネスマンたちがこんなにも声や話し方に困っているのだと、
変わりたい、変えたい!と思っている人が多いことを初めて知ったのです」
梶田さんは絶対音感の耳も持ち、短いフレーズを聞いただけで、
その人の骨格や舌の動きがわかり、話し方の癖まで聞き分けられる。
その特技を生かし、講座で受講者ひとり一人にアドバイスを行うと、
話し方や声が劇的に良くなり、大喜びされた。
その手応えと同時に、講座の次回開催を望む声に応えて、
2013年11月、声・話し方レッスン部門をプレゼンジャパン、
販促用音声を提供する部門をアメージングボイスマーケティングと
それぞれ屋号を付け、新規事業として本格始動させた。
◆新規事業も事業明文化のきっかけも、イベント仲間のひとことから
初めて一般人を対象の話し方講座に登壇したのも、
2つの新規事業に屋号を付けて明文化し、展開することになったのも、
きっかけを与えてくれたのは、N-1グランプリの仲間たちだった。
N-1グランプリとは、2007年にスタートし、
これまで4回開催されてきた、東海エリアの中小企業ビジネスの祭典だ。
梶田さんは、総合司会を務めながら自らも事業PRブースを出展。
2013年11月開催の第4回N-1グランプリで、
ナレーター、販促用音声、レッスンの3つをどう説明しようか悩んでいた。
PRチラシを作成してくれることになった実行委員の仲間が、
「どれも声に関わることだけれど、1枚のチラシに全部を盛り込まずに、
3種類つくってあげるよ。分けたほうがわかりやすいから」と。
そのアドバイスが、屋号を分け事業ドメインを明確にするきっかけになったという。
現在レッスンの対象は、子ども世代へも広げている。
人前で話す自信がない大人の多さを知り、ならば子どものうちからと。
「ちゃんと話せる力、声の力は一生ものの財産です。
それまでもたびたび交流会の場などで、聞き取りにくい自己紹介や
その良さが伝わらない事業プレゼンを見聞きして、
惜しいなぁ、損しているなぁと思うことがたびたびありました。
声だけで、聞き手の心は動き、良い商品もサービスもそれを説明する声ひとつで、
印象も変わります。それが本人の自信にもつながる。
自信を持って人前へ出て話してほしいですね、大人も子どもたちも」
七色の声と絶対音感の耳を持ち、笑顔の声を全国へ届ける梶田さん。
だが、なによりの財産は、仲間のアドバイスを真摯に受け止め、
実践していく、その素直な心にこそあるのかもしれない。
2014.10.21
「つながり力で起業・新規事業!」 メールマガジンVol.23