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厳しさを増す経済・経営環境に立ち向かうために、NICe増田代表理事が送る、視点・分析・メッセージ 。21日配信のNICeメルマガシリーズコンテンツです。
改元を、日本経済転換の契機に!



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    「増田紀彦の視点 どうする?日本経済」

    第66回 
    改元を、日本経済転換の契機に!
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【昭和の終焉、バブル崩壊、そして平成へ】

イケイケドンドンの昭和経済の最後を飾ったのがバブル景気だった。
和暦で言うと昭和62、63年頃。西暦で言うと87、88年頃。
当時の様子を狂騒曲などと表現する人もいるが、異論はない。
好景気なんてものではなく、あえて言うなら超景気だった。
独立したばかりの私も、この波に乗って稼ぎまくったことは言うまでもない。

ほどなく膨らみ切った風船は、当然の如く破裂した。
昭和63年の後半あたりから、少し危ないかも……という空気はあった。
その流れと軌を一にするように、ご高齢の昭和天皇の体調が悪化していく。

わが国のシンボルの重い病に配慮し、世間は「自粛ムード」一色になった。
華やかな、あるいは賑やかな行事は次々と中止を決め、
世の色彩は、バブルを象徴する極彩色から一気にモノトーンへと変わった。

明けて昭和64年、昭和天皇崩御。
まるで、その後を追うかのように、バブル経済も終焉を迎えた。

暗い世相を噛みしめながら、平成時代が幕を開けた。


【平成元年、日本もついに消費税導入】

あれから、もう30年。
平成天皇皇后両陛下のご活躍ぶりは、誰もが知るところだ。
お二人に力を与えられた日本国民は、本当に多いと思う。

しかし、平成以降の日本経済は、低迷したまま30年を重ねた。
バブル崩壊直後の西暦90年代を指して「失われた10年」と呼んだが、
結局それが「失われた20年」になり、30年になってしまった。

平成元年(89年)、消費税制導入。
当然、バブル崩壊後の不景気は加速した。

以降、政府は一貫して緊縮財政路線を維持している。
平たく言えば、税金はしっかり取るが、政府支出は抑えるということだ。


【同じく平成元年、日米構造協議開始】

平成元年にはもうひとつトピックがある。日米構造協議の開始。
その結果、数年後には、日本国内の市場の様々な場所を、
アメリカ資本に譲り渡すことになった。

当時のアメリカは、プラザ合意をもって円高ドル安を図ったものの、
日本企業の工場海外移転などによる対抗策の結果、
対日貿易赤字が膨らむ一方の状況にあった。
危機感を抱いたアメリカはスーパー301条を制定し、
日本政府に強行姿勢を示してきた。

そのアメリカの「言い分を聞く場」が日米構造協議であり、
アメリカは同協議で日本の市場の閉鎖性を追及し、
日本の経済構造の改造と市場の開放を迫った。

スーパー301条による報復措置をチラつかせられた日本は、
アメリカに押され、様々な規制の緩和を約束。
外資規制も緩和され、ほどなく保険業界や証券業界に、
カタカナ企業が雪崩を打って参入してきたことは記憶に新しい。


【改元を機に、汲々としてきた歴史にピリオドを】

たまたまの一致ではあるが、改元(昭和から平成)と共に、
政府は消費税導入と緊縮財政を開始し、民間への資金を抑え込み、
一方で、国内市場を外資に開放し、日本企業を厳しい競争に巻き込んだ。

生き残りをかける企業は合理化を徹底し、大規模なリストラを敢行。
さらに、正規雇用の枠を狭め、大量の非正規雇用労働者を生み出し、
結果、日本の実質賃金は、
平成11年(97年)から20年を掛けて、15%も減少した。

頑張っても頑張っても儲からない、
儲からないのに税金と社会保険料は取られる……。
振り返れば、平成の30年間はそんな重苦しい時代だった。

令和の時代は、日本国民一人一人が、そして私たち小規模事業者が、
生きがいとともに、日々の豊かさを感じることが出来る世であってほしい。

<一般社団法人起業支援ネットワークNICe 代表理事 増田紀彦>

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「つながり力で起業・新規事業!」メールマガジンVol.87
(2019.4.22配信)より抜粋して転載しました。
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